高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

名寄市立大学_小論文_平成29年度_推薦入試_問1

こんにちは。北の大地で高校教員をしています「きんこ」と言います。

今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。

 

今回は、平成29年度推薦入試の小論文問1を解説します。

 

問題を入手していない方は、名寄市立大学のHPから、過去問を入手してください。

入試過去問題|名寄市立大学

 

また、このブログにある「名寄市立大学_推薦入試_小論文_対策」や「名寄市立大学_小論文の書き方② - 高校教員の徒然日記」をどのように運用するのかに重点を置いています。

また、問1は内容説明問題や理由説明問題なので「評論文や小論文の課題文の読み方」についての記事も合わせてお読みください。

 

そのため、これらをお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

 

名寄市立大学_小論文_まとめ - 高校教員の徒然日記

文章の読み方_まとめ - 高校教員の徒然日記

 

では、いきましょう。

 

今回の課題文は、文章Aが「松尾貴史のちょっと違和感」毎日新聞、文章Bが朝日新聞2015年9月25日の記事です。

 

問1は

 

文章Aのエッセイの表題からすると、保育園の開設に反対する地元住民のニュースを見て、著者は「ちょっと違和感」を感じている。それは何故か。200字以内で説明しなさい。

です。

 

 
まずは名寄市立大学推薦入試の課題文を読むときに意識しておくことを2つ確認します。

 

①テーマを確認する

 

課題文には必ずテーマがあり、それについての筆者の主張が述べられています。

多くの場合、テーマは問2の「○○について、あなたが考えることを600字以上800字以内で述べなさい」の「○○」です


②課題文の構成を意識しながら読む

 

次の構成で書かれている課題文が圧倒的に多いです。

 

ⅰ 一般的に考えられていること(一般論や常識論)
ⅱ それは違うのではないか(違和感)という筆者の立場
ⅲ 違うと考える理由(違和感の理由) 

 

 


では、実際に考えていきます。


1.課題文のテーマは何か。

 

「住民による保育園の開設反対運動」です。
(「子どもの声は騒音か否かという論争」は文章Bのテーマです)

 


2.設問で問われていることは何か。 

 

・筆者が「違和感」を感じている理由が問われている。

・「保育園開設への反対」に対する「違和感」である。

 

・「違和感」という言葉のニュアンスを確認します。
本来はAなのにBとなっている場合に感じるのが「違和感」です

・本文中から、AとBに該当する部分を読み取れば「違和感」の説明とともにその理由になるはずです。

 

・課題文の構成から考えると、ⅱ「違和感」を感じていると設問で教えてくれているのですから、その理由であるⅲをまとめる問題と分かります。

 

・「違和感」の理由なので、答えのフレームは「本当はAなのにBとなっているため、筆者は違和感を感じている」を基本とするといいでしょう

これを構成で確認したものと合わせて考えると、Aがⅲ(筆者の違和感の理由)に、Bがⅰ(一般論や常識論)の内容に当たります(今回はニュースに出てきた意見が一般論と捉えることができます)。

 

 

3.本文を読み取る。

 

「本来はAなのにBとなっているため、筆者は保育園の開設に反対する地元住民のニュースに違和感を感じている」というフレームを頭に置いて読み進めると、AとBが簡単に分かると思います。

課題文を読んだときに、次に示す部分に線を引けているといいですね


①一言で答えてみる(フレームを使う)

 

保育園を開設した方が良い面がたくさんあり、保育園を開設しないことによる悪い面があるにも関わらず(A)、反対している(B)から、違和感(ちょっと変だなぁ、おかしいなぁ)を感じている。

 

②良い面と悪い面を読み取る(A)

 

良い面(Aの前半)

・子どもは社会全体の宝であり、子どもがいることで誰でも癒やされる。

・安全性や地域の結びつきが強くなり、間接的に暮らしやすくなる。
    
悪い面(Aの後半)

・子育てのしにくさに拍車をかけ、少子化が原因の社会問題の悪循環を生む。

・クレーマーが多い土地柄だと思われ、地域の評価が下がる。


③反対している理由を読み取る(B)

 

・子どもの声が騒音であるから。

・24時間営業の騒音が増えているのに比べると、保育園の騒音の迷惑度は低いはずであるのに。

 

 

3.以上の内容を200字以内でまとめる。

 

この際、問われていることは「理由」だということを忘れないように注意しましょう。

 

なお、理由・根拠を聞かれたときに200字を一文で書いて文末を「から」にする人がいますが、それではあまりにも一文が長すぎて変な文になってしまいます。

 

たとえば「○○だ。このことから筆者は○○と考えている」というフレームを使えば理由・根拠を示せるので、このような書き方を覚えておきましょう。


今回は「違和感」の理由ということで「本来はAなのにBとなっているため、筆者は違和感を感じている」というフレームを使うのでした。


では、模範解答を示しますね。

 

 

保育園開設は子どもを見る癒やしの効果だけでなく、地域の安全性や結びつきが強くなるため暮らしやすい地域を作る。一方、開設反対が子育てのしにくさに拍車をかけ、少子化が原因の社会問題の悪循環を生むうえ、クレーマーが多い土地柄だと地域の評価を下げてしまう。それにも関わらず、商業施設に比べれば迷惑の度合いが低いと考えられる騒音を理由に、地域住民が保育園開設に反対しているので、著者は違和感を感じている。  (197字) 

 


いかがでしたか。問1の問題は理解してから何度か繰り返し書いてみることで力がつきます

これを見て終わりにするのではなく、今一度自分で書いてみましょう。

そして、このブログで示した大切な部分や模範解答と照らし合わせてみてください。

 

また、可能であれば誰かに添削をお願いしましょう。自分では、自分の文章がいいか悪いか、なかなか判断できないものです。学校の先生にお願いするのがよいかと思います。

 


では、終わります。

 

今回以外の名寄市立大学の小論文の記事については、こちらからご覧ください。

 

kinkoshin.hatenablog.com

 

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