平成30年度(2018年度)_センター試験_国語第4問(漢文)_解説
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今回は、平成30年度(2018年度)センター試験国語第4問(漢文)の解説です。
問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。
センター試験の過去問は、市販されている問題集を購入するか、大学入試センターのホームページからダウンロードできます(過去3年分)。
どちらかでご準備をお願いします。
また、センター試験の過去問を効果的に使うための記事がこちらです。
ぜひ読んでみてください。
では、始めましょう。
平成30年度(2018年度)センター試験国語第4問(漢文)は『続資治通鑑長編』からの出題でした。
まずは本文に出てきた知っておくべき重要漢字と句法の確認です。
さらっと見てみて「分からない」ものがあれば、Quizletでの学習をしてみましょう。
Quizletについてはこちらの記事をご覧ください。
重要漢字
平時 若 独 之 知 一日 いかん 相 何如 為 則 故 自 古 所以 能 者 得 如 而 負 以 雖 至 殆 不能 吾子
重要句法
不若A 未A
では、各設問の解説です。
問1 漢字の意味
X
「議」という漢字の持つニュアンスと文脈判断で考えます。
「議」を訓読みすることはできませんから、「会議」「議長」などの熟語から意味を考えましょう。
また、「世間が準を『議』はどうか」という疑問に「皆すぐに宰相になると言っている」と答えている文脈から、世間が準をどのように「判断しているのか」を聞いたと推測できます。
Y
「沢」は漢文でよく出てきます。「潤沢」の「沢」と覚えておきましょう。
あとは文脈判断です。「賢い宰相が功績を立て人々を『沢』できる理由は」だから、人々を潤わせている的なニュアンスをつかみましょう。
重要漢字以外は、漢字の持つ意味・ニュアンスと文脈判断で考えましょう。
問2 解釈
Ⅰ
古文漢文の解釈や「どういうことか」という内容説明問題は傍線部の直訳から考えるのが基本です。
傍線部を直訳すると「これを知っていた」です。
「これ」の指す内容は直前から「嘉祐」だと分かります。
選択肢では嘉祐がどのような人物か知っていたのかまで問われてるので、そこまで読み取る必要があります。
傍線部を含む一文を訳すと
「嘉祐は通常は愚かだけれども、寇準だけが『これを知っていた』」
と逆接で繋がっているので、「これ」の指す内容は「愚か」の逆の内容でありプラスのはずですね。
Ⅱ
多くの場合、漢文は、登場人物の紹介(出自や出身地、身分、性格)からはじまり、その後に舞台設定(いつの話か、どういう流れの時の話か)がなされ、主人公の逸話が続きます。
このことを踏まえると、傍線部の部分は登場人物の紹介が終わり、逸話が始まる前、つまり舞台設定の箇所だと分かります。
「いつ」の話かという舞台設定がされているわけです。
「寇準が都の『知』だったとき」という流れですね。
「知」とは今でも都知事、県知事、道知事と使われていますね。「知事」のことです。
漢文の流れの多くは「登場人物の紹介(出自や出身、人柄など)→舞台設定→逸話」だということを知っておきましょう。
指示語や接続語を意識して読みましょう。
問3 書き下し文・解釈
(ⅰ)書き下し文
一文目には「不若A」「未A」「為」「相」の重要句法と重要漢字があります。
「不若A」は「Aニしかず」の比較と見た瞬間に分かってもらいたいところです。
「未A」は再読文字でAには用言が来ます。
このAに当たる部分に「為」があります。「為」には多くの読みがありますが、ここでは用言の読みだと分かります。
「相」が文脈から「しやう(宰相)」と分かれば「相と為る」と判断できます。
以上から一文目の読みが分かり、これで正答を導けます。
一応、二文目も見てみましょう。「為」「相」「則」が重要漢字です。
「則」は多くの場合「レバ則チ」の形を取ります。
一文目と同じように考えると「相を為れば則ち」は分かりますが、選択肢を見るとこれだけでは正答を導くことはできません。
やはりポイントは一文目の句法が分かるかどうかだったということです。
なお、今回は後半の「誉望損」が選択肢で読みが限定されていますが、されてなかった場合のことを伝えておきます。
①傍線部は会話文の最後にあります。
②次の会話文が「何故(どうしてか)」という疑問だから、その次の会話文が傍線部に対する理由になります。
ということは、傍線部に関することが述べられるはずです。
③次の会話文の最後に「誉望損」が出てきて読みが分かります(傍線部Cになっています)。
このように会話の流れを押さえるとヒントになることがありますよ。
というか、会話文が続くときは「話の流れ」をしっかり押さえましょう(これは小説や古文も同じです)。
漢文は対句表現なども多用されるので、傍線部だけで分からない場合はどこかに似たような表現がないか探すことも有効です。
とにかく重要句法と重要漢字を覚えなければいけません。
ただその数は多くありませんから、本気で取り組めばあっという間に覚えることができるはずです。
漢文の構造である「S+V+C・O」を意識しましょう。
(このブログでは、Sは主語、Vは述語(用言)、Cは「~に・と・より」の部分、Oは「~を」の部分を示しています)
特に大事なのは「V」です。どの漢字が「V」を意識して読むようにしましょう。
(ⅱ)解釈
(ⅰ)の書き下し文が分かれば容易です。
そのまま直訳すれば正答を導けます。
「不若(如)A」の比較の構文には訳し方が2パターンあります。
どちらのパターンで選択肢が作られているか分かりませんので、どちらも使いこなせるようにしておきます。
「A不如(若)B」=「AハBニしカず」
パターン1…AはBに及ばない
パターン2…AよりもBの方がよい
記号では覚えにくいでしょうから「百聞不如一見」で覚えましょう。
百聞は一見に如かず
パターン1…百回聞くことは一回見ることに及ばない
パターン2…百回聞くより一回見る方がよい
もし、書き下し文が分からなかった場合は文脈で考えるしかありません。
(ⅰ)で説明したように直後に「何故」と理由が問われていますから、その次の会話文の内容から傍線部の内容を判断することができます。
とにかく重要句法と重要漢字を覚えなければいけません。
会話文の流れを意識することも重要です。
問4 内容理解
傍線部を含む一文を直訳すると「だから、言葉は聴かれ計画は従われ、そして功績のある名はともにすばらしくなる(あくまで直訳だから分かりにくいが、これで十分です)」となります。
傍線部直前の「故ニ(だから)」から、「だから」の理由が答えの根拠となりそうです。
直前の内容は「昔から賢相が功績を立て人々を潤沢にできるのは、君主と家臣の関係がきわめて良好だからだ」です。
傍線部の「ともにすばらしく」というのが、文脈から君主と家臣(賢相)であること、宰相の役割が君主への助言であるという漢文常識を踏まえると、宰相の言うことを君主が聞き入れるから世の中がよくなり功名が立つという流れが分かります。
まずは傍線部を含む一文を直訳しましょう。
指示語や接続語(接続詞)を意識することが重要です。
問5 理由説明
傍線部を直訳すると「私が名誉が損なわれることを恐れる理由だ」です。
傍線部は会話文の最後にありますから、この会話文のまとめが傍線部だと考えます。
この会話文の内容は「名誉が損なわれる理由」だと分かります(問3でも確認したことです)。
問4で確認した内容、それに続く一文(傍線部Cの直前の内容)を確認すれば容易に分かります。
