高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

文章の読み方③_筆者の主張を読み取る①「文章の構造」

こんにちは。北の大地で高校教員をしています「きんこ」と言います。

今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。 

 

 

評論文が苦手!読んでるのに分からない!
小論文の課題文をどう読めばいいの?
そんな人はぜひ読んでみてください。 

 

文章には、「読み方」があります。

もちろん漠然と読んでもいいんですが、文章を読んで問題に答えたり、小論文を書いたりする場合には、「ポイント」を押さえながら読む方が断然効率がよくなります。

言い換えると、しっかりと押さえるべき部分と軽く読み流してもいい部分とをはっきり区別できると、読むスピードも内容の理解度も大きく変わるということです

現代文が得意!っていう人は無意識にこの読み方をしていることが多いんです。

ということで、「文章の読み方」について書いていきます。

 

第3回 筆者の主張を読み取る①「文章の構造を知る」

 

第1回、第2回でテーマとなる語句を見つけ、その定義を確認することができました。

次は、いよいよ筆者の主張を読み取ります。主張というのは、あるテーマについての筆者の考えです。多くの場合、テーマに関する問題点やそれに対する解決策が主張となります。これも小論文を書くときに意識することと同じですね。このように文章を読み取る力は、小論文(文章)を書く力と密接に関わっています。ですから、この2つの力はどちらか片方だけを鍛えようとするよりも、同時に鍛えていく方がより早く身につけることができます。

おっと、話がそれてしまいました。今回は筆者の主張を読み取る方法です。いくつかのことを意識して文章を読み取ると筆者の主張が見えてきます。今回は、その中でも最も基礎となる文章の読み方を伝授します。それがこれです。

 

 

形式段落、意味段落、全体の「はじめ」と「おわり」に注目する。 

 

日本語の作りというのは、「はじめ」と「おわり」が重要になっていることがほとんどです。それは、段落だけではなく一文でも基本的には変わりません。次の一文を読んでみてください。

 

 

私は、友達の新しいスマホを見て、便利な機能の多さや画面の見やすさなどを羨ましく思い、お母さんに今度のテストで学年一位を取ることを条件に、スマホを買ってもらった。 

 

ちょっと長ったらしい一文ですが、この一文で言いたいことは何でしょうか。考えてみてください。

 

まとめると、こうなります。

 

 

私はスマホを買ってもらった。 

 

このように、日本語の構造というのは「はじめ」と「おわり」に重要な部分が来ます。一文で考えると、主語と述語を押さえるということ(「何がどうした」を押さえるということ)です。この一文のテーマは「私」。言いたいことは「スマホを買ってもらった」となるでしょう。

では、真ん中の内容は何なんでしょうか。スマホの説明や、買ってもらった理由だと分かります。

つまり、言いたいことは「はじめ」と「おわり」に注目し、その詳しい内容や理由が真ん中に書かれているという意識を持つと、文章が読みやすくなるということです

  • この例文は分かりやすいものにしています。実際には、主語が省略されていたり、多くの修飾語がついていたり、理由から始まったりと多くのパターンがあります。

 

この基本的な構造が分かっていると、その一文で何が言いたいのかが見えやすくなります。そして、単語の塊が一文、一文の塊が形式段落、形式段落の塊が意味段落(大段落)、意味段落の塊が文章であり、すべて同じ構造と考えることができます。

もちろん、すべての文章がこの構造になっているとは言えません。このようになっていないものも存在します。しかし、これまで多くの問題集や入試問題の文章を読んできた経験から、このような構造の文章が採用されていることが圧倒的に多いと断言できます。

 

では、実際の例文を見てみましょう。本当は入試問題の文章などにしたいのですが、著作権などの関係から前回のブログの文章です。

 

①第1回では、テーマとなる語句を掴みました。
②次に意識することは、テーマとなっている語句について筆者はどのように定義しているのかということです。
③たとえば「時間」がテーマだった場合、筆者Aは「過去から現在、未来へと永遠に続いていくもの」と捉え、筆者Bは「今この瞬間にだけ存在するもの」と捉えているかもしれません。「時間」の定義によって、主張の内容が変化するということは容易に想像がつきますね。ですから、筆者の主張を読み取るためには、筆者がテーマとなる語句をどのように捉えているのかを確認する必要があるのです。
④では、「本文中の語句をどのように定義しているのか」を読み取る方法を伝授します。
⑤「語句の定義を読み取る」とは、「語句とイコール関係になっている文に注目する」ということです。「語句=○○」という文があれば、この語句の定義は○○だと分かります。イコールの関係になっている文が分かれば、語句の定義も分かるということです。次の2つの方法を押さえれば大丈夫です。 

これを読んだときの心の声です。

 

①第1回のことね。これは関係ない。
②次に意識すること。語句をどのように定義しているかってことか。
③たとえば。例を挙げるのか。語句を捉えるのが必要ってことね。さっきの繰り返しだな。
④伝授して。もう分かったよ、そんなに繰り返すなよ。
⑤語句の定義を読み取るって、そういうことね。まとめたか。2つの方法を押さえればいいのか。 

 

これが、各形式段落の「はじめ」と「おわり」に注目したときのものです。
そして、これを意味段落として見るとこうなります。

 

次に意識することは、語句をどのように定義しているかだ。それには2つの方法があるんだな。 

 

いかがですか。この文章のテーマは「語句をどのように定義しているか」であり、主張は「2つの方法がある」となるでしょう。

この読み方ができるようになると、筆者の主張が読み取れるようになってきます。教科書や問題集、入試問題の文章で試してみてください。

ちなみに前回も紹介しましたが、名寄市立大学の入試問題でやってみてもいいですよ。このブログに解説もあるので確認もできると思います。

 

 

では、今回のまとめです。筆者の主張、つまり、筆者が何を言いたいのかを読み取る方法です。

 

各形式段落の「はじめ」と「おわり」に注目して、各形式段落で何を言おうとしているのかを読み取る。これが第一段階です。

これに慣れてきたら、なんとなく意味段落が見えてくると思います。なぜなら、各形式段落で言いたいことが分かってくると、ある形式段落のはじめを確認したときに「あれ、話が変わったんじゃないか」と気づくことができるようになってくるからです。

そして、これができるようになると文章全体の構造が見えてきます。それは簡単にすると次のような構造です。

 

 

これからこの話するよ(テーマの提示)→内容説明(具体例とか誰かの言葉の引用とか)や理由説明→そのテーマに関する主張 

ほら、やっぱり「はじめ」と「おわり」が大事です。「はじめ」と「おわり」にテーマのことが書かれています(「はじめ」と「おわり」には同じことについて書かれているとも言えます)。

この大きな構造(文章)の中に、意味段落、形式段落が(なんなら一文も)、これまた同じ構造で書かれているってのが、日本語です。どんな文章を読むときでも、自分で文章を書くときでも、これを常に意識することが重要です。

 

次回は、筆者の主張を読み取るために注目すべき「ことば」についてです。文章を読むための次なる武器を授けましょう。

 

では、今回はこれで終わります。

 

 

 

評論文や小論文の課題文の読み方の記事については、こちらからご覧ください。

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