高校教員の徒然日記

PMA~Positive Mental Attitude~

2018年度総合学力マーク模試(6月進研マーク模試)_国語_第1問(評論)_解説

こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。

今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。

 

今回は、2018年度総合学力マーク模試(6月進研マーク模試)の国語、第1問の解説です。

 

このブログにある「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」をどのように運用するのかに重点を置いています。

そのため、「文章の読み方」「マーク式問題の解き方」をお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。

文章の読み方_まとめ - 高校教員の徒然日記

マーク式問題の解き方(センター対策)_評論文 - 高校教員の徒然日記

 

この読み方、解き方を徹底することでセンター試験で8割は超えます

ぜひ身につけてみてください。

 

問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。

ご自分で用意してください。

実際に受験した方は持っていると思います。

受験していない方は学校にある場合がありますので、先生に相談してみてください。

 

形式段落での説明がメインになりますので、お持ちの問題冊子に形式段落番号を記入してください。1~23までになります(1行開きで書かれている引用部分には形式段落の番号は振りませんよ)。

 

 

では、始めます。

 


問1

 

(イ)「普及」の答えである「普請」が言葉としては難しいですが、消去法で導くことは簡単です。その他はできないと困るレベルの漢字ばかりです。

不正解があったのならば対策が必要です。漢字は夏までに終わらせましょう。

目安は漢字検定2級です。せめて準2級レベルまでは何とかしましょう。

 


問2 

 

ポイントは3つです。

 

 

①「なぜか」という理由説明問題である。
②形式段落のおわりの部分にある。
 →この段落では何の説明がされているのかを形式段落のはじめを見て確認する。
③形式段落の繋がりを意識する。
 →形式段落のおわりは、次の形式段落に続いていく。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

形式段落のはじめを確認すると「言語は一般に、設定済みの記号の体系であって、ひとは思考を意味させるように、そこから語や文を構成するとみなされる」です。

ここを読んだときのポイントは「一般に」という言葉です。このような表現が出てきたら、筆者はそのように考えてない場合がほとんどです。つまり、「言語」は「設定済みの記号の体系」ではないし、「ひと」が「思考を意味させるように」「語や文を構成する」のではないというのが筆者の考えなのだろうと予想できるようにしましょう。

 

そのような意識で形式段落の中程を読みます。形式段落の作りは「この話するよ→説明→この話のまとめ」が基本でした


すると、2行目に「しかし」と逆接があるので、やはり筆者は先ほどの考えに反対だと分かります。そして、その内容説明が3、4行目に書かれている「言語はたえず変遷し、どの語や文も例外的な使用がされるから、意味作用の成り立ちが理解できない」です。

そして、傍線部の「発想を変えなくてはいけない」に繋がります。

 

この形式段落をまとめるとこうなります。

 

はじめ(一般にこうだ)→中程(変遷、例外があるから理解できない)→おわり(発想を変えるべきだ)

 

これだけで答えの方向性は見えますね。「言語は変遷し、例外的な使用がされるから」「一般に言われていることの発想を変えるべきだ」となります。

 

これだけで答えを選ぶことができる場合が多いのですが、今回は選択肢を見るとこれだけでは判断がつきにくくなっています。そこで、ポイントの③です。

傍線部が形式段落のおわりにあるということは、この内容は次の形式段落に繋がっていくと考えられます

つまり、先ほどの「中程(変遷、例外があるから理解できない)」という発想を変えるべき理由の詳しい説明がなされるはずなのです。

 

そのような意識で読み進めると、形式段落6、7、8がその説明になっていると分かります。すべて「言語が変遷する」ことの説明です。

形式段落6のおわり「基準は、語られるごとに、たえず作りなおされている」

形式段落7のはじめ「むしろ、こういうべき(指示内容は6のおわり)。言語が存続するのは、ひとびとが語ることで改変し続けるから」

形式段落8のはじめ「言語は、ひとびとが語り続けて存在する」

形式段落8のおわり「言語は解体されては作り直されている、基準からはずれることが『意味している』こと」

 

