高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

長野大学_国語_2024(令和6)年度_学校推薦型選抜(推薦入試)_第2問

こんにちは。きんこです。

 

長野大学2024年度(令和6年度)学校推薦型選抜(推薦入試)の国語第2問の解答解説です。

 


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そのため、それらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。

まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

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この読み方、解き方を徹底することで入試問題を解けるようになるでしょう。

ぜひ身につけてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

長野大学のホームページで過去の入試問題をダウンロードすることができますので、ご準備をお願いします。

www.nagano.ac.jp

   


はじめに解答をお示しし、その後解説をお伝えします。

 

では、始めます。

 

[解答]

 

2 伊藤亜紗編『「利他」とは何か』より若松英輔「人法師と利他」

 

問1 

(1)エ  (2)ウ 

 

問2 

1…①

2…②

3…③

4…①

 

問3 

 

問4

 

問5

 

問6

人々の生活のなかで用いられ奉仕することで「いのち」を帯び、美が深まっていくから。(40字)

 


[解説]

 

形式段落での説明になります。

1~16まで形式段落に番号を振ってください。


問1 語句の意味

 

昨年度に続き、推薦入試で語句の意味が問われました

中期日程では必ず問われていますが、推薦入試でも問われ続けそうです。

問われている語句は特別難しいわけではありませんが、カタカナ語は頻出です

カタカナ語の学習はなかなかできないと思うので(適当な問題集などが少ない)、私のQuizletを使ってみてください(下のリンクからどうぞ)。

マニフェストアニミズムも入っていましたよ!

また、日常で何気なく使われているカタカナ語を調べる習慣をつけることをオススメします。

昨年度のサブスクリプション(サブスク)や、今年度のマニフェストはその典型です。

長野大学中期日程の過去問を解くのもオススメです。問題になっている語句だけでなく、選択肢の語句も確認しましょう。

kinkoshin.hatenablog.com

 


問2 空欄補充

 

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

直前の「「民藝」は生まれたときに「民藝」となるのではありません。用いられることによって「( 1 )」になっていく。

という流れだけでも「民藝」が入るのが分かります。

また、直後に「そうした「民藝」」と指示語もありますから、確実に「民藝」ですね。

 

上記の続きで「そうした「民藝」になり得る物を柳は( 2 )と呼びます」となっています。

「民藝」は絶対に入らないことが分かります。

次に、空欄の直後がそのいっぽうで、飾られ、眺められるだけのものを「美藝」と呼びました」とあります。

「一方で」は「A。一方でB」という対比です

Bが「美藝」ですから、Aには「美藝」は入りません。

「民藝」でも「美藝」でもないので、「工藝」だと分かります。

 

「民藝」になり得るものが「工藝」であり、飾られ、眺められるだけのものが「美藝」である。

ここでは、「工藝」と「美藝」が対比されています

「( 3 )」を否定しない。しかし、工藝の優位を説いた。

と続きますから、空欄には「工藝」ではなく「美藝」が入りますね。

 

( 4 )は、じつに「書物的」です」とあります。

「は」は「イコール」ですから、「( 4 )=書物」だと分かります。

 

空欄を含む一文を確認すれば「書物=誰かに読まれたもの」だと分かります。

また、形式段落の「おわり」では、「用いられ…深まっていくというのが民藝」とまとめられていますから、「民藝=用いられるもの」です。

「誰かに読まれる」というのは「用いられた」ということですね。

書物も民藝も、人に「使われた」という意味で同じなわけです。

ということで、「民藝」が入りますね。

 

形式段落のつくり(はじめ-なか-おわり)に注目し解説しましたが、空欄3以降を読み進めてきても容易に答えは出ます。

形式段落13「民藝は、用いられたあとが歴然としている」という箇所から、「民藝」が人に「使われた」ものだということが繰り返し述べられ、空欄のある形式段落16の「はじめ」で「書物『も』似ている」と「民藝」と「書物」の共通点を述べていることが明白だからです。

ここからも、先ほどと同じ「書物も民藝も、人に「使われた」という意味で同じ」だと導けます。

 


問3 内容説明(具体例の選択)

 

本文における「工藝の美」と類似した美を有するものを選択します。

 

そのためには、「工藝の美」がどのようなものか確認する必要がありますね。

 

形式段落2(引用)

・吾々に役立つもの

・用途を離れず、用に堪え得るもの

・奉仕の心がある器

形式段落3

・工藝の美は、奉仕の美 → 「は」はイコールなので「工藝=奉仕」だと分かる

・真に奉仕するものは、見返りを求めない

形式段落9

・見られるだけでなく、用いられ、生活のなかに浸透しているもの

形式段落10

・「民藝」になり得る物

*「美藝」=飾られ、眺められるだけのもの

 

このあたりを読み取ることができると「工藝の美」がどのようなものか分かります。

まとめると

人間の「用」に堪えることができ、見られるだけでなく、実際に用いられ生活のなかに浸透していくものが「工藝」であり、そこに「美」がある

なお、形式段落10の「美藝」は「工藝」と違い、飾られ、眺められるだけのものであり、実際には用いられないものだということも確認しておくといいでしょう。

 

では、選択肢を見ていきます。

選択肢は文末が大切です。

今回は文末を見るだけで答えが出ます。というか、前半部分を見ると惑わされるような選択肢となっています。

ア…交通安全ポスターは飾られるだけのものです。

イ…一輪挿しは「花」を挿して飾っておくものです。

ウ…着物は人の生活のなかで用いられるものです。

エ…飾り棚は「物」を飾るための棚であり、人が用いるものではありません。

ということで、ウですね。

 


問4 内容説明

 

器の「いのち」に対する、生物の「いのち」のありようが問われています。

生物の「いのち」ってどういうものなのかが問われているということです。

 

本文では、これらが対比で述べられていると考えられますから、「いのち」に注目して読み取ります。

 

形式段落5

・器も生物も「いのち」がある(傍線部)

形式段落9

・「物」は、見られるだけでなく、用いられ、生活のなかに浸透していくことで、真に「いのち」を帯びたものになる

ここしかありません。

 

文章を読むときには「対比」が超重要です

それは、「書かれていないことも分かる」からでした。

この説明だけで不十分でしたら、次の記事をパッと読んでみてください。

kinkoshin.hatenablog.com

 

器と生物が対比になっていると分かれば、形式段落9の内容から次のことが分かります。

器は用いられることによって「いのち」を帯びるのだから、はじめは「いのち」がないということになる。

ということは、対比されている生物ははじめから「いのち」を持っているということである。

本文から読み取れる器と生物の「いのち」については、これしかありません。

ということで、このような内容になっているのはアです。

 


問5 理由説明

 

「民藝の器」が「主張すべき「我」がない」ことの理由が問われていますから、「民藝の器」がどのようなものかを確認します。

 

ここまで設問を解いていれば、問3とほぼ同じように考えることができることに気づきます。

すなわち、問3で確認した「工藝」は以下の部分に注目しました。

形式段落2(引用)

・吾々に役立つもの

・用途を離れず、用に堪え得るもの

・奉仕の心がある器

形式段落3

・工藝の美は、奉仕の美 → 「は」はイコールなので「工藝=奉仕」だと分かる

・真に奉仕するものは、見返りを求めない

形式段落9

・見られるだけでなく、用いられ、生活のなかに浸透しているもの

形式段落10

・「民藝」になり得る物

*「美藝」=飾られ、眺められるだけのもの


ここから、次のことが分かります。

飾られ眺められる目的である美藝ではなく、見返りを求めない奉仕の心を持つのが工藝であり、その工藝が用いられ、民藝となる。

傍線部「民藝の器に我がない」のは、そもそも「見返りを求めない奉仕の心を持っている工藝」が元になっているからだと考えられます。

 

以上を踏まえて、選択肢の後半を確認します。

ア…奉仕の心は工藝職人に対するものではなく、「用いる人」に対するものです。

イ…「忠順な現世への奉仕」は形式段落2で述べられており、「奉仕の心」の説明です。民藝の器は、奉仕のために作られた工藝が元になっているのですから、この選択肢が正解です。

ウ…「人間の心象」などは関係ありません。

エ…「用いる人と一体になる」とは述べられていません。

このように、選択肢の問題も必ず自分で「正解」を考えてから選択肢を見ましょう

そうしなければ、他の選択肢に惑わされることになります。

 


問6 理由説明

 

民藝が欠けたままでも美しい理由が問われています。

 

ここまでの設問で、民藝とは、工藝が人に用いられることによってできたものだと分かります。

また、形式段落13と14からも、民藝が人に用いられたものだと分かります。

 

「欠けている」というのは「用いられた」ことの証左(証拠)ですね。

 

では、なぜ「用いられる」と美しいと見なされるのでしょうか。

それは、本文の「おわり」に述べられています。

形式段落16の最後です。

用いられ、時のちからを得て、変貌し、美が深まっていくというのが民藝をめぐる柳の実感だった

ここから、民藝が欠けたままでも美しい理由は次のように言えます。

人に用いられ、時のちからを得て、変貌し、美が深まっていくから。(31字)

 

「時のちからを得て、変貌する」というのがよく分かりませんから、説明してあげます

 

民藝は人に用いられることによって、工藝から変貌するものでした。

そして、形式段落9の内容から、工藝が用いられて、生活のなかに浸透することで、真に「いのち」を帯びたものになるのでしたね。

「時のちからを得て、変貌する」というのは、このことを指していそうです。

書き換えます。

人々の生活のなかで用いられることで「いのち」を帯びて、美が深まっていくから。(38字)

 

これでも十分な解答ですが、問3や問5で確認したように、工藝や民藝は「奉仕」するものでしたから、それを付け加えてあげましょう。

人々の生活のなかで用いられ奉仕することで「いのち」を帯び、美が深まっていくから。(40字)

 

これでいいですね。


今回の本文は「はじめ(形式段落1)」で「柳が考えた民藝とは何か」について話すよ、となっていて、「おわり(形式段落16)」で「民藝とはこういうものだ」とまとめられていました。

 

やはり、形式段落、意味段落、本文全体を「はじめ-なか-おわり」の構造で読んでみることが重要だと分かります。

この構造について、まだブログを読んでない方はこちらを読んでみてください。

kinkoshin.hatenablog.com

 


以上が第2問の解説です。

 

