高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

文章の読み方②_テーマとなっている語句の定義

こんにちは。北の大地で高校教員をしています「きんこ」と言います。

今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。 

 

 

評論文が苦手!読んでるのに分からない!
小論文の課題文をどう読めばいいの?
そんな人はぜひ読んでみてください。 

 

文章には、「読み方」があります。

もちろん漠然と読んでもいいんですが、文章を読んで問題に答えたり、小論文を書いたりする場合には、「ポイント」を押さえながら読む方が断然効率がよくなります。

言い換えると、しっかりと押さえるべき部分と軽く読み流してもいい部分とをはっきり区別できると、読むスピードも内容の理解度も大きく変わるということです

現代文が得意!っていう人は無意識にこの読み方をしていることが多いんです。

ということで、「文章の読み方」について書いていきます。

 

第2回 テーマとなっている語句の定義を確認する

 

第1回では、テーマとなる語句を掴みました。

次に意識することは、テーマとなっている語句について筆者はどのように定義しているのかということです

たとえば「時間」がテーマだった場合、筆者Aは「過去から現在、未来へと永遠に続いていくもの」と捉え、筆者Bは「今この瞬間にだけ存在するもの」と捉えているかもしれません。「時間」の定義によって、主張の内容が変化するということは容易に想像がつきますね。ですから、筆者の主張を読み取るためには、筆者がテーマとなる語句をどのように捉えているのかを確認する必要があるのです

 

では、「本文中の語句をどのように定義しているのか」を読み取る方法を伝授します。

 

「語句の定義を読み取る」とは、「語句とイコール関係になっている文に注目する」ということです。「語句=○○」という文があれば、この語句の定義は○○だと分かります。イコールの関係になっている文が分かれば、語句の定義も分かるということです。次の2つの方法を押さえます。

 

1.「語句」が主語になっている

  • ある語句が主語になっている場合、イコールの関係です。
  • 具体例を挙げます。

 

時間は過去から現在、未来へと永遠に続いているものだと言える。
今この瞬間にだけ存在するものが時間である。

  • このような一文があった場合、それぞれ「時間」の定義がはっきりと分かります。つまり、主語を示す「は(が)」の前後に定義を確認したい語句がある文に注目すればいいのです
  • 次のように、指示語になっている文もありますが考え方は変わりません。

 

私の家の花壇で花が咲いた。それは赤く美しい。 

  • 「それ=花=赤く美しい」ですね。

 

2.「語句」が修飾されている

  • ある語句が修飾されている場合、イコールの関係です。
  • 具体例を挙げます。

 

過去から現在、未来へと永遠に続いている時間を私たちは生きている。
赤く美しい花が、彼から贈られた。 

  • 「時間=過去から現在、未来へと永遠に続いている」「花=赤く美しい」ですね。このように修飾・被修飾の関係になっている場合もイコールです
  • 2つの方法が合わさると、こうなります。

 

赤く美しい花が、私の家の花壇に咲いた。 

  • 「花=赤く美しい=私の家の花壇で咲いた」です。

 

この2つの方法に注目するだけでも、多くの文章が読みやすくなります。この部分にずばり主張が書かれていることも多く、筆者の主張にぐーんと近付くことができるからです
テーマとなる語句が「は(が)」の前後にある、修飾されている部分を押さえながら読みましょう
この部分に線を引くこともオススメです。びっくりするほど、文章の内容が頭に入ってくるようになりますよ。
練習したい場合には、名寄市立大学の入試問題(課題文型小論文)に取り組んでみることをオススメします。この問題は課題文が与えられ、「○○について」というようにあらかじめテーマが与えられます。テーマとなる語句について筆者がどのように定義しているのかを読み取るには最適の教材となるでしょう。さらに名寄市立大学のHPで問題を入手できますし、このブログで解説もしています。いいことばかりですね!

 

では、最後におまけです。

現代文の問題は大きく「内容説明問題」と「理由説明問題」とに分かれます。このうち、「内容説明問題」は傍線部の言い換えをしてあげる問題です。つまり、傍線部とイコールの部分を探し出し、それをまとめてあげれば答えとなります。

たとえば「時間」に傍線部が引かれていて「ここで筆者が述べている時間とはどのような時間か説明しなさい」という問題の場合、先程確認した2つの方法で答えることができます。

これだけでは満点とならないこともありますが、部分点は間違いなく取ることができます。また、満点を取ろうと思ったとしても「イコール」の関係を見つけるところから解答の作成は始まります(満点に近付けるための方法は、いずれブログで書きたいと思います)。

まずは、この読み方をマスターすることから始めてみてください。

 

テーマとなっている語句の定義を確認したら、いよいよ筆者の主張を読み取ります。この方法については、次回にします。

 

では、今回はこれで終わります。

 

 

 

評論文や小論文の課題文の読み方の記事については、こちらからご覧ください。

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