全部書きましたが、簡単に言うと中程にあった「変遷、例外」とは「言語はひとびとが語ることで変わり続けている」です。だから、「言語」は「設定済みの記号の体系」ではないし、「ひと」が「思考を意味させるように」「語や文を構成する」のではないのです。

 

選択肢を見てみましょう。
選択肢は文末(後半)から見ます。そこが今考えてきた方向と一致しているかを確認します。

 

 

①「言語体系を打ち破る」→「打ち破る」とは書かれていません
②「吸収する」→「吸収する」とは書かれていません
③「真の思考はこのように…」→考えてきた方向とはずれていますが、指示語があるのでその内容を確認する必要があります。直前は考えてきた内容です。これが正解です。
④「言葉の正しさの判断基準」→「判断基準」が理由ではありません
⑤「主体客体の意思疎通で満足」→書かれていません 

 

*ちなみに、本文の一番はじめが「真に思考する言葉とは?」から始まっているので、この文章は「真に思考する言葉」がテーマです。この問の箇所はその説明部分にあたるので、このような答えの書き方になっているのです。形式段落の作り(この話するよ→説明→この話のまとめ)はそのまま文章全体の作りでもあります。

 


問3

 

ポイントは3つです。

 

 

①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②傍線部を含む一文中に指示語がある。
 →直前の内容を確認する。
③形式段落のはじめの部分にある。
 →この段落で説明がされていくはずである。 

 

以上を踏まえて考えます。

 

「そうした言葉」とは直前に書かれている「創造的用法」の「言葉」です。「創造的用法」は「それが」という主語を受けているので「それ」の指す内容を確認すると、直前の「規定されている意味を、解放し、新しい見方をもたらす」言葉だと分かります。

 

次に傍線部は形式段落12のはじめにあるので、この段落で傍線部の説明がされるはずだという意識で読みます

 

すると、中程に「言葉のあとで思考は変質し、言葉を語る実践のなかで特別な思考に生まれかわる」とあり、おわりに「言葉が先立っており、人間には言葉抜きの思考は不可能だ」とあります。

これが傍線部の説明なので、容易に答えを導けます。


選択肢を見てみましょう。

選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。

 

 

①「特殊な意味合いで用いて表現を広げた」→読み取った方向と違います
③「言語体系は定着させられない」→読み取った方向と違います
④「ありのまま相手に伝えるのは難しい」→読み取った方向と違います
⑤「定着するまで時間を要する」→読み取った方向と違います 

 


問4

 

ポイントは3つです。

 

 

①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②傍線部を含む一文中に指示語がある。
 →直前の内容を確認する。
③形式段落のはじめの部分にある。
 →この段落で説明がされていくはずである。 

 

以上を踏まえて考えます。


指示語なんてないと思うかもしれませんが、傍線部直前の「とすれば」は「そうだとすれば」の省略なので、指示語があると考えるべきです。

指示内容は直前なので、「それらの組みあわせにおいてしか、『発見する』という意味での思考はない」です。

この文のはじめにも「それがなされるには」と指示語があります。直前の「文を作ってその文の意味を知ることが発見である」が指示内容です。

 

つまり、「文を作って(言葉の組み合わせによって)、意味を発見する」です。これが「思考する」(傍線部)の内容です。

 

これだけでも答えは導けますが、一応もう1つ確認しておきましょう。

 

傍線部は形式段落18のはじめにあるので、このあと説明がされるはずです

中程は「文を作るなかで、自分のいわんとしたこと以上のことをいってしまうことがある」、おわりは「それに気づけるのは、目指していたけど、それが何かはっきりしていなかったから」です。

この内容は先ほど確認した「文を作って(言葉の組み合わせによって)、意味を発見する」と同じです。やはり、これが傍線部のイコールです。


選択肢を見てみましょう。

選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。

 