この際、注をしっかりと確認することも大事です。
会話文の最後は、その会話文のまとめだという意識で読みましょう。
訳せれば正答を導ける設問だと分かります。
「注」は必ず確認しましょう。答えの根拠となることが書かれている場合があります。
(注を見ていないと答えを導けないなんて場合もありますから、必ず確認をしましょう)
問6 内容説明
内容説明や解釈問題は、傍線部を含む一文の直訳からはじめるのでした。
傍線部を含む一文を直訳すると「元之は文章は世の中で有名だといっても、深く考えることにおいては、ほとんどあなたに勝ることはできない」です。
簡単にいうと「あなたの父親である禹偁はあなた(嘉祐)にかなわない」ということですね。
どういう面でかなわないかというと「深く考えること」においてです。
以上が傍線部の直訳から分かることです。
これを踏まえて選択肢の後半を確認すると、当てはまるのは④しかありません。
前半を確認しても本文全体の内容と合っています(訳すことができていれば間違うことはありませんね)。
直訳が基本であることを忘れてはいけません。
最後の設問は文章全体の内容を問うているという意識を持ちましょう。
この話から知っておいて欲しい漢文常識
設問の解説でも触れましたが、もう一度2つのことを確認します。
①漢文の文章における一般的な構造
登場人物の紹介(出自や出身地、身分、性格)からはじまり、その後に舞台設定(いつの話か、どういう流れの時の話か)がなされ、主人公の逸話が続きます。
今後、これを意識して漢文を読んでみてください。
多くがこのようになっていることが分かります(随想やや評論的な漢文は別ですが)。
話の流れのパターンを知っておくと、格段に漢文が読みやすくなります。
②「宰相」の役割
漢文でよく出てくる「相(宰相)」は、君主(皇帝・王)を補佐する最高位の官吏(役人)のことです。
厳密には違いますが、現日本の内閣総理大臣のようなものだと押さえておきましょう(実際に多くの政治的判断をしていますよね)。
君主が政治をするときに、助言をする人物だということです。
だとすると、君主と宰相の関係がどのようであることが望ましいかというのは明白です。
どんなときでもしっかりと助言できる関係を持っているかどうかが重要になります。
そのためには信頼関係があることが条件となります。
このようなことを知っておくだけで、今回の漢文は読みやすくなりますよ。
センター試験の過去問に取り組んでやるべきことは、そこに出てきた漢字や句法を押さえること、そして漢文常識を知っていくことです。
他の年度でもそれを意識して学習しましょう。
ただ、漢文の文章は比較的短く、過去問だけでは受験に必要な重要漢字や重要句法をカバーすることは難しいので、暗記事項は別に学習することをオススメします。
頑張ってください。
では、これで終わります。
センター対策の古文単語や漢文句法を確認する場合はQuizletが便利ですよ。
次の記事もぜひご覧ください。
センター現代文の対策はこちらの記事をご覧ください。
マーク対策なので古文漢文にも通じる部分が多いくなっています。
平成30年度(2018年度)_センター試験_国語第3問(古文)_解説
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今回は、平成30年度(2018年度)センター試験国語第3問(古文)の解説です。
問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。
センター試験の過去問は、市販されている問題集を購入するか、大学入試センターのホームページからダウンロードできます(過去3年分)。
どちらかでご準備をお願いします。
また、センター試験の過去問を効果的に使うための記事がこちらです。
ぜひ読んでみてください。
では、始めましょう。
平成30年度(2018年度)センター試験国語第3問(古文)は『石上私淑言』からの出題でした。
まずは本文に出てきた知っておくべき単語と文法の確認です。
さらっと見てみて「分からない」ものがあれば、Quizletでの学習をしてみましょう。
Quizletについてはこちらの記事をご覧ください。
重要単語
いかなり かみ[上] ことに[殊に] むね[旨・宗] かく よろづ[万] あはれなり いみじ たふ[堪ふ] かたし[難し] わざ[業] ゆゑ[故] されば おほかた[大方] ごとに[毎に] 忍ぶ 色 あながちなり わりなし 見ゆ など わきまへ[弁へ] と かく あらまほし されば かる[離る] なべて かなし[愛し] うし[憂し] つらし[辛し] さるは わたる[渡る] いかにもあれ こよなし さ[然] はかなし かの[彼の] うとし[疎し] まぬかる[免る] のちのよ[後の世] いうなり[優なり] なまめかし はつ[果つ] まれまれ[稀稀] いと 心付き無し 憎し さらに~打消 なつかし しかり[然り]
重要文法
名詞+つ+名詞 にて・して e音+ら・り・る・れ 已然形+ば めり 未然形+ぬ 未然形+ぬ+体言 已然形+ども 未然形+ね+已然形接続の語 にや・にか 同じ動詞にはさまれた「し」 なめり 「と」の上の「む」 知覚動詞・心情動詞+る・らる かし しも・しぞ
では、各設問毎の解説です。
問1 語句の意味
(ア) 「あながちなり」「わりなし」が重要単語です。それで判断できます。
(イ) 「いかにもあれ」を直訳すると「どうのようにもあれ」なので、そのニュアンスで分かってほしいところ。ただ、「已然形、」は逆接のニュアンスを持つということも知っておくとよいですよ(係助詞の用法にある「AこそB(已然形)、C」が「AはBだけれど、C」と逆接になります)。
(ウ) 「さらに~打消」「なつかし」が重要単語です。それで判断できます。
何はなくとも重要単語を覚えることが重要ですね。
問2 文法説明
日頃から品詞分解をしながら(スラッシュを入れながら)文章を読む癖があると簡単です。
あまり時間が無い方でも、頻出の文法事項を覚えておくと対応できることが多いですよ。
今回は
身・に・しむ・ばかり・細やかに・は・あら・ね・ば・に・や
と品詞分解できます。
ここにある頻出の文法事項は以下の通りです。
①「細やかに」は形容動詞「細やかなり」連用形→「に」の識別
②「ね」は打消「ず」已然形→「ぬ・ね」の識別
③「已然形+ば」は「~ので・から、~と・ところ」→「未然形+ば」は仮定
④「にや」は下に「あらむ」が省略されているので「に」は断定「なり」連用形→「に」の識別
以上の識別や助詞の基本用法が分かっていれば問題ないはずです。
不安な人はQuizletに出てくる文法事項を5年分くらいやってみてください。
だいたい網羅されていますよ。
文法事項の暗記事項は少ないため得点源にできますよ。
問3 内容説明
カギ括弧はないけれど「問ひて云はく」の内容が傍線部Aです。
直後に「答へて云はく」とありますから、それに続く内容を確認すればいいですね。
ちょっと長いですが訳すことはそれほど難しくないでしょう。
注目するのは会話文(答えている内容)の「はじめ」と「おわり」です。
(これは現代文における形式段落の読み方などとも同じですね。基本的に日本語というのは「まとめ→説明→まとめ」となっていることが多いのです)
訳すことができればできるということは、訳すことができるかどうかで得点できるかが決まるということです。やはり単語や文法力ですね。
以前までのセンター試験では傍線部の直前直後辺りを訳せば答えが導ける設問が多かったのですが、最近のセンター試験の傾向はある程度広く読まなければいけない(5~6行程度)設問が多くなってきています。
