高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

河合塾2018マーク式総合問題集(黒本)_国語_第3回_第1問(評論)_解説

こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。

今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。

 

今回は、河合塾2018マーク式総合問題集(黒本)「国語」第3回第1問の解説です。

このブログにある「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」をどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、「文章の読み方」「マーク式問題の解き方」をお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

文章の読み方_まとめ - 高校教員の徒然日記

マーク式問題の解き方(センター対策)_評論文 - 高校教員の徒然日記

 

この読み方、解き方を徹底することでセンター試験で8割は超えます
ぜひ身につけてみてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

ご自分で用意してください。

黒本は超有名なセンター対策問題集ですので書店やネットですぐに購入できると思います。

 

形式段落での説明がメインになります。今回はすでに1~24まで振られています。

 

では、始めます。

 


問1 

 

どの漢字も基本的なものばかりです。

(ウ)の選択肢「圧搾」、(オ)の選択肢「寡占」がやや難しい言葉かもしれません。

 

センター形式の漢字問題では同音異義語が問題になるため、限られた漢字が繰り返し出題されます。正答以外の選択肢も漢字学習の対象にしましょう。

 

また、漢字の学習は漢字検定2級を目安にすれば大学受験は大丈夫です。

 


問2 

 

ポイントは3つです。

 

 

①「どうしてか」という理由説明問題である。
②形式段落の中程にある。
 →この部分の説明のまとめが形式段落のおわりにある。
③形式段落の繋がりを意識する。
 →形式段落のおわりは、次の形式段落に続いていく。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①お返しがより少ないか、より多いか、でなければいけない理由が問われています。なぜ借りたものと同じではいけないかが問われているということです。

 

②傍線部は形式段落の中程にあります。ということは、この形式段落のおわりにはこれについてのまとめがあるはずです(形式段落のつくりは「この話するよ→説明→まとめ」です)。

 

ということで、形式段落のおわり、つまり傍線部に続く部分を読むと「なぜかというと」で始まっていますから、ここが傍線部の理由だということは明らかです。

 

つまり「貸し借りがなくなって、そこで両者の関係が終わってしまうから」が理由です。

 

選択肢を見てみましょう。

選択肢は文末(後半)から見ます。

 

 

①「『貸し借り』の関係がなくなってしまうから」→確認した内容と同じです
②「相手への心遣いが伝わらなくなってしまうから」→確認した内容と違います
③「人間関係のバランスが崩れてしまうから」→確認した内容と違います
④「自分らしさを示すことができるから」→確認した内容と違います
⑤「固定的で抑圧的な人間関係が生まれてしまうから」→確認した内容と違います 

 

これだけで正答は導けますが傍線部の前半の内容は形式段落2,3の内容となっています。形式段落1のおわり「両者の関係が終わってしまう」の説明が次の形式段落2に繋がっているわけです。

 


問3

 

ポイントは2つです。

 

 

①「なぜか」という理由説明問題である。
②形式段落のはじめの部分にある。
 →この段落で説明がされていくはずである。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①「フェアトレード」がおかしな表現だという理由が問われています。

 

形式段落のはじめに傍線部があるのだから、この形式段落で説明がされていくはずです。まとめとなっているはずのおわりの部分を確認します。

 

「つまり、トレードとはその定義からして『フェア』なのだ」

 

これが答えです。

 

「トレード」は「フェア」という内容をもともと持っているはずなのに、わざわざ「フェアトレード」と言っているのがおかしいということです。

 

選択肢を見てみましょう。

選択肢は文末(後半)から見ます。

 

 

①「『トレード』は、『フェア』という言葉の定義と矛盾するから」→矛盾ではなく含んでいるのでした
②「『トレード』は、もともと『フェア』なはずのものだから」→確認した内容と同じです
③「『トレード』は、『フェア』とは言えない状況にあるから」→確認した内容と違います
④「『トレード』は、つねに『フェア』であるべきだから」→「フェア」であるべきという問題ではなく「トレード=フェア」なのです
⑤「『トレード』は、定義からして『フェア』なものだから」→確認した内容と同じです 

 

②と⑤が残りました。

ここで前半を確認します。

 

選択肢のはじめの1文はどちらも同じです。

 

中程の説明に相違が見られます。ここで正答を選ぶことになるのですが、その内容は形式段落11の中程のものです。

 

傍線部Bが形式段落のはじめにあったので、その説明部分の中程をしっかりと確認すればいいわけです

 

改めて選択肢を見ましょう。

 

②形式段落11中程の説明と同じです。
⑤「『フェア』は、双方が公正でないと感じることを意味し」が明らかに形式段落11中程の説明と違います。 

 


問4

 

ポイントは2つです。

 

 

①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②形式段落のおわりの部分にある。
 →この段落で説明がされてきたはずである。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

①傍線部の比喩が何を言っているのかが問われています。

ここでは「檻の中に閉じこめられてしまった」がどのようなことを意味するのかということです。

 

形式段落のおわりにあるので、この形式段落で説明がされてきたはずです

 

はじめと中程をまとめて「経済競争という枠組みの中では、強い者がどんどん強くなり弱い者がどんどん弱くなることもフェアだ」です。

 