今回の問題は、形式段落だけで答えが出るようなものではなく、意味段落、本文全体から問われている内容を読み解く必要があったので、少し難しかったかもしれません。

 

ただ、そうであるがゆえに確認すべき部分が重なっているので、設問を解いていくことで、より本文内容をつかむことができたのではないでしょうか。

 

とはいえ、長野大学の国語対策はこれまでと変わりません。

 

文章を正しく読み内容説明ができること(選択・記述)、文脈を判断できること(空欄補充)、語彙力があること(漢字・語句の意味)の3点です。

 

これらが繰り返し問われていますので、しっかりと対策しましょう。

 

また、2021年度まで問われていた「自分の意見(考え、推測)を根拠を持って述べることができること」を問う設問は3年連続で出題されていませんから、問われる可能性は低そうです。

とはいえ、総合型選抜対策にもなる小論文の練習をしておけば問題はありません。

 

文章を正しく読む力が試される設問に関しては、私のブログにある「文章の読み方」を意識していれば解くことができます。

大事なのは、常に同じ読み方をしてみることです。

そのためには、一度取り組んだ問題を復習し、このブログで説明したような流れで考えることができるかを試すといいでしょう。

 

自分の意見を述べる設問に関して学習するのであれば、2021年度以前の過去問や、長野大学の総合型選抜の過去問をやることをオススメします。

私のブログで解説もしているので学習しやすいと思います。

 

先程も書いたように、長野大学の入試問題は漢字などの語句の問題に始まり、文脈から解ける空欄補充、基本的な読解力、表現力などを問うてきます。

特別な力などではなく「基本的な国語力」を試す問題と言えます。

この問題を解けるようになることは、皆さんの人生においてプラスの何かをもたらしてくれるでしょう。

「入試問題」だからやるのではなく、自分の力を高めるためにも取り組んでもらいたいと思います。

 

頑張ってくださいね。

 

では、これで終わります。


他の年度や国語の勉強の仕方はこちらからご覧ください。

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長野大学_国語_2024(令和6)年度_学校推薦型選抜(推薦入試)_第1問

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長野大学2024年度(令和6年度)学校推薦型選抜(推薦入試)の国語第1問の解答解説です。

 

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このブログの「文章の読み方」などをどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、それらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。

まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

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この読み方、解き方を徹底することで入試問題を解けるようになるでしょう。

ぜひ身につけてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

長野大学のホームページで過去の入試問題をダウンロードすることができますので、ご準備をお願いします。

www.nagano.ac.jp


はじめに解答をお示しし、その後解説をお伝えします。

 

では、始めます。

 

[解答]

 

1 今井むつみ『ことばと思考』より

 

問1 

(1)哺乳  (2)頻繁  (3)曖昧

 

問2 

1…カ
2…ウ
3…オ

 

問3 

 

問4

 

問5

 

問6

知識や経験が少ない子どもが、直接経験せずに概念体系を構築することができるから。(39字)


[解説]

 

形式段落での説明になります。

1~10まで形式段落に番号を振ってください。


問1 漢字(書き取り)

 

今回の漢字は難しめですが、漢字検定2級まで取得していればまったく問題ありません。

例年、準2級レベルで大丈夫そうでしたが、今回は2級の漢字が多くなっていました。

今回は「哺」が2級、「頻」が準2級、「繁」が4級、「曖昧」が2級の漢字です。

 

漢字の出題に関しては、2024・2023年度は第2問で漢字の出題がないので、この3問だけです。

ただ、2022年度は18問、2021年度は10問、2020年度は12問、2019年度は10問出題されていました。

漢字学習は必須です。


問2 空欄補充

 

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

子どもにとって…連想関係はとても魅力的である。(空欄)、単に「同じのはどっち?」と聞かれると、連想関係にあるモノを選ぶ。」という流れです。

 

空欄には、因果関係を表す語句が入ると考えられますね。

連想関係が魅力的「だから」連想関係にあるモノを選ぶわけです。

 

選択肢には、ずばり「だから」があります。

 

だが、考えてみると、(空欄)、名詞によってラベルづけされる分類の仕方が、なぜ特別なのだろうか。これを考えるために、例えば…」という流れです。

 

形式段落7の「はじめ」の一文ですから、形式段落6の「おわり」からつながる内容になっているはずです。

 

形式段落6の「おわり」では「子どもが、ことば(名詞)によってラベルづけされる分類の仕方を学習していく」ことが述べられています。

それに続く形式段落7で「名詞によってラベルづけされる分類の仕方が、特別な理由」が述べられていきます。

 

これらを踏まえて、空欄を含む一文を書き換えてみると、次のようになります。

子どもは、ことば(名詞)によってラベルづけされる分類の仕方を学習していくが、考えてみると、(空欄)、名詞によってラベルづけされる分類の仕方が、なぜ特別なのだろうか。

「名詞によってラベルづけされる分類の仕方を学習していく」けど、根本にある「名詞によってラベルづけされる分類の仕方」がなんで特別なのかを考えよう、という流れです。

この「根本のこと」というニュアンスを含んだ選択肢を選ぶことになります。

 

「そもそも」ですね。

 

例えば、ある植物の根には有毒の物質が含まれていると経験的に学んだとしよう。(空欄)、人は、その植物自体を食べないように気をつけるだけでなく、それと「同じ種類」のモノも避けたほうがよい、と考える」という流れです。

 

「例えば」とありますから、何らかの事例が述べられていることが分かります。

人が経験的に学んだときに、どのように考えるかという事例が述べられているわけです。

 

選択肢にある「そのとき」を当てはめるのがいいですね。


問3 内容説明

 

「カテゴリー・ラベル」についての、子どもと大人の思考の仕方を読み取ります。

 

今回の課題文は形式段落1~6と形式段落7~10の2つの意味段落に分かれています。

(形式段落6と7の間が1行開いているので明白です)

 

傍線部は前半の意味段落です。

 

前半の意味段落の「はじめ(形式段落1)」から、この意味段落で何の話をするかが分かります。

そして、「なかほど(形式段落2~5)」でそれについての説明がなされ、「おわり(形式段落6)」でまとめてくれているはずです。

 

その意識で読むと次のようになります。

(「はじめ-なか-おわり」を意識してまとめます)

 

1 

私たちは「同じ名前がつく同じ種類のモノ同士」を「同じ」であると考える。

 

2~5 

2…子どもは連想関係にあるモノ同士を仲間と考え、「同じ」であると言う傾向が強い。

3…しかし、違うこともある。

4…連想関係にあるモノ同士は、同じラベルを共有しないはずだと考える。

5…私たちは世界を様々にくくり分類できる。

 

6 

大人は「同じ種類」と言われると、同じ概念カテゴリーに基づくモノ同士が「同じ種類」だと考えるのに対して、子どもは様々な基準での「同じ」を持つが、どの「同じ」をいつ使うか分からない。

しかし、ことばによって、概念カテゴリーに従った分類が特別な分類だと学習していく。


ここまで読み取れば、選択肢エが正解だと分かります。

形式段落2の内容ですね。

 

ちなみに、アは形式段落1、イは形式段落6、ウは形式段落4の内容から違うと分かります。


問4 理由説明

 

傍線部を含む一文を確認します。

ポイントは3つです。

①傍線部は形式段落の「おわり」にあるので、「なか」からつながっている。

②傍線部直前に「つまり」があるので、傍線部と直前の「ことば(名詞)によってラベルづけされる分類の仕方」は同じである

③傍線部は前半の意味段落の「おわり」にあるから、後半の意味段落の「話題」となっていく

 

傍線部を含む一文の主語は「なか」からつながっているので「子ども」です。

子どもは、どの「同じ」をいつ使うべきか分からないけれど、ことばの存在により傍線部の内容を学習していく、という流れです。

ということは、傍線部によって「同じ」を使えるようになるから、特別だということになるでしょう。

子どもが、どのように「同じ」を使えるようになるのかを読み取ればいいと分かります。

 

「つまり」はイコールですから「傍線部=ことば(名詞)によってラベルづけされる分類の仕方」です。

 

形式段落7の「はじめ」を確認すれば一目瞭然、まさに「なぜ特別か」の話題が始まることが分かります(ここでは傍線部直前の表現になっていますが、②で確認したように、この表現は傍線部とイコールです)。

後半の意味段落の内容を読み取れば、傍線部が特別な理由(子どもが、どのように「同じ」を使えるようになるのか)が分かりそうです。

 

ということで各形式段落を簡単にまとめます。

(「はじめ-なか-おわり」を意識してまとめます)

名詞によってラベルづけされる分類の仕方が、なぜ特別なのか。

(これが今回の設問そのものですね!)

 

8~9

8…ある特定のモノにある属性があるとき、その同じ属性が他のモノにも共有されているかどうか推論することを「帰納推論」という。
人の思考の中で、帰納推論はもっとも重要である。
帰納推論によって、直接経験しなくてもモノの属性を推論できる。

9…帰納推論は知識も経験も少ない幼児にとって、とりわけ重要である。
ラベルを持つのは概念カテゴリーなので、帰納推論できる。

 

10

ことばを介して、子どもは直接経験したり教わったりしていないモノにどのような属性があるかを帰納推論によって学習し、概念を構築していく。
ことばがあることで、幼児は素早いスピードで概念を学び、効率よく概念体系をつくり上げる。


「同じ」を上手く使えない子どもが、ことばやラベル、帰納推論によって、概念体系をつくり上げることができる(「同じ」を使える)から、特別だということですね。

 

以上から、イだと分かります。

 

ちなみに、他の選択肢が違う理由です。

ア…稀有(珍しい)だから特別だというわけではありませんし、そもそも「稀有」かどうかは本文には述べられていません。

ウ…「直接経験を介して」ではなく「直接経験しなくても」帰納推論できるから特別なのです。

エ…これも「直接経験」は関係ありません。


問5 空欄補充

 

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

今回は傍線部の直前に「つまり(イコール)」があるので形式段落のつくり(はじめ-なか-おわり)に注目すると簡単です。

 

はじめ
子どもは帰納推論によって学習し、概念を構築していく。

なか
ことばは、子どもが自分で概念を学習し、(空欄)を自らつくり上げていく際に重要だ。

おわり
ことばがなかったら、幼児が概念を学び、概念体系をつくり上げることは不可能だ。


このようにまとめると簡単ですね。

はじめ…概念を構築する

なか…(空欄)をつくり上げる

おわり…概念体系をつくり上げる

 