問4 内容説明
カギ括弧はありませんが「答へて云はく」の内容が傍線部Bから始まっています。
会話文のはじめにあるのですから、この後その説明が続くはずですね。
設問から「情」と「欲」と「恋」との説明部分に注目して読んでいきましょう。
「色」という重要単語が「恋愛・色欲」のことか分かるかが非常に大事なポイントです。ここでも単語力が重要になっています。
広い部分をしっかり訳して内容を押さえるしかありませんが、単語力があればいけます。そして、その覚えるべきことは他の科目よりもべらぼうに少ないですよ。
読むべき範囲が広い設問は、設問文や傍線部から注目する部分を見つけましょう。
問5 内容説明
傍線部はありませんが設問に「時代による違い」とあるので、本文の「後の世」という単語が出てくる辺りに注目できます。
また、「後の世」という単語が出てくる部分は傍線部A、Bの設問に関わる本文以後なので、やはりこの部分が問われていると判断できます。
やはり広い部分をしっかり訳して内容を押さえるしかありません。
設問文に注目することも大事だということが、この設問からも分かります。
また、基本的に各設問は本文の別々のところを問うているはずだという意識を持って取り組むことも大事ですね(現代文も同じですね)。
問6 内容説明
傍線部はありませんが設問に「歌や詩」とあるので、本文の「万葉集、詩」という単 語が出てくる辺りに注目できます。
また、これらの単語が出てくる部分は傍線部A、Bの設問、問5に関わる本文以後なので、やはりこの部分が問われていると判断できます。
アドバイスは問4や問5と同じです。
この話から知っておいて欲しい古文常識
古文を習っていて和歌に触れていない方はいないと思います。
センター試験でも本文中に和歌があることが圧倒的に多いです。
ですから、古文における「和歌ってなにか」をお伝えします。
簡単に言うと「何かしら心が動いたときの気持ち」です。
たとえば、とてもうれしいことがあったとき自然と鼻歌を歌ったり「詩」的なものが頭に浮かんだりすることってありますよね?(ここで言う「詩」的なものって高尚なものではなくて自分なりの「ことば」ですよ)
本当に悲しいときにも「詩」的なものが頭に浮かんだりします。
「詩」的とは自分では「すごい」とは思えなくても「ことば」にならない「気持ち」が占めている「おもい」のことです。
それを「57577」の字数でに表現したものが「和歌」だと思ってください。
だとすると、心が動くレベルが高いほど「和歌」って生まれそうではないですか?
では、我々が生きていて心が動くことってどんなことでしょうか。
恋愛に関すること、別れ(死別含む)に関すること、自然に関すること、日々の生活(楽しいこと・つらいこと)が圧倒的に多いのではないでしょうか。
なかでも「和歌」には「恋愛」に関するものが圧倒的に多い。
今よりもエンタメや多様な価値観がなかった時代としては、日常的に最も心動くものとして「恋愛」が一番大きかったということが何となく理解できます。
このような「心の動き」が「あはれ」だと思っていいと思います(学問的に厳密にはいろいろあるとは思いますが、あくまで簡単に言うとですよ)。
教科書に出てくる和歌を思い出してみてください(センター試験や各大学の個別試験も)。
「恋愛」「自然」「別れ」のいずれかに分類できることがほとんどでしょう。
和歌というのは、そういうときの気持ちを詠んだものなのだということを知っておくと、今回の文章も読みやすくなるはずですし、「和歌」が出てくる文章を読んだときに読みやすくなりますよ。
今回の本文は「和歌」というのは、多くの「あはれ」の中でも「恋」に関するものが多いよねというものです。
ここまで述べた古文常識を知っていれば読みやすくなりそうですよね。
こんな風に「古文常識」を知っておくといいですよということです。
センター試験の過去問に取り組んでやるべきことは、そこに出てきた単語や文法を押さえること、そして古文常識を知っていくことです。
他の年度でもそれを意識して学習しましょう。
それの積み重ねだけでセンター試験は突破できますよ。
頑張ってください。
では、これで終わります。
センター対策の単語や文法を確認する場合はQuizletを利用すると便利ですよ。
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センター試験過去問を使った勉強法「古文・漢文」編
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今回は、センター試験過去問を使った勉強法「古文・漢文」編です。
センター試験に向けて過去問に取り組む方も多いと思いますが、ただやって「まるつけ」して終わりでは非常にもったいないです。
せっかく時間をかけて取り組むなら、より自分の力がついた方がいいですよね。
ということで、古文漢文が得意な場合と苦手な場合に分けて説明します。
得意な場合が基本となりますので、このままお読みください。
古文漢文が得意な場合
①時間を計りつつ自力で解く。
古文は20分以内、漢文は15分以内を目指したいところです。
②解答する。
まずは点数を確認しましょう。どれくらいできたか気になりますよね。
③本文の読み合わせをする。
ここが最も大切です。
センター試験過去問題集についている解答解説には必ず現代語訳(漢文は書き下し文も)があるはずです。
それを本文と照らし合わせながら内容を確認しつつ、全文を訳せるようになる(漢文は読むことができるようになることを含みます)つもりで単語や文法、句法などを覚えます。
④内容を確認したら、間違った設問や勘で解いた設問に今一度取り組みます。
⑤解答解説で各設問の答えの根拠を確認します。
⑥3日以内にもう一度本文に目を通し訳せるか確認します。
この際、数回音読すると古文漢文のリズムに慣れて、読むことがスムーズになっていきます。
以上です。
解いていくと分かりますが、センター試験の古文漢文は訳すことができるとほとんどの設問を解くことができます。
訳が関係ないのは、文法(もしくは敬語)の問題と和歌の修辞法が問われる問題くらいです。
つまり、訳す訓練をすることが非常に大切です。
そして、そのためには単語や文法、句法を覚えることが重要です。
とはいえ、本文のどれが覚えるべき単語か、どんな文法事項を確認すればいいのかなどが分からなければどうしようもありません。
解答解説に載ってなくはないですが、特に重要なものだけが記載されている場合がほとんどです。
ということで、私が覚えるべき単語や文法、句法などをまとめました。
「Quizlet」をいうアプリに年度毎の学習セットを作ってありますので、ぜひ利用してみてください。
(「Quizlet」が分からない方が多いと思いますので、こちらの記事をどうぞ。読むのに5分もかかりません)
これを利用することで覚えるべきことをはっきりさせることができます。先程の③で使ってみてください。
また、過去問を数年分解いてみると分かりますが、出てくる単語や文法、句法には頻出のものがたくさんあります。
それらを繰り返し確認することで、どんどん古文漢文を読む力がつきますし、単語や文法の確認をする時間も短くなっていくでしょう。
先程の①~⑥に「Quizlet」での学習をプラスすれば「敬語と和歌の修辞法」以外の設問については困らなくなりますよ。
ちなみに、このブログでも⑤の解説記事をアップします。
設問をどのように捉え、どのように考えれば答えることができるのかについてまとめてあります。
