高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

河合塾2019マーク式総合問題集(黒本)_国語_第1回_第1問(評論)_解説

こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。

今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。

 

今回は、河合塾2019マーク式総合問題集(黒本)「国語」第1回第1問の解説です。

このブログにある「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」をどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、「文章の読み方」「マーク式問題の解き方」をお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

文章の読み方_まとめ - 高校教員の徒然日記

マーク式問題の解き方(センター対策)_評論文 - 高校教員の徒然日記

 

この読み方、解き方を徹底することでセンター試験で8割は超えます

ぜひ身につけてみてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

ご自分で用意してください。

黒本は超有名なセンター対策問題集ですので書店やネットですぐに購入できると思います。

 

形式段落での説明がメインになります。今回はすでに1~14まで振られています。

 

では、始めます。


問1 

 

(ア)「算段」は簡単な漢字ですが出てこなかったかもしれません。

(イ)については「簡便」も選択肢の「書簡」も難しかったかもしれません。

 

どの漢字もそれほど難しくはないのですが、日常では使わない言葉が思い浮かぶかどうかが勝負です。教科書や問題集で評論文を読むときに漢字も意識して読むことをオススメします。

 

センター形式の漢字問題では同音異義語が問題になるため、限られた漢字が繰り返し出題されます。正答以外の選択肢も漢字学習の対象にしましょう。

 

また、漢字の学習は漢字検定2級を目安にすれば大学受験は大丈夫です。

 


問2 

 

ポイントは4つです。

 

①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②形式段落の中程にある。
 →何の説明をしているのかを形式段落のはじめを見て確認する。
③形式段落の繋がりを意識する。
 →形式段落のはじめは、前の形式段落のおわりから続いてきている。
④次の形式段落に傍線部がある。
 →ここまでの内容で答えることができるはずである。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①「戦争が『民主化』されていく」を言い換えます。ここでのポイントは「民主化」がどのような意味かということと、「されていく」という表現から「民主化」までの流れがどのようなものかを読み取ることだと考えられます。

 

形式段落のつくりは「この話するよ→説明→まとめ」です。

傍線部が中程にあるので、何の話の説明をしているのかを形式段落のはじめを見て確認します

形式段落のはじめは「戦争は意識の上で国民が担うものになりました」です。

傍線部もこの部分も主語が同じ「戦争」ですから「民主化」=「国民が担うもの」だと分かります

 

③では「戦争が意識の上で国民が担うものになった」のは何故でしょうか。

形式段落の終わりは次の形式段落のはじめに繋がります

「戦争が意識の上で国民が担うものになった」までの流れは前の形式段落に述べられていたということです。

形式段落2のおわりは「このときに初めて、『国民国家』が実質をもった」ですから、「このとき」の内容を押さえることで「国民国家」ができた流れ、つまり「戦争を国民が担う」ことになった流れが分かります。

指示語の指す内容は直前ということ、形式段落おわりの説明は中程にあるはずだということを合わせて考えて、形式段落2の中程を読めばいいわけです。

その内容を押さえれば容易に正答を導けます。

 

選択肢を見てみましょう。

選択肢は文末(後半)から見ます。

 

①「民衆が自分たちの力で戦争をするようになった」→確認した内容と同じです
②「積極的に外国を攻撃するようになった」→確認した内容と違います(問題はあくまで「民主化されていきます」の言い換えですから「民主化」=「攻撃」はおかしいでしょう)
③「自由を脅かす外国を撃退するようになった」→確認した内容と違います(②と同じ理由です)
④「自ら戦うようになった」→確認した内容と同じです
⑤「民衆がすすんで戦争をするようになった」→「すすんで」は確認した内容と違います 

 

①と④が残ったので前半を確認します。

 

 

①「王家が民衆の代わりに戦っていた」なんてどこにも書かれていません
④確認した内容(形式段落2の中程)と同じです 


以上で正答が導けましたが、2点補足しておきます。

 

1つめは、傍線部直後に「言い換えれば」という言葉があることです。この言葉は当然イコールを示しますから、その後の「万人の万人による万人のための戦争」も傍線部のイコールです。「万人」を「国民、民衆」に置き換えると形式段落はじめの「戦争は意識の上で国民が担うものになりました」とほぼ同じになります。

 

2つめは、次の形式段落4に傍線部があることです。基本的に傍線部は各意味段落に1つというのが基本ですから、傍線部Bまでの内容が傍線部Aだと考えます。ですから、形式段落1~3で考えるはずだという考えることができます。

 


問3

 

ポイントは3つです。

 

 

①何について問われているかを確認する。
②形式段落のはじめの部分にある。
 →この段落で説明がされていくはずである。
③答えが出ないときは「キーワード」に注目して読み進める。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①「産業革命」がもたらした影響が問われています。産業革命によってどんなことが起きたのかを読み取ればいいわけです。

 

形式段落のはじめにあるので、この形式段落で説明されていくはずです

まとめであるおわりには「機械化した武器が行き渡ったこと・武器の殺傷能力が高まったこと」が述べられています。これが「産業革命」によって起こったことです。

 

以上の内容になっている選択肢を選びます。

選択肢は文末(後半)から見ます。

 

選択肢の後半を見ると、どの選択肢も確認した内容だけでは判断できないことが分かります。前半をちらっと見ると確認した内容が書かれていますが、その結果どうなったかまで読み取る必要がありそうです。

 

今回はまだ読み取りが必要のようです。

 