ウだと分かります。

 

「つまり」は「イコール」であることと、形式段落のつくり(この話するよ=こういうことだよ=こうだよね)という「イコール」の関係を意識しましょう。


問6 理由説明

 

子どもにとって帰納推論が重要な理由を答えます。

 

問3~5のまとめの問題となっていますね。

 

すなわち

問3

子どもは、連想関係にあるモノ同士を仲間と考え、「同じ」であると言う傾向が強い。

問4

「同じ」を上手く使えない子どもが、ことばやラベル、帰納推論によって、概念体系をつくり上げることができる。

問5

子どもは帰納推論によって学習し、概念を構築していく。


この内容から、子どもにとって帰納推論が重要な理由をまとめるとこうなります。

連想関係にあるモノ同士を仲間と考え、「同じ」であると言う傾向が強いように「同じ」を上手く使えない子どもが、ことばやラベル、帰納推論によって学習し、概念を構築していくから。(85字)


子どもが「同じ」を上手く使えないのは、形式段落9「帰納推論は知識も経験も少ない幼児にとって、とりわけ重要である」とあるように、「知識や経験が少ない」からだと分かります。

これを言い換えてあげると、

知識や経験が少ない子どもが、ことばやラベル、帰納推論によって学習し、概念を構築していくから。(46字)

知識や経験の少ない子どもにとって「ことばやラベル、帰納推論による学習」が重要なのは、形式段落8「帰納推論によって、直接経験しなくてもモノの属性を推論できる」からですね。

「直接経験しなくても概念構築できる」のが帰納推論のはたらきなのです。

ということで、次のようにまとめます。

知識や経験が少ない子どもが、直接経験せずに概念体系を構築することができるから。(39字)

 


以上が第1問の解説です。

 

前年度とまったく同じ形式での出題でした。

 

問1は漢字、問2は接続詞や副詞などの文脈に関わる空欄補充、問3・4は内容もしくは理由を問う選択肢問題、問5は内容に関する空欄補充、問6は40字の内容もしくは理由説明。

このような形式が続くのかもしれませんが、学習するべきことは形式にかかわらず変わらず以下の通りです。

文章を正しく読み内容説明ができること(選択・記述)、文脈を判断できること(空欄補充)、語彙力があること(漢字・語句の意味)の3点です。

 

2021年度まで問われていた「自分の意見(考え、推測)を根拠を持って述べることができること」を問う設問は3年連続で出題されていませんから、問われる可能性は低そうです。

とはいえ、総合型選抜対策にもなる小論文の練習をしておけば問題はありません。

 


文章を正しく読む力が試される設問に関しては、私のブログにある「文章の読み方」を意識していれば解くことができます。

大事なのは、常に同じ読み方をしてみることです。

そのためには、一度取り組んだ問題を復習し、このブログで説明したような流れで考えることができるかを試すといいでしょう。

 

自分の意見を述べる設問に関して学習するのであれば、2021年度以前の過去問や、長野大学の総合型選抜の過去問をやることをオススメします。

私のブログで解説もしているので学習しやすいと思います。

 

先程も書いたように、長野大学の入試問題は漢字などの語句の問題に始まり、文脈から解ける空欄補充、基本的な読解力、表現力などを問うてきます。

特別な力などではなく「基本的な国語力」を試す問題と言えます。

この問題を解けるようになることは、皆さんの人生においてプラスの何かをもたらしてくれるでしょう。

「入試問題」だからやるのではなく、自分の力を高めるためにも取り組んでもらいたいと思います。

 

頑張ってくださいね。

 

では、これで終わります。


他の年度や国語の勉強の仕方はこちらからご覧ください。

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長野大学_小論文_2023年度_総合型選抜(AO入試)

こんにちは。きんこです。

 

長野大学(2023年度・令和5年度総合型選抜・AO入試)の小論文の解説です。


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このブログの「文章の読み方」などをどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、それらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。

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現代文の力もつきますよ。

kinkoshin.hatenablog.com


では、はじめます。

 

課題文は田中治彦『成人式とは何か』です。

 

解説の前に、長野大学が示していた、小論文における「評価のポイント」を確認しておきましょう

現在の募集要項には小論文の評価のポイントが載っていませんが、以前は載っていました。

募集要項から消えたからといって、評価のポイントがガラッと変わってしまうことは考えにくいですから、参考になると思います。

以下の記事で詳しく紹介していますので、まだご覧になっていない方は読んでおくことをオススメします。

kinkoshin.hatenablog.com

 

上記のブログで示したように、課題文で筆者は何かしらに対して「問題」を提起しています。

その問題を捉えるのだという意識で課題文を読み進めるといいでしょう。

また、多くの場合、その問題についての筆者の意見が述べられています。

これが「筆者の主張」となります。

 

課題文で提起されている問題は何か、そしてその問題に対して筆者はどのように考えているかを読み取ることを意識しましょう。

 

設問1

 

課題文の要旨を200字以内で書く問題です。

 

まずは「要旨」とは何かを確認しましょう。

『現代新国語辞典』(三省堂)によれば

「要旨」とは「文章・話などの、おもな(だいじな)内容」です。

小論文における課題文では、多くの場合「要旨=筆者の主張」です。

それは、小論文の課題文はあるテーマについて筆者が何かしらの主張をしているものが圧倒的に多いからです。

ちなみにこのブログで解説をしている長野大学名寄市立大学の小論文の課題文はそのようになっています。

ですから「要旨を書く」ということは、「課題文で筆者が主張していることを書く」ということができます。

 

先ほど確認したように、長野大学の課題文では何らかの「問題」が提起されているはずです。

読み取るべき筆者の主張は、「問題点そのもの」であったり、「問題に対する筆者の考え」であったりするということを意識しておくと取り組みやすくなります。

 

今回の課題文も、このどちらかになっています。

課題文を読んで、どちらなのか判断してみてくださいね。

 

まずは「小論文を書く力」というよりも「文章を読む力」が試されるわけです。

この力が求められていることも、長野大学のアドミッションポリシーから明らかです。

ですから、先程紹介した「文章の読み方」のブログを読むことをオススメします。


では、今回の課題文を読んでいきましょう。

 

形式段落ごとに見ていきますので1~4まで番号を振ってください。

課題文の書き抜き(少し省略したりしていますが)は青字で表示します。

 

成人式には2つの起源があった。

ひとつは、通過儀礼としての成人儀礼

もうひとつは、地方自治体が主催する形の成人式。

伝統的な成人儀礼がもつ意味は、それぞれが属する地域社会や共同体の一構成員として

そこに参加するための自覚を促すことであった。

子どもとして属していた共同体と大人としての務めを果たす共同体はほとんど同一である。


課題文のタイトルから分かるように「成人式」について述べられていくことが分かります。

伝統的な成人式(成人儀礼)には、大人になったらこれまで属してきた共同体のために尽くすことを自覚させるという役割があったようです。

 

これに対して

戦後日本社会においては、子ども時代に育ってきた社会と、成人してから働きが期待される社会とは異なっていることが多い。

その境目に成人式があり、子ども時代と、成人後活躍する社会がしばしば異なっている。

 

伝統的な成人式との対比です。

戦後日本社会では、子どもと大人の属する共同体が異なっており、その境目に成人式があります。

ここが伝統的な成人式との違いです。

 

現代の成人式の課題は、成人後どのような社会に所属するかが不明確なところにある。

現代の成人式の当初の意義は、戦後日本の復興を行うに当たって若者の力に期待したことにある。

そこでは、新生日本が(所属先として)想定されていた。

また

終身雇用を前提とした各企業が(所属先として)明確だった。

 

「現代の成人式の課題は」とありますから、ここがこの課題文が提起している「問題(課題)」となりそうです。

成人後に所属する社会が不明確なのが「問題」なんですね。

とはいえ、当初は「新生日本」や「各企業」が所属先として明確だったようです。

では、なぜ、現在は「所属先が不明確」になってしまうのでしょうか。

次の形式段落で述べられるはずです。

 

(所属先が)新生日本だったり各企業であることを支えたのは、戦後復興において共通の社会目標があったからだ。

従って、その目標を達成した1980年代には所属先が不明瞭になった。

成人式の当初の目的は浮遊し、晴れ着を着て祝福を受けるという形式だけが残った。

その先に2000年代の「荒れる」成人式が訪れた。

 

共通の社会目標があったから所属先を明確にできていたのに、その目標を達成したことで所属先が明確ではなくなってしまったことが分かります。

その結果、成人式の目的が浮遊し(曖昧になってしまい)、形式だけが残り、「荒れる」成人式へと続いていくわけです。


ということで、本文の読み取りが終了しました。

 

今回の課題文では、明確に「問題」が提起されていましたね。

その問題に対する筆者の考え(解決策)は述べられていませんので、問題点が筆者の主張と考えることができます。

 

以上のことを踏まえて、課題文の要旨をまとめてみましょう。

 

筆者の主張(提起している問題)は、第3段落の「はじめ」です。

現代の成人式の課題は、成人後どのような社会に所属するかが不明確なところにある。(39字)

これを中心にまとめていきます。

 

課題文のテーマは「成人式」ですから、まずは成人式の意義を加えます

その意義から外れているから、上記の課題が生まれたんですよね。

第1段落の「なか」で通過儀礼としての成人儀礼の意義(意味)が述べられていました。

 

伝統的な成人儀礼がもつ意味は、それぞれが属する地域社会や共同体の一構成員としてそこに参加するための自覚を促すことであった。

子どもとして属していた共同体と大人としての務めを果たす共同体はほとんど同一である。

 

これをまとめると、こうなります。

成人儀礼がもつ意味は、属する地域社会や共同体の構成員として務めを果たす自覚を促すことだった。

 

続いて、第2段落からは戦後日本社会における成人式について述べられています。

成人式の意義は第3段落の「なか」で述べられていました。

 

現代の成人式の当初の意義は、戦後日本の復興を行うに当たって若者の力に期待したことにある。

そこでは、新生日本が(所属先として)想定されていた。

終身雇用を前提とした各企業が(所属先として)明確だった。

 

これをまとめると

現代の成人式の当初の意義は、新生日本や各企業を所属先として明確にし、戦後復興を行う若者に期待したことにある。

 

以上の2つをまとめると、成人儀礼、成人式の意義となります。

成人儀礼や成人式の意義は、成人後の所属先の構成員として務めを果たす自覚を促すことだった。

 