また、その文章からどんなことを知っておくと古文や漢文が読みやすくなるかという古文常識や漢文常識もまとめてありますので、ぜひご覧ください。
ということで、センター試験過去問の使い方のまとめです。
①本文に出てきた単語や文法、句法を覚える。
②設問の解き方を知る。
③その文章から分かる古文常識や漢文常識を知る。
これを意識して数年分やればセンター試験は突破できます(もちろん最低限の単語などは覚えておく必要がありますが)。
古文漢文が苦手な場合
得意な場合の流れが基本になりますが、苦手だと自力で解くこと、つまり本文を訳すことが困難だと思います。
ですから、本文を読む前に「Quizlet」で出てくる単語などを確認してしまいましょう。
もしくは「Quizlet」を見ながら本文を読んでもかまいません。
なぜ苦手かというと、単に単語量や文法力がないからです。それ以外に理由はありません。「Quizlet」の力を借りながら訳すことから始めましょう。
このこと以外は得意な場合と同じ流れです。
数年分やりつつ、「Quizlet」に出てきたものを覚えれば格段にできるようになるでしょう。
古文漢文はそれほど時間をかけなくても得点源になります。
それは、覚えるべきことを覚えてしまえば得点できるうえ、その覚えるべきことが他の科目に比べて非常に少ないからです。
今回紹介した学習の流れやQuizletを利用して頑張ってください。
応援しています。
では、今回はこれで終わります。
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便利な学習ツール「Quizlet」の紹介
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今回は、単語などを学ぶ上で便利な「Quizlet」というアプリを紹介します。
現代文では漢字や重要語句、古文では単語や文法、漢文では重要漢字や句法と覚えなければいけないことがありますよね。
私が学生の頃は「単語カード」を作ったりしましたが、今なら便利なアプリがたくさんありますし、市販されている単語帳でもアプリ付きのものも増えてきました。
すでに利用している方も多いかもしれません。
アプリは便利ですが、自分専用のものを作ることができないという欠点もあります。
また、英単語に関するものは多くありますが国語に関するものは多くありません。
そこで、単語帳に限らず自分でカスタマイズできる「単語カード」的なアプリとして紹介するのが「Quizlet」です。
これは自分で単語カードを作ることができますし、他の人が作成した単語カードを見ることもできる優れものです。
私が作った古文や漢文のものもありますので、ぜひ利用してもらいたいと思います。
では、さっそく使うまでの手順です。
タブレットやスマホの方はAppStoreやGooglePlayで「Quizlet」アプリをダウンロードした方が便利です。
パソコンの方は以下のリンクから自分のアカウントを作成すると利用できます。
どちらも無料で利用できます!(有料版にアップグレードしなくても十分便利です)
ただし、登録にはアドレスが必要になりますのでご準備を。
アプリのダウンロード後、もしくはリンクからの手順は以下の通りです。
①「無料で登録する」をタップ。パソコンは右上の「新規登録」をクリック。
②生年月日、ユーザー名(何でもいいです)、パスワード、メールアドレスを入力し「新規登録」をタップ。
*ログイン時にユーザー名とパスワードが必要になるので、忘れないようにメモしておきましょう。
③「無料のQuizletを利用する」をタップ。
以上で終わりです。
また、登録したアドレスに確認メールが届くので「アドレスの確認」をタップしておきます。
では、実際に使ってみましょう。
私が作成した学習セットをご紹介します。
①下にある検索ボタン(虫めがね)をタップ。
②検索窓の下の「ユーザー」をタップ。
③検索窓に「kinko」と入力し検索。
④下の方に私の画像とともに「kinko_teacher」というのがあると思うのでタップ。
⑤「フォルダ」をタップ。
⑥「センター試験_古文」をタップ。
⑦好きなもの(「学習セット」と言います)をタップ。
⑧「単語カード」をタップ。なお、下にスクロールすると「単語カード」の内容が一覧になっています。
⑨単語カードが始まります。タップすると裏面になります。ちなみに、右上にある再生ボタンをタップすると自動再生され、矢印が交わっているものをタップするとランダム表示になります。
基本的な使い方は以上ですので、あとはいろいろ試してみてください(笑)
自分で学習セットを作成するのも非常に簡単ですが今回は紹介しません。
ただ、このアプリは受験勉強や資格勉強に大いに活かすことができます。
非常に便利なので、ぜひ使ってみてください。
では、今回はこれで終わります。
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2018年度高1進研模試11月(総合学力テスト)_国語_第1問(評論)_解説
こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。
今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。
今回は、2018年度高1進研模試11月(総合学力テスト)の国語、第1問の解説です。
このブログにある「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」(記述模試でも記号問題はありますので)をどのように運用するのかに重点を置いています。
そのため、「文章の読み方」「マーク式問題の解き方」をお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。
この読み方、解き方を徹底することで模試で点数を取ることができます。
ぜひ身につけてみてください。
問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。
ご自分で用意してください。
実際に受験した方は持っていると思います。
受験していない方は学校にある場合がありますので、先生に相談してみてください。
(進研模試の過去問は学校に進研模試の集冊版があるはずです)
形式段落での説明がメインになりますので、お持ちの問題に形式段落番号を記入してください。1~9までになります。
では、始めます。
まずは本文最後にある出典を確認します。
出典を確認することで、本文が何の話題を述べているのかという方向性が分かる可能性が高いからです。テーマが分からないよりもテーマが分かっている方が読みやすくなります。
今回は「環境問題を『道徳的に考えること』を考える-自然の内在的価値概念の意義と限界」とあります。
環境、道徳、自然あたりに関するものだと予想できます。
問1 漢字
aの賠償がやや難しかったかもしれませんが、すべて基本的な漢字です。完答できなかったのなら漢字学習をすることをオススメします。
大学受験を考えると漢字検定2級レベルまで完璧にしたら漢字は大丈夫です。
漢字学習をどうやっていいか分からない方は漢字検定をベースに学習をするといいでしょう。
なお、漢字検定は各級で出題される漢字が決まっていますので、飛び級はオススメしません。4級、もしくは3級から学習を始めましょう。
ちなみに、今回の漢字aは準2級、bは8級、cは3級の範囲に該当する漢字です。
