平成30年度(2018年度)_センター試験_国語第3問(古文)_解説
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今回は、平成30年度(2018年度)センター試験国語第3問(古文)の解説です。
問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。
センター試験の過去問は、市販されている問題集を購入するか、大学入試センターのホームページからダウンロードできます(過去3年分)。
どちらかでご準備をお願いします。
また、センター試験の過去問を効果的に使うための記事がこちらです。
ぜひ読んでみてください。
では、始めましょう。
平成30年度(2018年度)センター試験国語第3問(古文)は『石上私淑言』からの出題でした。
まずは本文に出てきた知っておくべき単語と文法の確認です。
さらっと見てみて「分からない」ものがあれば、Quizletでの学習をしてみましょう。
Quizletについてはこちらの記事をご覧ください。
重要単語
いかなり かみ[上] ことに[殊に] むね[旨・宗] かく よろづ[万] あはれなり いみじ たふ[堪ふ] かたし[難し] わざ[業] ゆゑ[故] されば おほかた[大方] ごとに[毎に] 忍ぶ 色 あながちなり わりなし 見ゆ など わきまへ[弁へ] と かく あらまほし されば かる[離る] なべて かなし[愛し] うし[憂し] つらし[辛し] さるは わたる[渡る] いかにもあれ こよなし さ[然] はかなし かの[彼の] うとし[疎し] まぬかる[免る] のちのよ[後の世] いうなり[優なり] なまめかし はつ[果つ] まれまれ[稀稀] いと 心付き無し 憎し さらに~打消 なつかし しかり[然り]
重要文法
名詞+つ+名詞 にて・して e音+ら・り・る・れ 已然形+ば めり 未然形+ぬ 未然形+ぬ+体言 已然形+ども 未然形+ね+已然形接続の語 にや・にか 同じ動詞にはさまれた「し」 なめり 「と」の上の「む」 知覚動詞・心情動詞+る・らる かし しも・しぞ
では、各設問毎の解説です。
問1 語句の意味
(ア) 「あながちなり」「わりなし」が重要単語です。それで判断できます。
(イ) 「いかにもあれ」を直訳すると「どうのようにもあれ」なので、そのニュアンスで分かってほしいところ。ただ、「已然形、」は逆接のニュアンスを持つということも知っておくとよいですよ(係助詞の用法にある「AこそB(已然形)、C」が「AはBだけれど、C」と逆接になります)。
(ウ) 「さらに~打消」「なつかし」が重要単語です。それで判断できます。
何はなくとも重要単語を覚えることが重要ですね。
問2 文法説明
日頃から品詞分解をしながら(スラッシュを入れながら)文章を読む癖があると簡単です。
あまり時間が無い方でも、頻出の文法事項を覚えておくと対応できることが多いですよ。
今回は
身・に・しむ・ばかり・細やかに・は・あら・ね・ば・に・や
と品詞分解できます。
ここにある頻出の文法事項は以下の通りです。
①「細やかに」は形容動詞「細やかなり」連用形→「に」の識別
②「ね」は打消「ず」已然形→「ぬ・ね」の識別
③「已然形+ば」は「~ので・から、~と・ところ」→「未然形+ば」は仮定
④「にや」は下に「あらむ」が省略されているので「に」は断定「なり」連用形→「に」の識別
以上の識別や助詞の基本用法が分かっていれば問題ないはずです。
不安な人はQuizletに出てくる文法事項を5年分くらいやってみてください。
だいたい網羅されていますよ。
文法事項の暗記事項は少ないため得点源にできますよ。
問3 内容説明
カギ括弧はないけれど「問ひて云はく」の内容が傍線部Aです。
直後に「答へて云はく」とありますから、それに続く内容を確認すればいいですね。
ちょっと長いですが訳すことはそれほど難しくないでしょう。
注目するのは会話文(答えている内容)の「はじめ」と「おわり」です。
(これは現代文における形式段落の読み方などとも同じですね。基本的に日本語というのは「まとめ→説明→まとめ」となっていることが多いのです)
訳すことができればできるということは、訳すことができるかどうかで得点できるかが決まるということです。やはり単語や文法力ですね。
以前までのセンター試験では傍線部の直前直後辺りを訳せば答えが導ける設問が多かったのですが、最近のセンター試験の傾向はある程度広く読まなければいけない(5~6行程度)設問が多くなってきています。