筆者の主張を合わせて

成人儀礼や成人式の意義は、成人後の所属先の構成員として務めを果たす自覚を促すことだった。現代の成人式の課題は、成人後どのような社会に所属するかが不明確なところにある。(83字)

 

前半と後半の繋がりが悪いですね。

そこで、なぜ所属先が不明確になってしまったかを加えましょう。

第4段落で述べられていますね。

 

(所属先が)新生日本だったり各企業であることを支えたのは、戦後復興において共通の社会目標があったからだ。

従って、その目標を達成した1980年代には所属先が不明瞭になった。

 

まとめると

戦後復興において共通の社会目標があったため、所属先は新生日本や各企業と明確だった。しかし、1980年代にその目標が達成されると所属先が不明瞭になった。

 

これを加えます。

成人儀礼や成人式の意義は、成人後の所属先の構成員として務めを果たす自覚を促すことだった。戦後復興において共通の社会目標があったため、所属先は新生日本や各企業と明確だった。しかし、1980年代にその目標が達成されると所属先が不明瞭になった。現代の成人式の課題は、成人後どのような社会に所属するかが不明確なところにある。(158字)

2文目が唐突な感じがするので、主語を加えます。

成人儀礼や成人式の意義は、成人後の所属先の構成員として務めを果たす自覚を促すことだった。現代における成人式は戦後復興において共通の社会目標があったため、所属先は新生日本や各企業と明確だった。しかし、1980年代にその目標が達成されると所属先が不明瞭になった。現代の成人式の課題は、成人後どのような社会に所属するかが不明確なところにある。(168字)

 

次に、所属先が不明瞭になった結果、成人式がどのようになったかを加えます。

成人式が、その意義(意味)を失ってマイナスの方向に向かっているから課題(問題)なわけです。

第4段落に述べられていました。

 

成人式の当初の目的は浮遊し、晴れ着を着て祝福を受けるという形式だけが残った。

その先に2000年代の「荒れる」成人式が訪れた。

 

この内容を加えてあげます。

成人儀礼や成人式の意義は、成人後の所属先の構成員として務めを果たす自覚を促すことだった。現代における成人式は戦後復興において共通の社会目標があったため、所属先は新生日本や各企業と明確だった。しかし、1980年代にその目標が達成されると所属先が不明瞭になり、「荒れる」成人式が訪れた。成人式の課題は、晴れ着を着て祝福を受けるという形式だけが残り、成人後の所属先を明確にできなくなっていることである。(198字)

これでオッケーですね。

 


設問2

 

絶対に注意しなければいけないことは「設問」をよく見ることです。

具体的には「設問文の内容に関して」を見落とさないことです。

設問文の内容、つまり筆者の主張をふまえて、自分はどう考えるのかを述べる必要があります。

 

ということで、筆者の主張を確認します。

設問1より、

現代の成人式の課題は、成人後どのような社会に所属するかが不明確なところにある。

これが主張です。

 

成人後の所属先を明確にするという成人式の意義が失われており、それが「荒れる」成人式をもたらしているんですね。

この課題(問題)に対するあなたの考えを書けばいいことになります。

それは、ずばり「成人式の意義について」となるでしょう。

 

第2段落「はじめ」にあるように、現代では子ども時代に所属していた社会と、成人してから所属する社会とが異なっています。

第4段落にあったように、戦後復興というような共通の社会目標もありません。

成人後の所属先が不明確な状況のなかで、「成人式の意義」を何に見出すことができるかが問われています。

 

今回、大学があなたに問うているのは、これから成人するあなたの「生きていく方向」と言えるでしょう。

 

前近代社会のように子ども時代と大人時代に属する共同体を同一にするのか(これは非現実的ですが)、戦後日本社会のように共通の目標を持つのか(「西洋に追いつけ、追い越せ」という強い欲求を全員が持つことができるかは難しいかもしれませんが)、それとも他の何かを見出すのか、が問われています。

 

いずれにせよ、現代において、成人式はどのような意味を持つことができるのかを考える必要があります。

簡単ではないですが、自分なりの考えを述べてみましょう。


以上のことを踏まえて、自分がどのように考えるかを400字で述べましょう。

基本の構成はこうなるのでした。

第1段落 筆者の主張を踏まえながら自分の意見を述べる

第2段落 自分の意見の理由、具体例

第3段落 意見のまとめ

2段落構成にする場合は、上記の「第2段落」の内容を第1段落か第3段落に振り分けることになります。

 

第1段落の筆者の主張を踏まえる部分では、筆者が提起していると考えられる「問題」をしっかりと踏まえていることが分かる書き方にできるといいですね(以前までは評価のポイントと明示されていました)。

今回の「問題」は「成人後の所属先を明確にするという成人式の意義が失われてしまった」ということですから、それを踏まえた上で自分なりの「成人式の意義」を述べることができるかどうかが鍵となります。


第2段落では、自分が考える「成人式の意義」についての理由を述べていくことになりそうです。

その内容に適切な具体的事例を加えることができるといいでしょう。

それらを踏まえて、最後にあらためて自分の意見(成人式の意義)を明示しましょう。


以上で書くと、合格できる小論文になります。

 

書き方や表現、意見の内容などはブログではどうしようもありませんので、身近な方(学校の先生とか)に添削してもらいましょう。


これからも多くの過去問に取り組んでみましょう。

とはいえ、長野大学は過去問が少ないので、名寄市立大学の課題文を使って練習するのもアリですよ。

 

では、終わります。


今回以外の長野大学の小論文の記事については、こちらからご覧ください。

kinkoshin.hatenablog.com

 

ついでに名寄市立大学のリンクも貼っておきます。

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長野大学_国語_2023(令和5)年度_一般選抜中期日程_第3問

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長野大学2023年度(令和5年度)一般選抜中期日程の国語第3問の解答解説です。

 

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このブログの「文章の読み方」などをどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、それらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

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この読み方、解き方を徹底することで入試問題を解けるようになるでしょう。

ぜひ身につけてください。


問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

長野大学のサイトで過去の入試問題をダウンロードすることができますので、ご準備をお願いします。

 

http://www.nagano.ac.jp/admission/kakomon/index.html

 

では、始めます。

 

はじめに解答をお示しし、その後解説をお伝えします。

 

[解答]

 

3 増成隆士『現代の人間観と世界観』

 

問1 

A…ア

B…エ

C…ア


問2

 

問3

 

問4

人間の身体の内部構造を見ることを知的に重要だと認識し、人間一般の医学になった。(39字)

 

問5

生きている身体には、「生」たらしめる目に見えない何かが「宿って」いるという考え。(40字)

 


[解説]

形式段落での説明になります。

1~10まで形式段落に番号を振ってください。

 

問1 空欄補充

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

各空欄を見ていきましょう。

 

われわれはよく知っている→いや、実のところ「われわれはよく知っている」というのは(空欄)→ほんとうによく知っているのは、医学者を中心として…

という流れです。

 

「いや」とありますから逆接です。

 

「知っている」の逆ですから、ここの内容は「知らない」となります。

 

主語が「『われわれはよく知っている』というのは」となっていますから、これに合う形で「われわれは知らない」となるような語句を選びます。

 

アの「言い過ぎ」となります。


人体についての今日の見方考え方の基本にあるのは、端的に言えば、医学的な見方考え方→より(空欄)に言えば、解剖学的な見方考え方

という流れです。

 

医学的な見方考え方を「よりどうしたもの」が解剖学的な見方考え方なのか、と考えます。

「医学的」よりも「解剖学的」の方が、より具体的に(こまかく、小さい範囲に)なっていますね。

 

エの「限定的」です。


空欄は形式段落8の「はじめ」にあります

ということは、この空欄は形式段落7と8とをつないでいると考えます。

 

形式段落7の内容は、「おわり」から「西洋では、人間の身体の内部構造をみていくことを「学」として高い位置に置き、医学は数学や天文学などと並ぶ学問とされた」です。

形式段落8の「はじめ」は「西洋医学(医学)のものの見方考え方がすんなりと成長したわけでもない」です。

 

「医学」の話題であることが分かりますね。

この「医学」がどうだったのかというと

形式段落7…高い位置にある学問

形式段落8…すんなりと成長しなかった

医学は高い位置にあった「のに」、すんなりと成長はしなかったんですね。

「のに」は逆接ですから、選択肢から逆接の語句を選びましょう。

 

アです。

 


問2 内容説明

傍線部は形式段落4の「はじめ」にあります

形式段落の「はじめ」にあるのですから、前の形式段落の「おわり」からつながっています。

 

形式段落3の「おわり」

ものの見方考え方=今日の人間は一般に、人間の身体は複雑に組み立てられている

 

次に、形式段落4を見ます。

傍線部は主語になっていますから後半を確認します。

傍線部(見方考え方)の基本=専門家と一般人に共通して、理科室で見た人体の骨格見本などのイメージがある

さらに形式段落4の「おわり」でまとめているはずです。

基本にある見方考え方=今と昔とでは、大きく違う

 

ここまでの確認で選択肢を見たいところですが、形式段落5の「はじめ」がちらっと眼に入りますね。

見てみると「人体についての今日の見方考え方の基本にあるのは」と同じ話題が続いていることに気づきます。

確認しましょう。

 

形式段落5の「はじめ」から

見方考え方の基本=解剖学的な見方考え方

形式段落5の「おわり」から

見方考え方=古代ギリシアの医学と古代ローマの解剖学の延長線上

 

形式段落6からは「解剖」の話題になっています。

形式段落5で確認したように「見方考え方の基本=解剖学的な見方考え方」なので確認の必要がありますね…。

形式段落6の「はじめ」から

解剖=外皮を切り、内部を見る。古くからある。

形式段落6の「おわり」から

古代インカでも解剖的なものが多少あった

 

この辺りでいいでしょう。

選択肢を確認します。

ア…理科室の人体の骨格見本などのイメージがあるのでした。

イ…専門家と一般人に共通していたのでした。

ウ…今と昔とでは大きく違うのでした。これが正解ですね。

エ…「古代ローマ→古代インカ」という流れではありません。

オ…解剖学的なものが多少あったんでした。

 

設問は「見方考え方」の内容説明ですから、そもそも「解剖」については関係ありません。

だから、形式段落5までで答えは出ます。

ただ、選択肢に「解剖」がある以上、確認はしたほうがいいですよね。

 