あくまで傍線部の問題だということを忘れてはいけません。この問題のキーワードは「産業革命」です。読み進めながらこの言葉が出てくるのを待ちます

 

形式段落5は「それだけではありません」と始まっていて「産業革命」以外の話が始まっています。おわりを見て内容を整理すると「傭兵も戦費も国の規模でできるようになった」となります。

 

形式段落7は「もう一つ」と始まっていて「産業革命」「傭兵・戦費」の他にまだ何かあることが分かります。形式段落のはじめとおわりから「海外進出がさかん」で「大きな戦争にはならなかった」という内容です。

 

形式段落8では武器の殺傷能力が上がったことが述べられています。はじめに確認した形式段落4の内容と同じです。

 

形式段落9まで読み進めると「産業革命」という言葉がやっと出てきます

はじめとおわりから「産業革命が加わり」「第一次世界大戦」に繋がったです。

つまり、「産業革命」は「第一次世界大戦」を引き起こす1つの原因だということでしょう。産業革命によって第一次世界大戦が起きたというわけです。

では、改めて選択肢を見てみます。後半からです。

 

①「大規模な戦争を可能にする条件の一つとなった」→確認した内容と同じです
②「必然的に長期化し激しさを増す」→確認した内容と違います
③「小競り合いが大きな戦争へと発展」→確認した内容と違います
④「近代的な軍隊の形成を推し進める一因」→確認した内容と違います
⑤「植民地の人びとの抵抗を抑圧」→確認した内容と違います 

 


問4

 

ポイントは3つです。

 

 

①「どういうものか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②傍線部を含む一文から「対比」を意識する。
③前の傍線部とその答えの根拠から相当離れている。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①「古い共同性」がどのようなものかが問われています。

 

②傍線部を含む一文を読んで、どのような一文かを確認します。
「メディアは、解体された古い共同性を近代の共同性に置き換える働きをしました」です。

 

「古い共同性」と「近代の共同性」との対比になっていることが分かります

 

また、傍線部は形式段落14のはじめにあるので13からの繋がりを考えます。

13の内容が「近代の共同性」であることは容易に分かりますし、そもそもすでに「古い共同性」について述べられていたと気づくことができるはずです。

形式段落12ですね。はじめに「それまではほとんどの人は…」とあり、おわりには「かつては地縁血縁や…」とあります。「それまで」「かつて」などは「古い」ものの説明ですね。これが答えです。

 

選択肢を後半から見ます。

 

 

①「かりそめの共通性」→違います
②「何の繋がりも感じられない」→違います
③「地縁的な関係に基づく共同性」→「地縁」だけではありませんがダメとは言えません
④「素朴で原始的な仲間意識」→違います
⑤「その土地の住民や親族同士の間で形成する親密な関係性」→形式段落12の内容です 

 

③と⑤が残りましたので、前半を見ます。

 

 

③「同じ環境の中で文字情報を共有しあう」→これは形式段落13で述べられている「近代の共同性」です。
⑤オッケーです 

 


問5 

 

ポイントは3つです。

 

 

①何について問われているかを確認する。
②あくまで傍線部の問題である。
③形式段落のおわりの部分にある。
 →この段落で説明がされてきたはずである。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①「メディア」の働きが問われています。

 

あくまで傍線部の問題なので「メディアと近代国家、国民国家」とに関する働きが問われていることを確認します

 

形式段落のおわりに傍線部があるということは、この段落で説明がされてきたまとめであるということです

形式段落のはじめを確認すると「メディアは何をしたかというと」で始まっていますから、やはりこの後に「メディアがした働き」が説明されていると分かります。

何をしたかというと「近代の共同性をつくった」わけです。

そして、どのように作ったのかが中程の説明になります。

この内容を押さえて選択肢を後半から見ます。

 

 

①「同じ国にクラス人びとの間に国民としての同朋意識を植え付ける」→よさそうです
②「国民の一員としての自覚を促す」→自覚を促しているわけではなく自然となるわけです
③「国家を維持していこうとする意識を抱かせる」→書かれていません
④「同じ国の国民であるという意識のもとに結び付ける」→よさそうです
⑤「国民として再編成し近代国家形成に寄与させる」→近代の共同性をつくったことが近代国家形成に寄与というところまで言っていいかは微妙ですが絶対にダメとは言えません 

 

①と④と⑤の3つが残りました。前半を見ます。

 

 

①「国内で…すべて共有」→国内だけではないこと、「すべて」共有とは書かれていないことからダメっぽいです
④「内外の情報を共有」→①と比べるとこちらの方がよさそうです(形式段落12中程の内容)
⑤「意見交換の場を提供」→書かれていません 

 

以上から④を答えとします

 


問6

 

表現の問題は、それぞれの選択肢の内容を本文に戻って確認するしかありません。
今回は対策できません。

 

 

 

いかがでしたか。

文章の構造、形式段落の読み方、マーク式問題の解き方を使えば、簡単に答えを導くことができます

はじめは慣れないかもしれませんが、繰り返しこの方法で読み解くことで必ず慣れます。そして、一度慣れてしまえば後戻りすることはありません。どんな文章が出てきたとしても8割は得点できるようになっているでしょう。

 

今後も黒本の問題を扱っていきます。自分で解いてみてブログで確認するという流れで勉強してみてください。

 

要望や質問は「お問い合わせフォーム」から受け付けていますのでご活用ください。

検討を祈っています。

 


最後までお読みいただきありがとうございました。