問4 内容説明
カギ括弧はありませんが「答へて云はく」の内容が傍線部Bから始まっています。
会話文のはじめにあるのですから、この後その説明が続くはずですね。
設問から「情」と「欲」と「恋」との説明部分に注目して読んでいきましょう。
「色」という重要単語が「恋愛・色欲」のことか分かるかが非常に大事なポイントです。ここでも単語力が重要になっています。
広い部分をしっかり訳して内容を押さえるしかありませんが、単語力があればいけます。そして、その覚えるべきことは他の科目よりもべらぼうに少ないですよ。
読むべき範囲が広い設問は、設問文や傍線部から注目する部分を見つけましょう。
問5 内容説明
傍線部はありませんが設問に「時代による違い」とあるので、本文の「後の世」という単語が出てくる辺りに注目できます。
また、「後の世」という単語が出てくる部分は傍線部A、Bの設問に関わる本文以後なので、やはりこの部分が問われていると判断できます。
やはり広い部分をしっかり訳して内容を押さえるしかありません。
設問文に注目することも大事だということが、この設問からも分かります。
また、基本的に各設問は本文の別々のところを問うているはずだという意識を持って取り組むことも大事ですね(現代文も同じですね)。
問6 内容説明
傍線部はありませんが設問に「歌や詩」とあるので、本文の「万葉集、詩」という単 語が出てくる辺りに注目できます。
また、これらの単語が出てくる部分は傍線部A、Bの設問、問5に関わる本文以後なので、やはりこの部分が問われていると判断できます。
アドバイスは問4や問5と同じです。
この話から知っておいて欲しい古文常識
古文を習っていて和歌に触れていない方はいないと思います。
センター試験でも本文中に和歌があることが圧倒的に多いです。
ですから、古文における「和歌ってなにか」をお伝えします。
簡単に言うと「何かしら心が動いたときの気持ち」です。
たとえば、とてもうれしいことがあったとき自然と鼻歌を歌ったり「詩」的なものが頭に浮かんだりすることってありますよね?(ここで言う「詩」的なものって高尚なものではなくて自分なりの「ことば」ですよ)
本当に悲しいときにも「詩」的なものが頭に浮かんだりします。
「詩」的とは自分では「すごい」とは思えなくても「ことば」にならない「気持ち」が占めている「おもい」のことです。
それを「57577」の字数でに表現したものが「和歌」だと思ってください。
だとすると、心が動くレベルが高いほど「和歌」って生まれそうではないですか?
では、我々が生きていて心が動くことってどんなことでしょうか。
恋愛に関すること、別れ(死別含む)に関すること、自然に関すること、日々の生活(楽しいこと・つらいこと)が圧倒的に多いのではないでしょうか。
なかでも「和歌」には「恋愛」に関するものが圧倒的に多い。
今よりもエンタメや多様な価値観がなかった時代としては、日常的に最も心動くものとして「恋愛」が一番大きかったということが何となく理解できます。
このような「心の動き」が「あはれ」だと思っていいと思います(学問的に厳密にはいろいろあるとは思いますが、あくまで簡単に言うとですよ)。
教科書に出てくる和歌を思い出してみてください(センター試験や各大学の個別試験も)。
「恋愛」「自然」「別れ」のいずれかに分類できることがほとんどでしょう。
和歌というのは、そういうときの気持ちを詠んだものなのだということを知っておくと、今回の文章も読みやすくなるはずですし、「和歌」が出てくる文章を読んだときに読みやすくなりますよ。
今回の本文は「和歌」というのは、多くの「あはれ」の中でも「恋」に関するものが多いよねというものです。
ここまで述べた古文常識を知っていれば読みやすくなりそうですよね。
こんな風に「古文常識」を知っておくといいですよということです。
センター試験の過去問に取り組んでやるべきことは、そこに出てきた単語や文法を押さえること、そして古文常識を知っていくことです。
他の年度でもそれを意識して学習しましょう。
それの積み重ねだけでセンター試験は突破できますよ。
頑張ってください。
では、これで終わります。
センター対策の単語や文法を確認する場合はQuizletを利用すると便利ですよ。
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