問3 内容説明

傍線部は形式段落7の「はじめ」にあります。

傍線部の前後に「が」「は」がありますから、この「イコール」を確認します。

さらに、形式段落の「なか」で説明され、「おわり」でまとめてくれるはずです。

ここに書くと、本文のほとんどになってしまうので省略しますね。

 

ポイントだけまとめます。

形式段落7

・人間という存在と怜悧に見るということ

・必要性にせまられて切り開くのとは違う

・西洋の見方考え方

・「学(知として重要な意味を持つ営み)」として高い位置に置いた

・医学は、数学や天文学と並ぶ学問とされた

 

「はじめ」が「この話するよ」、「おわり」が「それってこうだよね」なので、この段落(「はじめ」の傍線部)は「おわり」に出てきた「医学のものの見方考え方」とイコールです。

 

そして、この「医学」の話題は形式段落8にも続いています。

古代ギリシア、ローマにすでに始まっていた

・そのときそのときに病人に対処する「治療」に主眼を置くのではない

・人間一般についてのある方向からの知的探究と認識の学

・すんなりと成長して現代医科学的なものの見方考え方に至っているわけでもない

・途上で宗教的なものの見方考え方が立ちはだかった

 

これらを確認した上で、選択肢を見ます。

ア…直接述べられてはいませんが、先に「治療(解剖)」があって、そこに「知としての重要な意味を持つ営み」という意味づけをしたという順ではあります。ですから「絶対に違う」とは言えません。ここでは保留にしておきましょう。

イ…形式段落7の「おわり」に「術」は出てきますが、これを探求したとは述べられていませんし、それが「現在に自然につながった」とは述べられていません(形式段落8)。

ウ…治療に主眼を置くのではないのでした。

エ…形式段落8では「すんなりと成長して至っているわけでもない」とあります。これは、最終的には「至っている」ということですから「至るものではない」は違います。

オ…宗教的な考え方は「立ちはだかった」のであって、「促した」わけではありません。

イ~オは「絶対に」違います。

ということで、「絶対に違う」とは言えないアが答えとなります。

正答は導けますが、イマイチな設問のような気がしますね…

 


問4 内容説明

「どのように○○になったのか」と問われています。

答え方の基本は「………ように○○になった。」としたいところですが、字数制限が厳しい設問です。

 

設問は「西洋医学がどのように人間一般の学問になったのか」を問うています。

つまり、西洋医学は、もともと人間一般の学問ではなかったということです。

 

では、傍線部を含む一文で「西洋医学」について確認します。

西洋医学とは

古代ギリシア、ローマにすでに始まっていた

・人間一般についてのある方向からの知的探求と認識の学としての医学

・すんなりと成長して現代医科学的なものの見方考え方に至っているというわけでもない(最終的には至っている)

ですね。

つまり、次のような流れになります。

古代ギリシア、ローマ→人間一般についての医学→現代医科学的なものの見方考え方

 

今回の設問は、「古代ギリシア、ローマにすでに始まっていた」西洋医学が、どのようにして「人間一般についての医学」になったのか、この2つの間にはいったい何があったのか、ということを問うています。

 

古代ギリシア、ローマ」での医学とは、形式段落5で述べられていたものです。

古代ローマは「解剖学」でしたね。

 

そして、単に「解剖」としての治療が、なぜ「人間一般についての医学」になったのかというと、形式段落7に述べられているような変化が起きたからです。

 

すなわち、「必要に迫られて人体を切り開いていた=単なる解剖としての治療」が「知的に重要なこととして認識された、『学(知として重要な意味を持つ営み)』として高い位置に置かれるようになった」から、「人間一般についての医学」になったと考えられます。

 

これをまとめていきましょう。

形式段落7の「はじめ」と「おわり」の部分を使いましょう(同じことが若干異なる表現で述べられています)。

人間の身体を開けて、その内部構造をみていくということを、単なる「術」ではなく知として重要な意味を持つ営み、すなわち「学」として、高い位置に置いたことによって、人間一般の医学になった。(91字)

40字以内にしていきますが、ちょっと大変です。

はじめに書いたように、今回の答え方の基本は「………ように(によって)○○になった。」ですからね。

ここの部分は外さないようにします。

人間の身体の内部構造を見ることを、知として重要な意味を持つ営みと考えたことにより人間一般の医学になった。(52字)

まだまだですね。

人間の身体の内部構造を見ることを知的に重要だと認識し、人間一般の医学になった。(39字)

これでキレイにまとまりました。

 

ちなみに…形式段落8の「おわり」から始まる「宗教的なものの見方考え方」や「心」についてを解答とした方がいるかもしれません。

ここの部分は

古代ギリシア、ローマ→人間一般についての医学→現代医科学的なものの見方考え方

この流れの後半(人間一般についての医学→現代医科学的なものの見方考え方)の間にあるものですから、今回の解答にはなりませんよ。

 


問5 内容説明

形式段落9ではじめて「心」について述べられます。

形式段落9「おわり」に「問題は、古くから、『心』はどこにあるのか、という問題の立て方で、論じられてきた」とあります。

形式段落10でコレがつながっていきます

そして、それが設問の解答です。

形式段落10の内容を読み取れば、解けるということです。

はじめ…問題(「心」はどこにあるのか)が、そういう問題の立て方で論じられてきたのは不思議でない

なか…生きている身体と死体は身体そのものとしては基本的に変わらないから、生きている身体にはその「生」の「生」たるゆえんのものが目に見えないものとして「宿って」いるという説明はたいていのひとが考えそう

おわり…したがって、たいていのひとの同感する、説明であろうからである

「心」はどこにあるのかという問題は、「なか」で述べられたような理由で、たいていのひとが同感するだろうから論じられてきたわけですね。

この「なか」をまとめると、設問の解答になります。

 

設問は「どのような考えから提起されたのか」となっていますから、「~考え。」とまとめます。

生きている身体にはその「生」の「生」たるゆえんのものが目に見えないものとして「宿って」いるという考え。(51字)

「心」の問題につながる考えですから「目に見えない」は削らない方がいいでしょう。

「心」って目に見えないものですよね。

また、「生」「宿って」にはカギ括弧がついています。

これは筆者はわざわざつけているわけです(意味がある)から、外してはいけません

生きている身体には「生」たるゆえんの目に見えないものが「宿って」いるという考え。(40字)

本文のことばと使うとこうなりますね。

これをもう少し格好良くすると次のようになります。

生きている身体には、「生」たらしめる目に見えない何かが「宿って」いるという考え。(40字)


以上が第3問の解説です。


内容をしっかりと読み取れているかを、文脈方向から空欄補充問題として、説明問題として選択問題や記述問題で問うています。

 

第1問の語彙力と合わせて、長野大学のオーソドックスな形と言えるでしょう。

中期日程の過去問だけでなく、推薦の過去問もまったく同じ傾向です。

対策としてどちらにも取り組むのがいいでしょう。


とはいえ、私が紹介している「文章の読み方」を知っていれば、空欄補充問題も記述問題もできますね。

「文章の読み方」は知っているかどうかです。

それほど時間はかかりませんので、読んでみてくださいね。

しつこいと思いますが、リンクをはっておきます。

kinkoshin.hatenablog.com

 

頑張ってください。

 

では、これで終わります。


他の年度や国語の勉強の仕方はこちらからご覧ください。

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長野大学_国語_2023(令和5)年度_一般選抜中期日程_第1問・第2問

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問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

長野大学のサイトで過去の入試問題をダウンロードすることができますので、ご準備をお願いします。

www.nagano.ac.jp

   

では、始めます。

 

はじめに解答をお示しし、その後解説をお伝えします。

 

[解答]

 

1 語句

 

問1

(1)⑤  (2)⑤  (3)①  (4)③

 

問2

(1)③  (2)②  (3)④ 

 

問3

(1)②  (2)③  (3)②

 

2 森博嗣『自分探しと楽しさについて』

 

問1 

自分が求めている生き方が分からず、じっくりと考えている状態。(30字)

 

問2

 

問3

A…イ

B…エ

C…ウ

 

問4

 

問5

自分の生き方のヒントになるようなものや、自分の背中を押してくれるような言葉。(38字)

 

[解説]

 

1 語句

 

問1 語句の意味

幅広く語句の意味が問われます。

市販の現代文単語帳や語句の問題集を1冊仕上げましょう。

幅広い語句が問われるため、いわゆる評論語だけではなく四字熟語や故事成語、慣用句、カタカナ語なども収録されているものをオススメします。

また、教科書や問題集、模試、日常生活などでわからない言葉が出てきたら、その都度調べることを習慣としましょう

 

問2 語句

問1の逆パターンで、意味から語句を選ぶことが問われます。
対策は問1と変わりません。

なお、カタカナ語を幅広く収録しているものはなかなかありません。

Quizletというアプリで「カタカナ語カード」を作成してあるので活用してみてください。

Quizletや、その使い方については次のリンクからどうぞ!

kinkoshin.hatenablog.com

 

問3 語句の用例

語句の正しい使い方を答える問題です。

慣用的な使い方を意識しましょう。

たとえば、(1)④の「機微に富んだ」は正しくは「機知に富む」という慣用表現です。

基本的な対策は問1と変わりません。

 


2 森博嗣『自分探しと楽しさについて』

 

形式段落での説明になります。

1~10まで形式段落に番号を振ってください。

 

問1 内容説明

傍線部は本文・形式段落1の「はじめ」にありますので、この形式段落か、ここから始まる意味段落か、本文全体で説明がされていくと考えます。

つまり、傍線部付近で答えることができるかもしれないし、最後でまとめられるかもしれません。

そのような意識で読んでいきます。

 

形式段落1

はじめ…「自分を探す」というのは、奇妙な言葉だ。

おわり…目的と種皮王がちゃらんぽらんな感じがして、非常に不思議だ。

ここでは、「自分を探す」のがどのような状態かは述べられておらず、「奇妙」なことの説明で終わっています。

 

形式段落2

はじめ…ようするに、じっくりと考える時間が欲しい、というだけのことかもしれない。

おわり…そういう能力(海外の田舎とかで自分が求めている生き方が見つかると信じる想像能力)のある人は、自分を見つけられるだろう。

形式段落1をうけて「ようするに」で始まっています。

「ようするに」は、まとめをあらわすことばです(「つまり」などと同じ)。
てことは、「イコール」ですね。

形式段落1で述べた「自分を探す」ことをまとめてくれていると分かります。

 