bの「皮肉」は漢字自体は簡単なので、この言葉を知っているかどうかの問題ですね。
評論文でよく使われる言葉に慣れる必要があるということですね。苦手意識がある人は、漢字学習とともに『頻出現代文単語』のようなものをパラ見してもいいかもしれません。
問2 内容説明
ポイントは3つです。
①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②形式段落の中程にある。
→形式段落のはじめを見て、何の話題の説明なのか確認する。③傍線部を含む一文を確認する。
傍線部は形式段落2の中程にあります。
形式段落の作りは「この話するよ→説明→この話のまとめ」です。
この段落は何の話をしているのか、形式段落のはじめを見て確認します。
「環境保護の話で、自然に道徳的な意味での内在的価値があったらどうか」の話です。
その説明になっているはずの中程を読み進めると、この考えが「非人間中心主義」だということも分かり、それが傍線部を含む一文となっています。
「環境思想では非人間中心主義(自然に道徳的な意味での内在的価値があるという考え)が達成されれば、環境保護運動は極めて強固な土台が手に入る」
という流れです。
「強固な土台が手に入る」とは「何かをやる上で基礎となる強いものがあるからプラスになる」くらいに捉えることができます。
なお、ここの部分は本文中で言い換えられているわけではなく「ことば」のニュアンスとしてわかってほしいところです。
だとすると、上で確認した傍線部を含む一文を言い換えてみると
「環境思想では自然に道徳的な意味での内在的価値があるという考えを持つと、環境保護運動はうまくいくための手段を得てうまくいきそうだ」
という感じになります。
これを踏まえて選択肢を見ます。
選択肢は後半(文末)から見ます。
1 「環境保護への取り組みが後押しされる」→「土台が手に入る」の言い換えとしてダメとは言えません。
2 「環境保護を有利に進められる」→→「土台が手に入る」の言い換えとしてダメとは言えません。
3 「環境保護につなげれらる」→「土台が手に入る」のニュアンスと違います(「つながる」だけではなく「プラス」になるのです)。
4 「環境保護が成し遂げられる」→「土台が手に入る」のニュアンスと違います(「成し遂げられる」という結果は分からず「うまくいきそう」なんです)
残ったのは1と2です。
前半を見てみましょう。
1 前半を読んでみると全然違うことが書かれていることが分かります。もう、全体的にダメですね。
2 形式段落2の前半の内容になっています。
選択問題だとしても自分で答えを考えてから選択肢を見るようにします。
はじめから選択肢を見て選ぶという方法では「国語力」をつけることはできません。
問3 理由説明(内容説明)
ポイントは4つです。
①「どのようなものであるからか」という理由説明問題である。
ただ、今回は「どのようなものか」という内容説明問題(イコール問題)と考えることができます(「~ものであるから」と答えればいいのですから、考えるのは「どのようなものか」です)。②形式段落のはじめ(のあたり)にある。
→このあとに説明が続くはずである。③形式段落のおわりは次の形式段落に続く。
④「助詞」の「も」の使われ方。
傍線部は形式段落3のはじめの方にあります。
はじめを確認すると「非人間中心主義は環境保護の促進に役立つが2つの問題がある」と述べていて、それに続く1つめの問題が傍線部のようです。
だとすると、1つめの問題(傍線部)の説明がこの後述べられるはずです。
問は「規制がどのようなものだから促進に一面的にしか役立たないのか」ですから「規制」に注目して読み進めます。
すると、中程に規制が成り立つための条件が書かれていることが分かります。
逆の場合である「好き勝手な人ばかりだと成り立たない」とも書かれています。
この内容が答えとして使えそうです。
と思って、一応次の形式段落4を見てみます(形式段落のおわりは次につながる)。
すると「環境保護のための規制についても同様」とあります。
この「も」は要チェックです。
「も」がある場合、必ず2つの事柄が書かれていて、その2つが同じなんだという意識を持つ必要があります。
「何」と「何」が「どのような部分」で同じなのかを読み取る必要があるということです。
例えば次のようなことです。
彼女は日本の音楽を愛している。彼も同じだ。
「彼女」と「彼」の2人とも「日本の音楽を愛している」という点で同じだってことが分かりますね。
ちなみに内容説明問題で傍線部に「も」がある場合はこのことを考慮して答えます。
「傍線部『彼も同じだ』とはどういうことか」という問題に対する答えは
「彼女が日本の音楽を愛しているように、彼も日本の音楽を愛しているということ」
というようになるということです。
「も」の説明はこれくらいにして設問に戻ります(読み取りに戻ります)。
環境保護の「規制」も、形式段落3の中程で説明された(一般的な)「規制」も内容は同じだということが分かります。やはり、先程確認した部分が答えとして使えそうです。
ただ「環境保護のための規制についても同様」は形式段落4のはじめにあり、この後説明がされるはずなので確認しておきます。
続く一文は「規制が機能するのは…」と先程確認した部分(形式段落3の中程)と同じようなものであることが分かります。
以上のことから、形式段落3の中程と形式段落4のはじめの部分を使って「規制」がどのようなものかまとめればいいわけです。
問4 内容説明
ポイントは3つです。
①傍線部における筆者の考えという内容説明問題(イコール問題)である。
②形式段落の中程にある。
→形式段落のはじめの話題の説明部分である。③形式段落のおわりは次の形式段落に続く。
傍線部は形式段落6の中程にあります。
はじめを確認すると「その一方で」「動物に道徳的配慮を求める議論は説得力あり」とあります。
確認すべきことは2つです。
「一方で」ということは、この前に「一方ではない方」の説明があったはずです。
その内容を確認します。
形式段落5は「植物の価値は鑑賞の対象とするのが説得力がある(道徳的価値が弱い)」です。
これを受けての形式段落6だということです(形式段落のおわりは次の形式段落に続く)。
つまり、形式段落5「植物に道徳的価値を求めても説得力なし」、形式段落6「動物に道徳的配慮を求めると説得力あり」という対比になっているようです。
で、傍線部のように「動物に内在的価値と権利を認めるのはどうか(動物に道徳的配慮を求めてはどうか)」と続いています。
この部分は形式段落の中程にあり説明が続くはずなので読み進めます。
すると、直後に「そうすれば動物を守る名目で環境保護できるかも」とあります。
動物を守る名目で環境保護できるかもしれないから、傍線部(動物に内在的価値と権利を認めるのはどうか)と言っている訳ですね。
言い換えると「動物に内在的価値と権利を認めることで環境保護できるかも」です。
以上を踏まえて選択肢を見ます。
選択肢は後半(文末)から見ます。
1 「動物の保護にこそ価値を見出すべき」→確認した内容と違います。
2 「いつしか植物の内在的価値も認められるはずだ」→確認した内容と違います。
3 「植物を含む環境全体の保護が前進する可能性」→確認した内容と同じです。
4 「環境保護運動を強く推し進めることにつながる」→「強く推し進める」が言い過ぎですが絶対にダメとは言えないので残しておきます。
残ったのは3と4です。
前半を見ます。
3 「その一方」で確認した内容、形式段落6の前半の内容と同じです。
4 「植物は道徳的な配慮を超越した崇高な存在」は「その一方」で確認した内容と違います。
