2018年度第1回全統マーク模試_国語_第1問(評論)_解説
こんにちは。北の大地で教員をしています「きんこ」と言います。
今日は私のブログを見てもらい、ありがとうございます。
今回は、2018年度第1回全統マーク模試の国語 第1問の解説です。
このブログにある「文章の読み方」や「マーク式問題の解き方」をどのように運用するのかに重点を置いています。
そのため、「文章の読み方」「マーク式問題の解き方」をお読みいただいていることを前提に説明をしていきます。
まだご覧になっていない方は以下のリンクからご覧ください。
マーク式問題の解き方(センター対策)_評論文 - 高校教員の徒然日記
この読み方、解き方を徹底することでセンター試験で8割は超えます。
ぜひ身につけてみてください。
問題については、著作権の関係上ここに載せることはできません。
ご自分で用意してください。
なお、黒本は前年度までの全統模試の過去問となっていますので、今日現在「2018年度第1回全統マーク模試」は書店で購入できません。実際に受験した方のみ持っていると思います。
では、始めます。
問1
干渉→渉猟が難しいですが他は普通。不正解があったのならば対策が必要です。漢字は夏までに終わらせましょう。
目安は漢字検定2級です。せめて準2級レベルまでは何とかしましょう。
問2
ポイントは3つです。
①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②傍線部中に指示語がある。→直前の内容を確認する。
③形式段落のはじめの部分にある。→この段落で説明がされていくはずである。
以上を踏まえて考えます。
②「この動き」とは「グローバリゼーション」のことであることは容易です。
③傍線部中の「主権国家体制」がどのように変わったかという内容を読み取ります。
形式段落のはじめは前の形式段落の終わりとつながっています。
今回であれば「このことが、主権国家のあり方を決定的に変える契機となるだろう」からのつながりなので、傍線部の内容説明は「主権国家体制がどのように変わったか」ということになります。
傍線部は形式段落3のはじめにあるのだから、この段落は傍線部の説明であると考えます。「主権国家体制がどのように変わったか」を意識して読みます。
形式段落3の5行目「ところが」(逆接の後は大事でした!)以降の内容を押さえると、自分で答えを導けるはずです。
形式段落3だけでも答えを出せますが、形式段落4でさらに説明が述べられているので、ここまで読めば確実に分かります。
選択肢を見てみましょう。
選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。
①「国家同士が協力しながら」→書かれていません
②「経済発展が困難になり」→書かれていません
④「経済格差がますます拡がり」→書かれていません
⑤「統治権を放棄せざるをえなく」→書かれていません
問3
ポイントは3つです。
①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。
②形式段落のはじめの部分にある。→この段落で説明がされていくはずである。
③形式段落の繋がりを意識する。
以上を踏まえて考えます。
形式段落5の真ん中の説明は「近代国家の国民」の説明となっていて、形式段落の終わりで傍線部と同じこと(「国民」として人間のあり方も変化せざるをえない)が述べられています。まさに形式段落の作り(この話するよ→説明→まとめ)となっていますね。
形式段落5で「近代国家の国民」の説明しかされていないということは、形式段落6に説明が続くということが分かります(どのように変化するのかが書かれていないのですから)。
つまり、形式段落5で「近代国家の国民」について説明され、形式段落6で「近代国家の国民」と対比される「変化した国民」が述べられるはずだと分かります。
このような意識で形式段落6を読みます。また、形式段落7は「そしてさらに」から始まっているので、「変化した国民」の説明の続きだと考えて読みます。
ここまで読めば、人々がA(形式段落5)からB(形式段落5・6)へと変容したことが分かります。
選択肢を見てみましょう。
選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。
ちなみに、今回は「変化」の説明問題なので選択肢は「AからBへ変わった」という流れになっていることが予想されます。つまり、選択肢の後半はBの内容になっているはずなのでBの読み取りが重要だと考えます。
①「合理的に判断し行動することすらできない」→変化した国民のありかたはこれをすると書かれていました
②「演じ分けることでしか充実した生を送れない」→書かれていません
③「政治的意志と経済的活動を調和させることに腐心」→政治的意志は必要ないと書かれていました
⑤「国家の手厚い庇護を受けて生きているだけの脆弱な『生きもの』」→書かれていません
問4
ポイントは3つです。
①「どういうことか」という内容説明問題(イコール問題)である。→なお、「範例」の意味は「よい手本」である。
②傍線部を含む一文中に指示語がある。→直前の内容を確認する。
③形式段落のはじめの部分にある。→この段落で説明がされていくはずである。
以上を踏まえて考えます。