「自分を探す」状態とは

じっくりと考える時間が欲しい

状態だと判断できます。

 

では、「何」を考えるのでしょうか。

それを明確にするために、形式段落3を見ます。

 

形式段落3

はじめ…簡単にいえば、自分が何を欲しがっているのかがわからない、という状態かもしれない。

おわり…他者の生き方を観察し、誰かの真似をしようとすると、必ず無理が生じる。

形式段落2をうけて「簡単に言えば」で始まっています。

当然、「イコール」ですね。

 

「自分を探す」状態とは

自分が何を欲しがっているのかがわからない、という状態

だと判断できます。

 

てことは、形式段落2で保留になっていた、考える「何か」は「自分が欲しがっているもの」となるでしょう。

つまり、「自分を探す」状態とは

自分が欲しがっているものがわからず、それをじっくりと考える時間が欲しい状態

と言えそうです。

 

では、「自分が欲しがっているもの」とは何でしょうか。

形式段落3の「はじめ」は形式段落2の「おわり」から繋がっています。

すると、「自分が欲しがっている何か」が具体的に述べられていることが分かるはずです。
そう、「自分が求めている生き方」ですね。

これを書いてあげます。

自分が求めている生き方がわからず、それをじっくりと考える時間が欲しい状態。(37字)

これを30字以内にしてあげます。

「時間が欲しい」とありますが、形式段落2や3、次の4から分かるように、実際に考えているわけですから「時間が欲しい」はカットしてしまいしょう。

自分が求めている生き方が分からず、じっくりと考えている状態。(30字)

 


問2 理由説明

傍線部は形式段落3の「おわり」にあります

しかも、「つまり」で始まっています

形式段落3の「まとめ(こういうことだよ)」の部分だと分かります。

 

ということで、形式段落3の「なか」に説明があると考えます。

逆接の「ところが」がありますから、その後に注目しましょう。

自分の生き方はどこにもない。似たようなものはあっても、自分にマッチするかは分からない。

つまり、自分と他者は違うから傍線部だと述べているわけですね。

てことで、答えはウです。

 

ちなみに、エやオは形式段落4、5の内容です。

形式段落3とこれらの関係は分かっていますか?(超大事ですよ!)

 

形式段落3の「おわり(傍線部)」の具体例(無理が生じている)です。

ここは傍線部と「イコール」の関係なんですね。

だから、理由ではありません。

 


問3 空欄補充

空欄補充問題は、前後の文脈から判断することが鉄則です。

では、各空欄を見ていきましょう。

 

万能薬はない→どんなに(空欄)が認められている方法「であっても」→人間の場合、効く場合もあれば効かない場合もある

という流れです。

 

ポイントは「であっても」です。

これは逆接ですね。

 

「効いたり効かなかったり」の逆の内容になるように空欄にことばを入れます。

「効いたり効かなかったり」の逆ということは、「必ず効く」もしくは「必ず効かない」となるでしょう。

「万能薬はない」という流れですから、「必ず効く」というような内容が入りますね。

「有効性」です。


情報を広く集めて(空欄)として解説→こういう全体傾向があると示し「ても」→ある一人に効き目がなければ価値はない

という流れです。

 

情報を広く集める空欄全体傾向

ということが分かります。

 

さらに、逆接の「ても」があります

「ある一人に効くかどうか」の逆の内容になるように空欄にことばを入れます。

「ある一人」ではなく「皆・全体」という内容が入りそうです。

「一般論」しかありませんね。

 

ちなみに「一般」の対義語は「特殊」です。


そういう人は…言葉を見つけようとしている。→自覚はないかもしれない「が」→(空欄)にそう見える。

という流れです。

 

これまた逆接の「が」がありますね。

 

「自覚がないかもしれない」つまり、そういう人には「そういう意識、気持ち、考え」がないと言っている訳です。

これと逆の内容のことばを入れます。

「客観」がありますね。

さきほどの「そういう意識、気持ち、考え」は「主観」と言えます。

 

今回はA~Cすべて、「逆接」がポイントになっていました。

こんなことは珍しいですが、「逆接」を意識することは大切だということが分かったのではないでしょうか。

 


問4 空欄補充

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

空欄は形式段落10の「はじめ」にあります。

また、本文全体の「おわり」にあるとも言えます。

 

この両面から考えていきましょう。

 

形式段落10の「はじめ」にあるので、形式段落9をうけています。

 

形式段落9は「たとえば」で始まっていることから分かるように具体例です。

では、何の具体例なのでしょうか。

それは、形式段落8の「おわり」の「そういう人は…言葉を見つけようとしている」です。

つまり、「『自分探し』のヒントや言葉を見つけようとしている」ことの具体例をうけて、「結局のところ」とつながっています。

「結局のところ」は「イコール」ですから、「『自分探し』のヒントや言葉を見つけようとしている」ことと同じことを述べようとしていることが分かります。

 

また、空欄は主語になっています。

「は」の後は

背中を誰かに叩いてもらいたい、という気持ちから生じる

です。

これは先ほどの「『自分探し』のヒントや言葉を見つけようとしている」の後半と同じですね。

てことは、空欄には「自分探し」が入ると判断できます。


次に、空欄が本文全体の「おわり」にあるという方向で考えてみます。

 

本文の「はじめ」は「自分を探す」の説明から始まっていました。

この文章は「自分を探すこと」について述べてきたわけです。

ということは、「おわり」では「自分を探すっていうのは、こういうことだよね」となっていると考えられます。

 

こちらからも、形式段落10の「はじめ」にある主語が「自分探し」になるのではないかと分かります。

 

では、選択肢を見てみましょう。

ずばっと「自分探し」があればいいのですが、どうやら具体的なことが書かれているようです。

この中で「自分探し」になっているのは、どれか探します。

アですね。

 

もしかすると、ウを選んでしまったかもしれません。

これは「普段の生活とはまったく違うことを体験して自分を探す」が違います。

違うことを体験することが、「自分を探す」ことだとは述べられていません。

 


問5 内容説明

傍線部は形式段落8の「はじめ」にあります

ということは、これの説明が「なか」にあるはずです。

確認すると

そういう人は、大きく期待はしていないものの、少しでもヒントになるようなもの、あるいは、自分に勢いをつけてくれる言葉を見つけようとしている

が見つかります。

これが多くの人が求めているものでしょう。

 

短くすると

ヒントになるようなもの、自分に勢いをつけてくれる言葉。(27字)

 

「ヒントになる」とありますが、「何」の「ヒント」なのでしょうか。

本文を読み、問1などを考えてきたならば分かりますね。

「自分の生き方のヒント」です。

入れてあげます。

自分の生き方のヒントになるようなもの、自分に勢いをつけてくれる言葉。(34字)

 

これでもいいかもしれませんが、後半がイマイチよく分かりませんね。

もっといい表現にしてあげましょう。

ここの部分(形式段落8の「おわり」)をうけて、形式段落9に具体例が述べられていました。

そこには、次のような表現があります。

ぽんと背中を叩かれる

自分を叩いてくれた

また、これをまとめた形式段落10の「はじめ」にも似たような表現があります。

背中を誰かに叩いてもらいたい

これらから、「自分に勢いをつけてくれる=自分の背中を叩いてくれる」だと分かります。

慣用表現的には「背中を押す(押してもらう)」の方が「自分に勢いをつけてくれる」に合いますので、そちらを使ってまとめましょう。

自分の生き方のヒントになるようなものや、自分の背中を押してくれるような言葉。(38字)

 


以上が第1問、第2問の解説です。


第1問、第2問ともに語彙力が求められていることが分かったと思います。

語句の参考書や先ほど紹介したQuizletなどでの学習は必須です。

 

また、私が紹介している「文章の読み方」を知っていれば、空欄補充問題も記述問題もできることも分かったのではないでしょうか。

「文章の読み方」は知っているかどうかです。

それほど時間はかかりませんので、読んでみてくださいね。

しつこいですが、リンクをはっておきます。

kinkoshin.hatenablog.com

 

長野大学の入試問題は漢字などの語句の問題に始まり、文脈から解ける空欄補充、基本的な読解力、表現力などを問うてきます。

それは、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜で同じ傾向です

自分が受験する選抜区分だけでなく、他の過去問もやってみることをオススメします。

2023年度の学校推薦型で語句の問題として出題された「サブスクリプション」は、2021年度の中期日程で語句問題の選択肢として登場していました。

どう考えても、過去問はすべてやったほうがいいですよね。

 

頑張ってください。

 

では、これで終わります。


他の年度や国語の勉強の仕方はこちらからご覧ください。

kinkoshin.hatenablog.com

 


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長野大学_国語_2023(令和5)年度_学校推薦型選抜(推薦入試)_第2問

こんにちは。きんこです。

 

長野大学2023年度(令和5年度)学校推薦型選抜(推薦入試)の国語第2問の解答解説です。

 

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このブログの「文章の読み方」などをどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、それらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧

になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

kinkoshin.hatenablog.com

 

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この読み方、解き方を徹底することで入試問題を解けるようになるでしょう。

ぜひ身につけてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

長野大学のホームページで過去の入試問題をダウンロードすることができますので、ご準備をお願いします。

www.nagano.ac.jp

   


はじめに解答をお示しし、その後解説をお伝えします。

 

では、始めます。

 

[解答]

 

2 小塚荘一郎『AIの時代と法』より

 

問1 

(1)イ  (2)エ 

 

問2 

1…②

2…③

3…①

4…②

 

問3 

 

問4

ア、イ、エ

 

問5

製造物責任法が適用される「製造物」は有体物であり、ソフトウェアは含まれないから。(40字)

②一定水準までのバグや不具合があっても、製造物責任法の「欠陥」には当たらないから。(40字)


[解説]

 

形式段落での説明になります。

1~6まで形式段落に番号を振ってください。


問1 語句の意味

推薦入試で語句の意味が問われたのは初めてです。

中期日程では必ず問われていますが…。

これが加わったことで漢字の読み書きの問題が減少したのかもしれません。

 

問われている語句は特別難しいわけではありませんが、サブスクリプションなどのカタカナ語は頻出です。

カタカナ語の学習はなかなかできないと思うので(適当な問題集などが少ない)、私のQuizletを使ってみてください。

また、日常で何気なく使われているカタカナ語を調べる習慣をつけることをオススメします。

今回問題になったサブスクリプション(サブスク)はその典型です。

長野大学中期日程の過去問を解くのもオススメです。2021年度入試でサブスクリプションが選択肢にありましたよ。

 

kinkoshin.hatenablog.com

 