問5 内容説明
ポイントは2つです。
①「どのようなものか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②形式段落のおわりは次の形式段落に続く。
傍線部の言い換えのポイントは「二重思考」と「自然観」です。
この2つを言い換えてあげると答えとなりそうです。
「二重思考」ということは2つの思考があるということです。
何と何の思考かをまとめるだけです。
傍線部は形式段落8のはじめにあり、形式段落7のおわりから続いているはずです。
形式段落7のおわりを見ると「思考を二重に行っている」とありますから、この内容を確認します。
すると「自然科学の知識にもとづく思考」と「対象への配慮を含む思考」の2つを行っていると書かれています。
これが「二重思考」です。
「自然観」はどのように言い換えるといいでしょうか。
本文中にはありません。問2「強固な土台が手に入る」の言い換えと同じように「ことば」のニュアンスから言い換える必要があります。
「自然」は言い換えのしようがありません。「観」は訓読みすると「観(み)る」です。
「自然をみること」と言い換えることができます。格好良い表現なら「自然を捉える、自然を理解する」とできます。
以上確認した2つを合わせて答えとします。
問6 文章の主旨
これは全体の問題なので、文章全体を捉えて考える必要があります。
ただし「筆者の主張、主旨」を踏まえる問題だということを考えると、注目すべき部分の予想はできます。
「筆者の主張」は本文最後に書かれていることが多いです。
今回もそうです。
最後に「『環境との関わりにおいて私たちはどのような存在であるべきか』を考えるものである」とあります。これが筆者の主張です。
本文をしっかり読み取ることができていれば、選択肢の後半(文末)でも答えを導けます。
後半を見て、答えが出せそうにないなら、先程の「筆者の主張」で答えを絞り込みます。
選択肢のはじめに「筆者の主張」について書かれています。
先程確認した内容になっているのは4しかありません。
いかがでしたか。
「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」でお伝えしたことで解けることが分かったと思います。
現代文(評論)でやるべきことはこれらの読み方、解き方をマスターすることです。
そのためには「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」を繰り返し熟読し、あらゆる問題でこれらの方法を試すことです。その繰り返しをしていれば、この読み方が自然となります。そこまでいけば、評論対策は必要なくなるでしょう。
高1、高2の模試では文章の読み方の基本が問われていますので、これらの力をつけるにはもってこいの教材です。
国語の学力は上げることができますからね!ぜひ武器にしてみてください。
今後も他の問題を使ってブログを書こうと思います。自分で解いてみてブログで確認するという流れで勉強してみてください。
要望や質問は「お問い合わせフォーム」から受け付けていますのでご活用ください。
検討を祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
2018年度高2進研模試11月(総合学力テスト)_国語_第1問(評論)_解説
こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。
今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。
今回は、2018年度高2進研模試11月(総合学力テスト)の国語、第1問の解説です。
このブログにある「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」(記述模試でも記号問題はありますので)をどのように運用するのかに重点を置いています。
そのため、「文章の読み方」「マーク式問題の解き方」をお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。
マーク式問題の解き方(センター対策)_評論文 - 高校教員の徒然日記
この読み方、解き方を徹底することで模試で点数を取ることができます。
ぜひ身につけてみてください。
問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。ご自分で用意してください。
実際に受験した方は持っていると思います。
受験していない方は学校にある場合がありますので、先生に相談してみてください。
(進研模試の過去問は学校に進研模試の集冊版があるはずです)
形式段落での説明がメインになりますので、お持ちの問題に形式段落番号を記入してください。1~16までになります。
では、始めます。
まずは本文最後にある出典を確認します。
出典を確認することで、本文が何の話題を述べているのかという方向性が分かる可能性が高いからです。テーマが分からないよりもテーマが分かっている方が読みやすくなります。
今回は『不平等を考える-政治理論入門』とあります。
不平等の話、それも政治に関わるものだと予想できます。
問1 漢字
すべて基本的な漢字ですがbの控除は言葉自体がなじみがなかったかもしれません。
ただ、漢字は完答したいところなので漢字学習をすることは欠かせません。
大学受験を考えると漢字検定2級レベルまで完璧にしたら漢字は大丈夫です。
その際、ただ覚えるのではなく漢字、熟語の意味を確認しながら覚えることをオススメします。
漢字学習をどうやっていいか分からない方は漢字検定をベースに学習をするといいでしょう。
なお、漢字検定は各級で出題される漢字が決まっていますので、飛び級はオススメしません。4級、もしくは3級から学習を始めましょう。
ちなみに、今回の漢字aは準2級、bは3級、cは4級の範囲に該当する漢字です。
問2 内容説明
ポイントは3つです。
①傍線部の言い換え問題(イコール問題)である。
②傍線部が主語になっている。
③形式段落のおわりは次の形式段落のはじめに繋がる。
→今回は一文しかない形式段落だから次に繋がるしかない。
イコール問題です。「労働」の説明を読み取るだけの問題です。
イコール問題の基本は次の2つでした。
・その語句が主語になっている部分に注目する。
・その語句を修飾している部分に注目する。
傍線部「労働」自体が主語になっていることが分かります。
続く部分に注目すると「社会的協働に加わる主要な活動様式」だと分かります。
しかし、これでは内容がよく分かりませんから、このことの説明が次の形式段落に続くと考えます。
続く形式段落3は「第一に」と始まっています。
これを見た瞬間に「労働」の説明がいくつかあるのだなと分かりましょう。
そして「第一に」「第二に」「次に」「第三に」「最後に」などの言葉に注目して、それぞれの内容を押さえて答えを導きます。
「第一に」から始まる形式段落3の内容は「自己評価の基盤」です。
形式段落3と4を読めば「自らの生活保障を構築し、社会的協働に参加することで自らの存在意義をもたらす」ことが分かります。
「第二に」から始まる形式段落5の内容は「協働が求める応分の負担を引き受ける相互性の規範がある」です。
ちょっと難しいですが「相互貢献、相互性」があるのかという程度でいいでしょう。
形式段落6では、この2つがまとめられています。
「自己評価ができて、誰かが誰かの犠牲になるのではない公平性がある」です。
