模試を受ける意味(高1、高2)
こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。
今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。
今回は高校1年生や高校2年生が模試を受ける意味について書きます。
(それ以外の学年でも参考になる部分もあると思います)
また、私が教師として模試をどのように扱っているのかということにも触れていきます。
通っている学校や塾によって受験する模擬試験は異なりますが、どの模試を受けたとしても共通する意味があります。
この意味を考えずに「受験することが決まっているから受験する」ではお金も時間も無駄になってしまいます。期限のある大学受験(誰だって浪人するために頑張っているわけではないでしょうから)に挑むために模試を受験するわけですから、少しでも有意義なものにしたほうがいいに決まっています。
私が考える「模試の意味」とは次の4つです。
①学習の指針となる
②学習に対するモチベーションを高める
③自分の絶対的学力を知る
④受験本番の雰囲気に慣れる
「教師」として重要視している流れが「学習の指針」として「学習へのモチベーションを高める」ことなのですが、それぞれの説明と合わせて見ていきます。
①学習の指針となる
高校1年生、2年生の模擬試験では段階を追って範囲が増えていきます。
言い方を換えると、それぞれの模試で求められる「学習の段階」がある程度定まっているということです。
国語でこのことを見てみましょう。
分かりやすいのが古典文法などの知識の問題です。
進研模試の古典文法の問題を例にします。
高1の7月…動詞の活用
高1の11月…用言の活用、基本的な助動詞の意味と活用
高1の1月…基本的な助動詞(識別に絡むものが中心)
高2の7月…識別と意味の訳し分け
高2の11月…識別と意味の訳し分け、敬語
高2の1月…識別と意味の訳し分け、助詞の用法
このように求められる段階が明らかに違います。
そして、これらの模試で求められる内容は大学受験で必要とされるほぼすべての学習内容を網羅しています。つまり、2年生の模試までの内容を完璧にしていけば大学受験対策は自然と完了しているということです。3年生の模試で問われることはこれらの繰り返しに過ぎません。
国語に限らず数学や英語でも同じです(地歴公民や理科は2年生の秋から模試が始まるので違います)。
それぞれの模試で問われることを確実に「もの」にすることで、大学受験で求められる力を自然とつけることができます。
段階など気にせずに参考書や問題集を完璧に仕上げれば問題ありませんが、せっかく受験する模試なのですから「段階」を意識して臨むと有意義になります。
模擬試験を学習指針とすることで「スモールステップ学習」が可能だということです。
実は、一般の高校の授業はこれが意識された授業内容になっていることが多いのですよ(先取り学習をしている中高一貫校は違います)。
古典文法の模試の出題に関しての記事はこちらです。
②学習に対するモチベーションを高める
「モチベーション」を高める方法はさまざまあります。
「くやしい」というマイナスの感情をモチベーションにすることもできますが、それよりは「楽しい」というようなプラスの感情をモチベーションにできることに越したことはありません。
模擬試験で良い成績を取れば誰でも嬉しい気持ちになります。しかも模試をただ受験しての結果ではなく、模試に向けて努力をした結果としての好成績であれば喜びは倍増します。
そして、その喜びが「また勉強してやるか」という気持ちを起こさせます。
このブログを読んでそのメカニズムを知ったとしても、それがなくなることはありません。「からくり」が分かったとしても嬉しいものは嬉しいし、やる気が出るものはやる気が出るのです。
そういう意味では人間って単純なんです。
その単純さを人生をプラスにする手段として使わない手はありません。
私が指導するときに重要視している流れがこれです。
模試に向けた学習をさせる→模試で得点できる→学習に対するモチベーションが高まる
このサイクルが出来上がれば、確実に学力は上がっていきます。
私の「模試」の使い方はこれがすべてだと言っても過言ではありません。
模試を受験する意味には、学習へのモチベーションを高めるということが言えるのです。
③自分の絶対的学力を知る
模試は全国の高校生が受験しています。全高校生ではありませんが、大学受験を考えている多くの人が受験しているには違いありません。
模試では受験者の中で自分がどのような位置にいるのかということも把握できます。
それが偏差値です。偏差値を上げるということは自分の相対的な学力を上げるということです。
しかし、大学受験で大事なのは相対的な学力ではなく合格に必要とされる程度の学力が身についているかどうかです。
ですから、模試でも偏差値や全国順位ではなく「点数」や「できた問題」「できなかった問題」にこだわるべきです。
これらを確認することで「自分の学力」を知るのです。
特に「できた問題」と「できなかった問題」を確認することは、これから自分がどのように学習していくのかを考える好材料となります。
自分はどこまでできて、どこからできないのか。それを明らかにすることで参考書や問題集の扱い方が変わります。
このように考えると、模試は「受けること」よりも「受けた後にやること」が重要になります。
自分の絶対的学力を知り次に活かす。
これが模試受験の意義の「王道」かもしれません。
④受験本番の雰囲気に慣れる
「見直しをしたら簡単な問題だった」「なんで間違ったのか意味が分からない」
こんな経験に心当たりがある人は多いのではないでしょうか。
授業や自学自習の時には絶対にできるレベルの問題なのに、模試では何故かミスをしてしまったり、ど忘れしてしまったりする。
その大きな理由が「模試のプレッシャー」、言い換えると「やり直しが利かない場面でのプレッシャー」に負けているということです。
この解決方法は1つです。
それは「自分に自信を持つこと」です。自分は絶対に大丈夫という絶対的な自信を持つことでプレッシャーをはねのけることができます。では、自信を持つためにはどうすればいいのでしょうか。その方法は2つ考えられます。
1つは「とにかく勉強する」とういうことです。とにかく勉強して多くの問題が解けるようになると自然と自信が身につきます(当たり前のことかもしれませんね)。
勉強に限らず部活動でも芸術活動でも人間関係でも何でも同じです。とにかくその対象となることでレベルアップすることで自信を持つことができます。
もう1つは経験を積み重ねることです。プレッシャーを感じる場面を数多く経験する。このことによっても自然と自信のようなものが身につきます。
これも勉強だけに限りませんね。人間、結局は経験がすべてのようなところがあります。経験値を上げることによって、ある意味「慣れる」わけです。
模試を受験する意味には「やり直しの利かない場面でのプレッシャーを受けるという経験を積み重ねることで自信をつける」ことが挙げられます。
ただし、単に受験するのではなく「模試はやり直しが利かない重要なものだ」という意識を強く持って受験することが必要になります。
そして、そのためにはやはり「模試に向けた学習をして模試で髙得点を取ろう」という姿勢で受験日まで過ごす必要がありそうです。
以上が「高1、高2での模試受験の意味」です。
いかがでしたでしょうか。少しでも皆さんのお役に立てたなら幸いです。
今回のブログで模試が学習の指針となることを書きました。今後、このブログで進研模試や全統模試を例に各模試で求められる段階やその対策をお伝えしようと思います。ぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。