 

問2 空欄補充

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

直前の「ソフトウェアは動産にはならない」から続いていることを確認します。

空欄を含む一文は「(空欄)は…物理的な形のあるものに限られているからである」となっていますから、直前の内容(ソフトウェアは動産にならない)の理由です。

「動産」の説明箇所だと判断できます。

 

上記の続きで「したがって、(空欄)は製造物ではない」となっていることを確認します。

ソフトウェアは動産にはならない。動産は…からだ。したがって、(空欄)は製造物ではない」という流れですから、「ソフトウェア」が入ると容易に判断できます。

 

これが最も難しいかもしれません。

空欄が「 」で囲まれていて、本文において「 」で囲まれているのは「製造物」だけだという判断でも正答にはなるのですが…。

 

空欄補充はあくまで文脈で考えることが基本です。

 

空欄は形式段落4の「なか」にあります。

形式段落のつくりを見てみましょう。

はじめ…ソフトウェアが動産に組み込まれている場合、動産は「製造物」になる。

なか(空欄の部分)…ソフトウェアが「(空欄)」にあたるかどうか不明瞭だ。

おわり…「製造物」にはソフトウェアも含むという解釈の余地があるのであろう。

「ソフトウェア」と「製造物」の関係について述べている形式段落であると分かります。

この流れを読み取って「製造物」を選択できると、相当な国語力があると判断できそうです。

 

この問題がなぜ難しいかというと、直前直後だけでなく形式段落全体を見る必要があるからです。

空欄補充の問題を解く際には、まず「直前直後の文脈」から考えてみて、それだけでは判断がつかない場合、「形式段落のつくり」から考えてみましょう。

 

空欄を含む一文を次のように簡単にすると何が入るか容易に判断できます。

(空欄)を有体物に限定しない考え方をとっているため、「製造物」にはソフトウェアも含む。

「動産」しか入りませんね。

 


問3 内容説明

バグに関して述べられている箇所は形式段落5と6です。

 

形式段落5

・バグや不具合が時間の経過とともに発見され、アップデートで改善されるというソフトウェアの特性
・一定水準までのバグがあっても「通常」の安全性は害されていないという解釈になる

形式段落6

・バグが後から発見されたならば、不具合を修正するプログラムをすぐに配布することを前提にしている(事後的に、適切な対応がタイムリーにとられるかどうかがユーザーにとって重要)

まとめると

引き渡しの時点では一定水準までのバグがあっても「通常」の安全性は害されていないという解釈になり、バグや不具合が時間の経過とともに発見された場合、不具合を修正するプログラムをすぐに配布することを前提にしている(事後的に、適切な対応がタイムリーにとられるかどうかがユーザーにとって重要である)。

となるでしょう。

 

以上を踏まえると、アが適切だと判断できます。

ちなみに他の選択肢は

イ…形式段落6に「なかなか対処できない」とあります。

ウ…形式段落6に「事後的に、適切な対応がタイムリーにとられるかどうかがユーザーにとって重要」とあります。

エ…「バグが軽微かどうかによって民法にもとづくことになる」とは本文では述べられていません。

 


問4 内容合致

各選択肢を本文と照らし合わせて判断するしかありません。

この手の問題はどうしても時間がかかってしまいますが、根気よく確認しましょう。

 

ア…形式段落4の「はじめ」の内容です。

イ…前半は形式段落3の「なか~おわり」の内容、後半は形式段落4の「おわり」の内容です。

ウ…問3のイでも確認したように形式段落6の「なか」に「なかなか対処できない」とあります。

エ…問3で確認したように形式段落6の「はじめ」の内容です。

オ…形式段落3の「なか」に「日本の法律では、ソフトウェアは動産にはならない」とあります。

 


問5 理由説明

問題1問6の記述問題では「文中のことばを用い」とありましたが、この設問にはその指示がありません。

ということは、必ずしも文中のことばを使う必要がないわけです。

問題1との差別化を図って、このような出題をしたと考えると「なるべく自分のことばで答えてみてね」という出題者のねらいが見えてきます。

事実、本文中のことばだけで40字におさめるのは困難です。

まずは本文中のことばで解答を作成し、それを40字に縮める際に「自分のことば」で表現してみましょう。

 

1つめの理由

形式段落4の「はじめ」に「すると、ソフトウェアが原因で損害が発生しても、製造物責任の問題にはならないことになる」とありますから、「すると」の直前の内容が理由の1つめとなります。

ということで、形式段落3に書かれていることをまとめるとこうなります。

製造物責任法は、製造物に欠陥があって、そのために損害が発生した場合に、損害賠償責任を負う。製造物責任法にいう「製造物」は「製造又は加工された動産」を意味する。しかし、日本の法律では動産は有体物に限られるため、ソフトウェアは製造物ではない。

これが理由の1つめですね。

これを40字以内にまとめる必要があるわけです。

設問は「ソフトウェアに不具合があっても製造物責任法では問題にならないのはなぜか」ですから、それに合った答え方にします。

その際、次の内容は入れる必要があるでしょう。

製造物責任法にいう「製造物」とは有体物である

・ソフトウェアは有体物ではないから製造物ではない

以上の内容が含まれるように「自分のことば」で表現します。

というか、本文中のことばだけではまとめることが困難です。

こんな感じでどうでしょうか。

製造物責任法が適用される「製造物」は有体物であり、ソフトウェアは含まれないから。(40字)

 

2つめの理由

形式段落6の「なか」に「これは製造物の引き渡しよりも後の時点の問題なので、製造物責任法の『欠陥』概念ではなかなか対処できない」とありますから、ここの前半部分が理由の2つめとなります(「ので」がありますね)。

単に「製造物の引き渡しよりも後の時点の問題だから」では意味が分かりません。

 

「これ製造物の引き渡しよりも後の時点の問題」なので、「これ」の指す内容を確認します。

指示語の内容は直前ですね。

ソフトウェアの場合、事後的に、適切な対応がタイムリーにとられるかどうかが重要

でも、これも「理由」としては適当ではありませんね。

だって、設問で問われているのは「ソフトウェアに不具合があっても製造物責任法では問題にならないのはなぜか」ですからね。

 

「ソフトウェアの場合…」の直前に「つまり」があります。

「つまり」は「イコール」なので、さらに前を見ましょう。

このような考え方は、バグが後から発見されたならば、不具合を修正するプログラムをすぐに配布することを前提にしている

う~ん、これも設問への答えにはならなさそうです。

バグが後から発見されたならば、不具合を修正するプログラムをすぐに配布することを前提にしているから、(ソフトウェアに不具合があっても製造物責任法では問題にならない)

これでは、なんで製造物責任法で問題にならないかさっぱり分かりません。

 

てことで、次は「このような考え方」の内容を確認します。

だって、これも「は」があるから「イコール」です。

 

指示語の指す内容は基本的に直前なので「このような考え方」の指す内容は、形式段落5の「おわり」です。

製造物責任法では「欠陥」を「通常有すべき安全を欠いていること」と定義しているので、一定水準までのバグがあっても「通常」の安全性は害されていないという解釈

ここまでさかのぼってくると、設問の理由になりそうです。

製造物責任法では「欠陥」を「通常有すべき安全を欠いていること」と定義しているので、一定水準までのバグがあっても「通常」の安全性は害されていないという解釈になるので、(ソフトウェアに不具合があっても製造物責任法では問題にならない)

これを「自分のことば」で40字にしてみましょう。

一定水準までのバグや不具合があっても、製造物責任法の「欠陥」には当たらないから。(40字)

 

記述問題は基本的に「本文中のことば」で答えを作成することから始めます。

ただ、今回のように指定字数におさめるために「自分のことば」で表現する場合があると覚えておきましょう。

間違っても、すべてを「自分のことば」で答えるわけではありません。

解答で使うべき語句(キーワード)は本文中にあるのが基本です。

「自分のことば」とは本文中にあるキーワードを使って、意味を変えずに文章化するということです。

このことを忘れてはいけませんよ。

 


以上が第2問の解説です。

 

長野大学が公立化してから数年経ち、入試問題もある程度傾向が決まってきたようです。

文章を正しく読み内容説明ができること(選択・記述)、文脈を判断できること(空欄補充)、語彙力があること(漢字・語句の意味)の3点が問われています。

これまでは中期日程で問われていた「語句の意味」が出題されたことからも、語彙力を求めていることが分かります。

また、2021年度まで問われていた「自分の意見(考え、推測)を根拠を持って述べることができること」を問う設問は2年連続で出題されていません。

とはいえ、再び出題されることもあるかもしれませんから、こちらは総合型選抜対策にもなる小論文の練習をするといいでしょう。

 

こう考えると、推薦入試の過去問をやるだけではなく、総合型選抜や中期日程の過去問をやることも重要な対策となりそうです。

 

文章を正しく読む力が試される設問に関しては、私のブログにある「文章の読み方」を意識していれば解くことができます。

大事なのは、常に同じ読み方をしてみることです。

そのためには、一度取り組んだ問題を復習し、このブログで説明したような流れで考えることができるかを試すといいでしょう。

 

長野大学の入試問題は漢字などの語句の問題に始まり、文脈から解ける空欄補充、基本的な読解力、表現力などを問うてきます。

特別な力などではなく「基本的な国語力」を試す問題と言えます。

この問題を解けるようになることは、皆さんの人生においてプラスの何かをもたらしてくれるでしょう。
「入試問題」だからやるのではなく、自分の力を高めるためにも取り組んでもらいたいと思います。

頑張ってくださいね。

 

では、これで終わります。


他の年度や国語の勉強の仕方はこちらからご覧ください。

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長野大学_国語_2023(令和5)年度_学校推薦型選抜(推薦入試)_第1問

こんにちは。きんこです。

 

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そのため、それらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

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この読み方、解き方を徹底することで入試問題を解けるようになるでしょう。

ぜひ身につけてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

長野大学のホームページで過去の入試問題をダウンロードすることができますので、ご準備をお願いします。

www.nagano.ac.jp

   


はじめに解答をお示しし、その後解説をお伝えします。

 

では、始めます。

 

[解答]

 