この表現と傍線部の「檻の中に閉じこめられる」を比べると「枠組み」=「檻」ということに気づきます。

 

「『フェア』が経済競争の枠組みに閉じこめられている」ということです。

 

では、閉じこめられているとはどういうことでしょうか。

 

「鳥」で考えてみましょう。「檻の中に閉じこめられた鳥」という表現は、本来は鳥は飛べるのに飛べなくなっている状態を表しているということは誰でも分かります。

つまり「本来とは違う状態になってしまっている」ということを表しているわけです。

 

これを「フェア」で考えると「本来のフェアは違う意味で使われている」というニュアンスだということになります。

 

ここまでを踏まえて傍線部を言い換えるとこうなります。

 

「『フェア』という言葉が、弱肉強食の経済競争という枠組みの中で本来の意味とは違う意味で使われてしまっている」

 

以上を踏まえて選択肢を見ましょう。

選択肢は文末(後半)から見ます。

 

 

①「自由な競争に基づく経済活動が阻まれる」→確認した内容と違います
②「皆が共犯関係にあると言わざるをえない状態」→確認した内容と違います
③「枠組み自体が解体されつつある」→確認した内容と違います
④「これ以上の経済成長が見込めなくなってしまう」→確認した内容と違います
⑤「それが正当化すらされかねない」→本来の意味とは違う意味で使われているという内容に合っています。 

 

正答は⑤ですね。

 

選択肢前半の内容は先程言い換えたものだけでは足りません。

それは「本来とは違う意味」の内容が何か分からないからです。

これはどこに述べられているかというと形式段落15です。傍線部のある形式段落16(強い者がどんどん強くなり弱い者がどんどん弱くなる)は前の内容から繋がっていることを意識すれば前半の内容もつかめます。

 

形式段落の繋がりを意識することも大切です

 


問5

 

ポイントは4つです。

 

 

①内容説明問題(イコール問題)である。
 →「それが『フェア』だ」という本文の趣旨に近い発言を選ぶ、つまり「フェア」の説明を選ぶ問題です。
②傍線部中に指示語がある。
 →直前の内容を確認する。
③形式段落のおわりの部分にある。
 →この段落で説明がされてきたはずである。
④あくまで傍線部の問題である。 


以上を踏まえて考えます。

 

①生徒たちの発言から答えを選ぶ問題になっていますが、本文で述べられている「フェア」とは何かという問題と同じです。「フェア」の言い換え問題です。

 

②③指示語の指す内容は基本的に直前の内容であること、傍線部は形式段落のおわりにあるからこの段落で説明がされていたことを合わせて、形式段落24中程を確認します。

 

直前は「その上で相手の言うこと、世界のさまざまな声なき声を聞く」となっています。「その上」という指示語があるので、さらに戻って「自分の言い分と基準を横に置いた上で」を確認します。

 

まとめると

 

「自分の言い分と基準を横に置いた上で相手の言うこと、世界のさまざまな声なき声を聞く」ことが「フェア」です

 

以上を踏まえて選択肢を見ることになります。

 

④この手の問題は文末から見るのではなくはじめから読んでいくことが基本となります(今回は文末でもいいんですが)。

ただそのときに忘れてはいけないのが、あくまで傍線部の問題だということです。今回であれば「フェアとは何か」の部分を確認するということです。

では、そこに注目して見てみましょう。

 

 

①「『フェア』な関係を築くために、コミュニケーションは大切」→確認した内容と違います
②「『フェア』な人こそ、本当の意味での勝者」→確認した内容と違います
③「相手の声を聞こうとする姿勢が『フェア』な関係」→確認した内容と同じです
④「柔軟な関係が『フェア』な関係」→確認した内容と違います
⑤「『フェア』な関係は相手に負けることが生まれる」→確認した内容と違います 

 


問6(ⅰ)

 

表現の問題は、それぞれの選択肢の内容を本文に戻って確認するしかありません。

が、この手の問題は「明らかに違う!」というのが正答になることが圧倒的に多いです

 

今回は③「『きみは~あるだろうか』という表現は、三人称を用いて」となっていて、「きみ」は明らかに三人称ではなく二人称です。

 

問6(ⅱ)

 

構成・展開の問題も、それぞれの選択肢の内容を本文に戻って確認するしかありません。

 

が、これも「明らかに違う!」というのが正答になることが圧倒的に多いです

 

今回は④「第24段落では…それまでの議論の内容に疑問を投げかけながら」が明らかに違いますね。だって「インド」の話はその前にある「モモ」の話と同じ「聞くのが大事」という話ですから。

 


いかがでしたか。

文章の構造、形式段落の読み方、マーク式問題の解き方を使えば、簡単に答えを導くことができます

はじめは慣れないかもしれませんが、繰り返しこの方法で読み解くことで必ず慣れます。そして、一度慣れてしまえば後戻りすることはありません。どんな文章が出てきたとしても8割は得点できるようになっているでしょう。

 

今後も黒本の問題を扱っていきます。自分で解いてみてブログで確認するという流れで勉強してみてください。

 

要望や質問は「お問い合わせフォーム」から受け付けていますのでご活用ください。

 

検討を祈っています。

 


最後までお読みいただきありがとうございました。