 

①「全体を把握し妥当な組みあわせを考える」→読み取った方向と違います
③「正確にとらえられるかが思考の質」→読み取った方向と違います
④「社会的な責任によって思考が生まれる」→読み取った方向と違います
⑤「思考内容と目的を総合的に把握する」→読み取った方向と違います 


問5

 

ポイントは2つです。

 

 

①何について問われているかを確認する。
②問われている内容は本文のテーマである。
③形式段落の作りと文章全体の作りは同じである。 

 

この設問には傍線部がありませんから、何について問われているかを確認します

設問中に「思考について」とありますから、この問は「思考について」問われていると判断します。

 

問われている内容を確認したら、次に本文で「思考」をどのように述べているかを確認します。

 

そのときに知っておいてほしいのが次の考えです。

 

 

このような問で問われる内容は「本文の主題」である。 

 

主題と関係ないことを問うことはほとんどありません。それだと何のために文章を読ませたのか分からなくなるからです。この類いの問題は「きちんと文章を読めていますか」つまり「筆者の主張が読み取れましたか」という設問です。

 

では、この文章の主題(ここでは「思考」)を読み取ります。

ここで大切なのが文章の構成です。
「この話するよ→説明→この話のまとめ」が基本の構成です
これで見てみましょう。

 

形式段落1「真に思考する言葉って何?」→「言葉は変遷し、文を作りその文の意味を知ることが思考だ(ここまでの問いの内容ですね)」→形式段落23「沈黙が思考(中程の内容と同じですね)」

 

「思考」とは「言葉は変遷し、文を作りその文の意味を知ること」だと分かります。

この内容になっている選択肢を選ぶだけです。生徒同士の話なので選択肢の文が読みやすくなっていますが表現を気にしてはいけません。

 

選択肢を見てみましょう。
この問題は選択肢を読みながら突っ込みましょう。

 

 

①「前提となる知識が必要」→書かれていません
 「多角的な見方を身につける」→書かれていません
②「知識を組み合わせる」→組み合わせるのは「知識」でなく「言葉」
③「知識を生きたものにするために哲学者の思考が必要」→書かれていません
⑤「語彙が増えたら見方が広がる」→書かれていません 

 

*ちなみに、この設問での考え方の手順は課題文型小論文と同じです。このブログの小論文の過去問題解説では、その辺りのことも書いていますので必要な方はぜひ見てみてください。

 


問6(ⅰ)

 

表現の問題は、それぞれの選択肢の内容を本文に戻って確認するしかありません。
今回は対策できません。

 

問6(ⅱ)

 

構成・展開を問われた際のポイントは2つです。

 

 

①選択肢の最後と本文の最後が同じ内容になっているか。
②本文を読むときに、大きな流れを意識しているか。 

 

ポイントの②はある程度の国語力がないと難しいかもしれませんが、本文を読みながら(傍線部を頼りにして大段落を意識して)「問題提起」「内容説明」「理由説明」「筆者の主張」のどの内容かを意識できることを目標にしましょう。


今回の文章は問5で確認したように「問題提起、理由説明、筆者の主張」になっています。「思考」と「言語」との関係を述べていることは明白です。

 

 

 

いかがでしたか。

文章の構造、形式段落の読み方、マーク式問題の解き方を使えば、簡単に答えを導くことができます

はじめは慣れないかもしれませんが、繰り返しこの方法で読み解くことで必ず慣れます。そして、一度慣れてしまえば後戻りすることはありません。どんな文章が出てきたとしても8割は得点できるようになっているでしょう。

 

今後も他の問題を使ってブログを書こうと思います。自分で解いてみてブログで確認するという流れで勉強してみてください。

 

要望や質問は「お問い合わせフォーム」から受け付けていますのでご活用ください。

検討を祈っています。

 


最後までお読みいただきありがとうございました。