1 山竹信二『「本当の自分」の現象学』より

 

問1 

(1)鍛  (2)培  (3)執着

 

問2

 

1…オ

2…カ

3…ウ

 

問3 

 

問4

 

問5

 

問6


安楽への欲望と自我の欲望に対して、納得できるほうを選択した後に考えられる自分。(39字)


[解説]

 

形式段落での説明になります。

1~9まで形式段落に番号を振ってください。


問1 漢字(書き取り)

 

漢字自体は難しくありません。漢字検定2級まで取得していればまったく問題ありません(準2級でも大丈夫そうです)。

今回は「鍛」が3級、「培」が準2級、「執」が4級の漢字です。

 

2023年度は第2問で漢字の出題がないので、この3問だけとなっています。

ただ、2022年度は18問、2021年度は10問、2020年度は12問、2019年度は10問でした。

漢字学習は必須です。

 


問2 空欄補充

 

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

 

迷いが生じる。(空欄)、~からだ。」という流れです。

 

空欄には「理由」を表す語句が入ると考えられますね。

選択肢には「なぜなら」のような理由をズバッと示すものはありませんので、他の選択肢を当てはめてみます。

すると、「それは~だからだ」という表現が見つかります。

これも「理由」を示す表現です。

「それ」は直前の内容ですから、「迷いが生じるのは、~からだ」となるわけです。

 

ちなみに、形式段落6の2文目にもこの表現があります。

 

 

形式段落2の「はじめ」が空欄になっていますから、形式段落1と2の関係を示す語句が入ります。

 

形式段落1は「私たちは自らの行為を選択するとき、人間の欲望は動物のように単一ではないから迷いが生じる」という内容です。

形式段落2は「食べる」という行為を選択するときの動物と人間の例です。

 

形式段落1の「行為の選択」の例として、形式段落2で「食べる」を挙げているわけです。

「例」を示す語句が入るので「たとえば」ですね。

 

 

形式段落3の「はじめ」が空欄になっていますから、形式段落2と3の関係を示す語句が入ります。

 

形式段落2は、「おわり」から「人間は複数の欲望の間で葛藤する」です。

形式段落3は、「はじめ」から「葛藤があるのは、人間が自由な存在であることを示す」です。

 

形式段落2は「マイナス」であり、形式段落3は「プラス」です。

逆接を示す「しかし」が入りますね。

 


問3 理由説明

 

傍線部は形式段落5の「はじめ」にありますから、この段落でその理由が述べられていると考えます。

 

「おわり」を見ると、「そのことが自己了解できたから、私は納得して自由な選択をした」とあります。

ここでの「自由な選択」とは「辞めなかった」ことですから、その理由は「そのことが自己了解できたから」となります。

 

「そのこと」の指す内容は直前の「相反する欲望はどちらも自分の欲望で、どちらか一方だけが『本当の自分』ではないこと」です。

 

ここまで読み取って選択肢を確認するとエだと分かります。

 

なお、イを選んでしまったという方が多いかもしれません。

この内容は形式段落5の「なか」の内容ですからね。

ただし、これはよく読むと「一度決めたことを貫く人間が私の理想像だったので、…屈辱的なことだった」となっているので、ここは「屈辱的なことだった」理由だと分かります。

なぜ「屈辱的」だったかというと、選択肢イだというわけです。

 

傍線部の直後に「~ので」とあっても、それが傍線部の理由かどうかをしっかりと確認しましょう。

 


問4 内容説明

 

傍線部を含む一文を確認します。

 

ポイントは3つです。

①形式段落の「はじめ」にある

②これ=傍線部

③「も」がある

 

形式段落の「はじめ」にあるということは、前の形式段落の内容を受けているということです。

形式段落6は「人間の欲望」についての内容です。

人間の欲望は「複数の欲望(相反する欲望)に分裂し葛藤を引き起こしている」ことを読み取ります(形式段落6の「はじめ」と「おわり」がこの内容になっていますね)。

また、傍線部の内容について形式段落7で述べられていくことも分かります。

 

「これ」は直前の内容、つまり形式段落6です。①で確認した内容です。

 

「も」は要注意の助詞です

これは何かと何かが同じだということであり、もう一方の内容はすでに述べられているものです。

 

「『本当の自分』の確信」は何と同じなのかを考える必要があります。

①~③を確認すれば

これ(①の内容)は、「本当の自分」の確信「も」同じだ。

から

これ(①の内容)=「本当の自分」の確信

と分かります。

 

つまり、「人間の欲望について=本当の自分の確信」なわけです。

 

設問では「本当の欲望」と「本当の自分」との関係を問われており、イコールの関係だと分かります。

 

では、どのように同じかというと①で確認した「欲望」のように同じなわけです。

複数の欲望(相反する欲望)に分裂し葛藤を引き起こしている

 

また、傍線部は形式段落7の「はじめ」にあります。

形式段落7で傍線部の説明がされていくはずだという意識で読み進めていくと、「本当の自分」にも相反するものがあるという内容だと分かります。

「人間の欲望」も「本当の自分」も相反するものがあり、そのせいで葛藤がある。

ここまで読み取れば、選択肢アだと分かります。

 

なお、選択肢ウを選んでしまった人が多いかもしれません。

使われている語句は形式段落6、7のものですから。

しかし、これは順番が違います。

複数の欲望・本当の自分に分裂しているから、そこに葛藤が生まれる」という順なのに、選択肢では「葛藤が生まれ、分裂している」という順になっています。

 

このように、本文中の語句が使われているけれども、その順序や因果関係が逆になっているという「ひっかけ選択肢」に注意しましょう

 


問5 空欄補充

 

空欄補充の問題は、前後の文脈を確認して考えます。

 

今回は空欄の直前に「という」があります。

「という」を含め、「修飾部と被修飾部」は「イコール」の関係でした。

空欄には、「自らの意志で行為を選び取る」と「イコール」の内容が入ると分かります。

これだけで選択肢イだと分かります。

「自らの意志で選択する」というのは「自由に選択する」ということですからね。

 

ちなみに、もう1つの考え方も示しておきます。

空欄の直後に「それこそが自己了解によって得られるものだ」とあります。

「それ」の指す内容が空欄ですから、「空欄=自己了解によって得られるもの」です。

この「自己了解によって得られるもの」が何かを本文から読み取ってみます。

 

すると、形式段落5の「おわり」に着目できます。

自己了解できたからこそ、私は自由な選択をした」の部分です。

自己了解によって、自由な選択を得ることができたわけです。

(形式段落5は「欲望」の話題で、空欄部分は「本当の自分」の話題ですが、問4で確認したように、この2つは同じものだと考えることができます)

 

自己了解によって得られるもの=自由な選択

 

こちらの考え方からも選択肢イだと分かります。

 


問6 内容説明

 

傍線部を含む一文から

「本当の自分」=事後的に想定された自己像

だと分かります。

 

つまり、この設問は「本当の自分」とはどのようなものかが問われているイコール問題です。

 

まずは傍線部を言い換えてみます

事後的に想定された自己像=何かが終わった後に考えられる自分

です。

 

「何」が終わった後の自分かを読み取ればイケそうです。

 

傍線部は形式段落9の「はじめ」にありますから、形式段落8の内容を受けています。

 

形式段落8「はじめ」は「相反する自分の欲望に気づくと、どちらが『本当の自分』の欲望か混乱する」であり、

「おわり」は「分裂した(相反した)欲望に気づけば、どちらを優先すべきかを考えることができる」です。

 

さらに、形式段落9の「なか」(「はじめ」の説明部分)に注目する

重要なのは、どの欲望に準じた行為を選択すれば納得できるのか

が、「本当の自分」にとって重要なことを述べていると分かります。

 

「本当の自分」とは

事後的に想定された自己像=何かが終わった後に考えられる自分

と言い換えましたから、この「何」とは

・分裂した欲望に気づけば、どちらの欲望を優先すべきかを考えることができる

・どの欲望に準じた行為を選択すれば納得できるか 

から、「分裂した欲望に気づき、それに対して納得できるほうを選択すること」だと考えられます。

 

これを「何」のところに差し込み、

分裂した欲望に気づき、どちらの欲望を優先すべきかを考え、納得できるほうを選択した後に考えられる自分

だと言えます。

 

では、この「分裂した欲望」とは何でしょうか。

これは形式段落6の「なか」で述べられています。

「安楽への欲望」と「自我の欲望」

 

これを先ほどの「分裂した欲望」のところに差し込みます。

安楽への欲望と自我の欲望に気づき、どちらの欲望を優先すべきかを考え、納得できるほうを選択した後に考えられる自分。(55字)

40字以内という字数制限がありますから、意味が変わらないように削ります。

安楽への欲望と自我の欲望に対して、納得できるほうを選択した後に考えられる自分。(39字)

 

以上が第1問の解説です。

 

長野大学が公立化してから数年経ち、入試問題もある程度傾向が決まってきたようです。

文章を正しく読み内容説明ができること(選択・記述)、文脈を判断できること(空欄補充)、語彙力があること(漢字・語句の意味)の3点が問われています。

 

2021年度まで問われていた「自分の意見(考え、推測)を根拠を持って述べることができること」を問う設問は2年連続で出題されていません。

とはいえ、再び出題されることもあるかもしれませんから、こちらは総合型選抜対策にもなる小論文の練習をするといいでしょう。


文章を正しく読む力が試される設問に関しては、私のブログにある「文章の読み方」を意識していれば解くことができます。

大事なのは、常に同じ読み方をしてみることです。

そのためには、一度取り組んだ問題を復習し、このブログで説明したような流れで考えることができるかを試すといいでしょう。

 

自分の意見を述べる設問に関して学習するのであれば、2021年度以前の過去問や、長野大学の総合型選抜の過去問をやることをオススメします。

私のブログで解説もしているので学習しやすいと思います。

 

先程も書いたように、長野大学の入試問題は漢字などの語句の問題に始まり、文脈から解ける空欄補充、基本的な読解力、表現力などを問うてきます。

特別な力などではなく「基本的な国語力」を試す問題と言えます。

この問題を解けるようになることは、皆さんの人生においてプラスの何かをもたらしてくれるでしょう。

「入試問題」だからやるのではなく、自分の力を高めるためにも取り組んでもらいたいと思います。

 

頑張ってくださいね。

 

では、これで終わります。


他の年度や国語の勉強の仕方はこちらからご覧ください。

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