この2点が「労働」の説明です。
以上の2点を踏まえられている選択肢を選びます。
選択肢は基本的に文末(後半)から見ます。
1 「他者の援助によって自らの生が成り立っている」のではなく「相互性」でした。
2 「互いに社会における負担を引き受け合っている」のでした。よさそうです。
3 「他者と同様に社会の一員として貢献」も絶対にダメとは言えませんが確認した内容とちょっと違う気もしますね。
4 「社会において自らの活動が公平に評価」という内容ではありませんでした。
5 「互いの活動が社会の維持に不可欠」という内容ではありませんでした。
2と3だけが残りました。
ここで前半を確認します。
2 「存在意義に確認することができる」のでしたね。
3 「経済的な生活基盤を確保」できるのでした(「自らの生活保障を構築し」から分かります)。
あれ、2つともダメではないですね。
しかし、先程確認した内容は「自己評価の基盤」と「相互貢献、相互性」でした。
この2点がしっかりと説明されているのはどちらかと考えると、明らかに2であることが分かります(3は「相互貢献、相互性」の内容がありませんし、「自己評価、存在意義」の説明としては弱いですね)。
このように、あらかじめ自分で大まかな答えを考えておいて、それに近い選択肢を選ぶのだという意識を持っておくことが必要です。
今回のように2つのポイントがある場合、その2つがどちらも書かれているかどうかという視点が必要になります。
問3(1) 内容説明(指示語)
ポイントは3つです。
①傍線部は指示語である。
②指示語の指す内容は基本的に直前にある。
③形式段落のおわりの部分にある。
→この段落で説明がされている、もしくは、次の段落に説明が続いているはずである。
これまたイコール問題です。指示語の指す内容を確認するだけです。
指示語の指す内容は基本的に直前にあるはずだということ、また、形式段落のおわりはその形式段落で説明がされてきたはずだという合わせ技で傍線部の前を読みます。
今回は傍線部を含む一文が形式段落10のすべてですから、形式段落9を確認することになります。
形式段落9のはじめの一文に「『完全従事社会』という構想」とあります。これが傍線部この構想」ですね。
これが形式段落のはじめにあるのですから、この段落で「完全従事社会」が説明されるはずです。
すると、続く一文が「これは」となっていて、「これ」の指す内容は「完全従事社会」ですからこの一文が答えのメインとなりそうです。
真ん中に具体的な事柄が述べられているので、それを省いて
「労働市場の外部で行われる多様な社会的活動を、人々が社会的協働に参加する活動様式の一部としてとらえる」となります。
先程確認したように「この構想=完全従事社会」ですから、どのような「社会」か分かるようにまとめなければいけません。
今のままでは後半の表現が「社会」の説明としては不十分です。
そこで「労働市場の外部で行われる多様な社会的活動を、人々が社会的協働に参加する活動様式の一部としてとらえる」と「完全従事社会」の2つを合わせて答えます。
「労働市場の外部で行われる多様な社会的活動を社会的協働ととらえ、それらを通し人々が社会に従事するもの。」(50字)
設問が「どのようなものか」なので、文末を「もの」にしました。
問3(2) 内容説明(指示語)
ポイントは1つです。
①形式段落のおわりの部分にある。
→この段落で説明がされている、もしくは、次の段落に説明が続いているはずである。
(1)から直前の内容は「この構想」の説明だと分かりました。
だとすると、傍線部にある「有益な示唆」の内容は次の形式段落につながっていくことが分かります。
形式段落11には「第一に」、形式段落12には「第二に」となり、この2つの内容をまとめると答えになります。
考え方は問2と同じですね。
それぞれのポイントを押さえて選択肢の後半を見ます。
1 「積極的に促す」という内容はありません。
2 「社会に貢献しようとしている人々に対しての評価が高まる」という内容はありません。
3 「新しい労働に対応する」という内容はありません。
4 まぎらわしい選択肢ですが、これが「第一」の内容はオッケーですが「第二」の内容である「就労自体をすべての人に一律に求めるのではなく、自分にできることをやるという相互性の規範になる」という内容がありません。
これまた問2で確認したパターンですね。
5 前半が「第一」、後半が「第二」の内容になっています。
問4 内容説明
ポイントは3つです。
①傍線部の言い換え問題(イコール問題)である。
②主語に注目する。
③形式段落のおわりは次の形式段落のはじめに繋がる。
→今回は一文しかない形式段落だから次に繋がるしかない。
長い傍線部を言い換える問題の考え方は「傍線部をいくつかのパーツに分けて、それぞれを言い換える」です。
今回であれば、
・社会保障の制度は
・不平等がもたらす影響に事後的に対処するだけでなく
・それに前もって対応する必要があるだろう
の3つのパーツに分けて考えます。
・社会保障の制度は
これはこれ以上言い換えることができませんね。説明のしようがありません。
このまま使います。
今回は「事後的に対処する」とはどういうことか、「前もって対応する」とはどういうことかという後半の2つを言い換えればいいので、答えのフレームはこうなります。
社会保障の制度は、AだけでなくBの必要がある。
では、どのように考えるか。
まず「社会保障の制度は」に注目します。「社会保障の制度」が主語ですから、これが主語になっている部分、もしくはこれえを修飾している部分に注目します。
また、傍線部は形式段落のおわりにあるのですから、この段落で説明がされてきたはずです。
この2つを意識して本文を読み返します。
形式段落16のはじめの一文は「事後的な救済」についての話題であり「セイフティネット」のことが述べられています。
セイフティネットについては前の段落から続いてきているので、形式段落15を確認します。
すると、形式段落15のはじめの一文が「社会保障は…」となっていることに気づきます。
「社会保障」が主語になっているのですから、この一文が言い換えだと考えます。
前半が「社会的協働からいったん排除された人々を再び包摂する」、後半が「人々がそもそも社会的協働から排除されにくいようにする生活条件を構築・維持する」です。
前半の内容が「不平等がもたらす影響に事後的に対処する」
後半の内容が「前もって対応する」
の言い換えとして使えそうです。
これを使ってそのまま言い換えるとこうなります。
「社会保障の制度は、社会的協働からいったん排除された人々を再び包摂するだけでなく、人々がそもそも社会的協働から排除されにくいようにする生活条件を構築・維持する必要がある。」(84字)
字数的にもいい感じです。
これをもとに答えを作っていきます。
これに形式段落16のはじめの一文にあった「事後的な救済」が「貧困の問題」に対処していることを加えます。つまり、「排除された人々」は「貧困になった人々」ということですね。
また、「包摂」というのは「救済」するということです。
「社会保障の制度は、社会的協働から排除され貧困になった人々を救済するだけでなく、人々が社会的協働から排除されないような生活条件を構築・維持すべきであるということ。」(80字)
問5 内容理解
生徒の会話になっていますが、本文の内容合致問題です。
1つ1つの選択肢を見ていくしかありません。
また、この手の問題は間違いの選択肢は「明らかに違う」部分がありますので、消去法で答えを選びます。
1 「能力的な不平等を個々人の力で克服」という内容はありません。