②「このようなフーコーの考え方」の指す内容は直前の段落である形式段落9と10です。指示語の指す内容は基本的に直前でしたね。
③傍線部直後に傍線部の説明があります。やはり、形式段落11が傍線部の説明の段落だと分かります。
以上から、自分で答えを導くことができるはずです。
選択肢を見てみましょう。
選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解と⑤以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。
②「近代政治の理念をより徹底したかたちで現実化しようとして作られた」→書かれていません
③「人間を『生きもの』ですらない単なるものにまで貶めてしまう」→「単なる生きもの」として扱うと書かれていました
④「人間を単に生きているだけの国民と見なして管理しよう」→「国民」としてではなく「単なる生きもの」として扱うと書かれていました
⑤前半と後半に分けるとどちらも本文で書かれています。
しかし、その繋がりがダメです。「強制収容所を規範とすることで」「近代の政治が…進んだ」のではありませんし、この問題はあくまで傍線部の言い換えだと意識できていれば間違うことはないでしょう。
⑤のように選択肢の内容が本文で書かれていて、その繋がりだけが間違っているというものには注意が必要です。
「AだがB」の逆接、「AだからB」の因果関係、「Aの後にB」の時系列で順序を入れ替えるのが代表的です。今回は因果関係とも時系列とも取れます。
常に同じ流れで解くことが重要なので、この問題も同じ手順で解きました。しかし、今回はもっと楽に解くこともできます。
今回は「傍線部の言い換え」つまり「イコール問題」です。はじめに確認したように、傍線部中の「範例」は「よい手本」という意味です。これが分かっていれば、選択肢①の「近代の政治の特徴が、象徴的なかたちであらわれている」という表現のみが「近代の政治の(隠れた)範例」の言い換えだと分かります。
「どういうことか」というイコール問題は、あくまで傍線部の言い換えなんだということを意識しておくことも非常に有効なテクニックです。
問5
ポイントは3つです。
①傍線部中に指示語がある。
②空欄の前後に指示語がある。
③あくまで傍線部の問題である。
以上を踏まえて考えます。
①「次のように」という指示語ですから、直後の形式段落14と15の内容を押さえます。
②空欄直前の「それ」、空欄後の台詞の「そうした現象」があることを確認します。「それ」の指す内容は直前の内容、「そうした現象」の指す内容がここで求められている解答です。
③①と②を踏まえれば答えを導けますが、あくまで傍線部「次のように」が問われていることを意識しておきます。
選択肢を見てみましょう。
選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解と④以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。
①「国家そのものが存在しない世界を生きるしかない」→書かれていません
②「『国民』であることを強いられている」→書かれていません
③「立場が逆転しつつ」→書かれていません
④後半だけでの判断は難しいかもしれませんが、「増加した結果、難民のような…」という因果関係が本文内容と違います
問6(ⅰ)
表現の問題は、それぞれの選択肢の内容を本文に戻って確認するしかありません。
今回は対策できません。
問6(ⅱ)
構成を問われた際のポイントは2つです。
①選択肢の最後と本文の最後が同じ内容になっているか。
②本文を読むときに、大きな流れを意識しているか。
ポイントの②はある程度の国語力がないと難しいかもしれませんが、本文を読みながら(傍線部を頼りにして大段落を意識して)「問題提起」「内容説明」「理由説明」「筆者の主張」のどの内容かを意識できることを目標にしましょう。
今回の文章の最後を確認すると、明らかに説明している途中で終わっているような感じを受けることでしょう。つまり、上に挙げた「問題提起、理由説明、筆者の主張」ではなく「内容説明」で終わっていることと判断できます。
以上を踏まえて、選択肢を見てみましょう。
選択肢は文末(後半)から見ます。この問題は、正解以外はすべて選択肢文末で間違いだと判断できます。
①「打開策を提示している」→していません(筆者の主張で終わっていません)
②「原因を究明している」→していません(理由説明の内容で終わっていません)
③「最終的な結論を導き出している」→出していません(内容説明で終わっています)
いかがでしたか。
文章の構造、形式段落の読み方、マーク式問題の解き方を使えば、簡単に答えを導くことができます。
はじめは慣れないかもしれませんが、繰り返しこの方法で読み解くことで必ず慣れます。そして、一度慣れてしまえば後戻りすることはありません。どんな文章が出てきたとしても8割は得点できるようになっているでしょう。
今後も他の問題を使ってブログを書こうと思います。自分で解いてみてブログで確認するという流れで勉強してみてください。
要望や質問は「お問い合わせフォーム」から受け付けていますのでご活用ください。
検討を祈っています。
では、今回はこれで終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。