2 「人々に就労の機会を平等に与える」のではなく、様々な活動を「社会的協働」としようという内容でした。
3 ダメな部分はありません。
4 「経済活動を活性化」「社会保障の制度は必要なくなる」という内容はありません。
5 「手厚い保障が必要になる」とありますが、問4で確認したようにその前提となることから考える必要があると述べていました。
いかがでしたか。
「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」でお伝えしたことで解けることが分かったと思います。
現代文(評論)でやるべきことはこれらの読み方、解き方をマスターすることです。
そのためには「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」を繰り返し熟読し、あらゆる問題でこれらの方法を試すことです。その繰り返しをしていれば、この読み方が自然となります。そこまでいけば、評論対策は必要なくなるでしょう。
闇雲に多くの文章を読むのではなく、文章の読み方や問題の解き方で一度確認した文章、問題を復習することが読み方、解き方をマスターする近道です。
今回の模試をぜひ繰り返し復習しましょう。
国語の学力は上げることができますからね!ぜひ武器にしてみてください。
今後も他の問題を使ってブログを書こうと思います。自分で解いてみてブログで確認するという流れで勉強してみてください。
要望や質問は「お問い合わせフォーム」から受け付けていますのでご活用ください。
検討を祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
名寄市立大学_小論文_平成31年度_推薦入試_速報
こんにちは。北の大地で高校教員をしています「きんこ」と言います。
今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。
平成30年度推薦入試が終わりましたね。
受験生の皆さん、いかがでしたか。
結果が待ち遠しいことでしょう。
今日は小論文の解説速報です。
簡単にですが書いてみましたので参考にしてください。
*あくまで速報ですので、しっかりしたものは後日書きます。
今年度の課題文は榎本博明氏のものでした。
評論文頻出テーマである「キャラ」がテーマでしたし、自分のこととして捉えやすい内容でしたので読みやすかったのではないでしょうか。
ただ、課題文の構成はここ3年間のものとは若干異なりましたね。
ここ3年間はブログでお伝えしてきたとおり「一般論→違和感→その理由」という構成が多かったのですが、今回は「キャラを演じること」についての説明がメインとなっていました(違和感は述べられていますが)。
では、まずは文章の読解からです。
内容を箇条書きでまとめていきます。
・現代の若者は空気を読む傾向が強い
・その場その場で周囲から受け入れられる自分を考えるのは面倒だから、友達集団の間で認知されているキャラは便利である
・相手との関係を考えずに済むキャラは気楽
・キャラに反する言動は一切控えなければいけないという窮屈さもある
・キャラは自分を抑圧する装置でもある
・自分の一面しか友達に対して出すことができない
・人間は多面的な存在なのに、キャラに徹することで周囲に溶け込み、自分の立ち位置を確保することで、ホンネを出せない苦しみが生じる
・キャラ変えしたいとなる
・今の自分で出しにくい面を出せるようになりたい
・キャラがなければやっていけないという思い込みを持っている
・キャラから抜け出せないのは、空気を読みホンネを抑えなければいけない圧力が強いから?
・ビジネスの会議や交渉の場ならともかく、友達とのつきあいでもキャラに縛られホンネを出せないなんて淋しい
こんな感じです。
では問です。
問1 傍線部「キャラを演じるのに疲れながらも、キャラから抜け出すことができない」のはなぜか。筆者の考えを200字以内で説明しなさい。
考えていきます。
1.一言で答える
キャラがなければやっていけないという思い込みを持っているから。
2.これはなぜか
キャラが必要だから。
3.「キャラ」はなぜ必要なのか、「キャラ」とは何か
現代の若者は空気を読む傾向が強いが、その場その場で周囲から受け入れられる自分を考えるのは面倒である。
友達集団の間で認知されているキャラを持つことで相手との関係を考えずに済む。
キャラに徹することで周囲に溶け込み、自分の立ち位置を確保できる。
ここまでが解答のメイン内容です。
4.「キャラを演じるのに疲れる」のはなぜか
これは傍線部の前半の内容です。確認しておくべきでしょう。
人間は多面的な存在であるのに、キャラに縛られホンネを押さえなければいけないから。
★以上の内容を200字以内でまとめます
人間は多面的な存在であるのに、キャラを立てるとホンネを抑えなければいけない。しかし、空気を読む傾向が強い現代の若者は、友達集団の間で認知されているキャラを持つことで相手との関係を考えずに済む上、周囲に溶け込み、自分の立ち位置を確保できるためキャラを演じる。現代の若者はこのようなキャラを必要とし、それがなければやっていけないという思い込みを持っているため、キャラから抜け出すことができないのである。(199字)
問2です。
問2 キャラを演じることについて、あなたの考えを600字以上800字以内で述べなさい。
1.自分の立ち位置を決める
演じることについて賛成か反対かを決めます。
筆者は演じることに反対だが、どちらでも書くことができそうです。
ただし、課題文で述べられている「キャラ」について正確に捉える必要があります。
・友達集団の間で認知されているキャラは便利である
・友達の前では、自分のホンネを隠して…
・ビジネスの会議や交渉の場ならともかく、友達とのつきあいでもキャラに縛られホンネを出せないなんて淋しい
などの表現から「キャラ」は友達間のものと限定されます。
ここは注意ポイントですね。友達間以外まで広げて考えてはダメですよってことです。
このことを押さえることができると、演じることに賛成の場合、「うわべだけのつき合いでいい」ということになってしまいそうです。友人や親友とも「これでいい」というのは、どうなんだろうか…とは思います(もちろん様々な考え方がありますので賛成でも構いませんよ)。
2.自分の意見についての理由を述べる
体験などを用いて、プラス面で書くことができるようにします。
「○○はマイナスだから」という理由にはしないようにします。
「上」の理由を説明するときに「下でない」ではいけないということと同じです。
ホンネを話したことでプラスになったという経験はありそうでうよね。
また、ホンネをいわないからこそ、うまくいった(プラスになった)という経験もありそうですよね。
やはり、どちらの立場でも書けそうです。
3.今一度自分の意見をまとめて終わり
自分の意見を抽象化していく過程を大切にしてまとめます。
以上で解説速報は終わりです。
いかがでしたか。参考になったなら嬉しいです。
なお、大学受験は「合格」が決まるまで終わりません。
名寄市立大学では前期日程も後期日程も小論文が課されます。
小論文学習はぜひ続けてみてください。
また、自分が書いた小論文がこのブログで示したものと大きくズレていたとしても、それで合否が決まるわけではありませんから落ち込む必要はありません。
あくまで参考としてお読みください。
では、これで終わります。
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